ふれあいの里だより(平成24年2月号)
更新日:2012年2月1日
冬の夜の恋クロテンフユシャク
局地的豪雪や、都心部ではカラカラのお天気が続いたかと思うと、積雪が記録されるなど、厳しい寒さが続いています。
そんな中で、命をつないでいるのが、フユシャクの仲間たちです。
クロテンフユシャクは、日本全国に普通に分布し、初冬から晩冬にかけて成虫になりますが、このあたりではおよそ2月ごろから多く見られます。翅に黒い点があることから名前が付きましたが、個体差があり目立たない者もいます。
日本では約40種のフユシャクの仲間が確認されていて、共通して言えるのは口吻が退化していることと、オスには翅がありますが、メスには退化して痕跡程度か、小さなものしかないことです。クロテンフユシャクのメスは完全に退化し、産卵前には尾の先端に毛の束を持ち、卵塊をこの毛で覆って産卵します。4月〜5月ごろ、いわゆる『尺取虫』と呼ばれる幼虫になり、コナラ、クヌギ、クリなどの葉を食べて育ち、初夏にはさなぎになり夏の暑い時期を過ごします。
夜行性なので、昼間飛んでいるところを目にすることはほとんどありませんが、幼虫が葉を食べる木にメスがとまっているのを見かけることがあります。
ただ、メスの大きさは9〜11ミリ。しかも木肌に溶け込むような色なので、見過ごしがちですが、見つけた時の喜びは大きいです。メスはフェロモンを出してオスを呼びます。思いのほか歩くのは早く、少しの間に見失うこともあります。天敵が少ないから冬に成虫になるとも言われていますが、0度を下回ると活動は止まってしまうようです。
初冬の林床近くをひらひらとクロスジフユシャクが舞い、スタートしたフユシャクの季節も、ウスバフユシャクが出、クロテンフユシャクが多くなると終わりに近いです。
やがて成虫越冬したヒオドシチョウ、いち早くさなぎから成虫になるミヤマセセリなどが早春を告げ、チョウたちの舞う季節の始まりです。
梅の花が寒さの中凛と咲き、木々の幹を突きながら移動するコゲラ。もしかすると梅の樹皮にはフユシャクの仲間がいて、コゲラに見つかり餌になってしまっているかもしれません。
スギも開花し、花粉を飛ばし始めます。寒い季節のあとは春がやって来ます。

クロテンフユシャク

コゲラ

梅の花
