気分障害(うつ病・躁うつ病)とはどんな病気

更新日:2014年1月17日

はじめに

 気分障害とは気分や感情の変化の障害のため、気分が沈んだり、高ぶったりする特徴があります。
 ストレスが気分の変化のきっかけになることが多く、しばしば再発を繰り返します。
 病状が悪い時には、一時的に妄想や幻聴などの精神症状が出るときもありますが、通常回復可能で障害を残さずに健康な状態に戻る特徴があります。

気分障害のタイプ

双極性障害 双極I型障害 明確な躁とうつ症状がみられる。従来の躁うつ病。
双極II型障害 軽い躁症状とうつ症状がみられるタイプ。
気分循環性障害 軽い躁症状と軽いうつ症状。
うつ病性障害 大うつ病性障害 いわゆるうつ病 軽度、中等度、重度に分けられる。
気分変調性障害 軽いうつ症状が2年以上続く。
非定型うつ病 20~30代の女性に多く、過食、過眠、倦怠感が強い。

躁うつ病とはどんな病気?

 躁うつ病は躁状態(病的に愉快・爽快な状態)とうつ状態(病的に憂うつ・抑うつの状態)からなります。
 出現頻度は0.3〜0.5%で文化程度の高い民族や知識階級や中上層階級に出現やすく、20歳代、30歳代、40〜50歳に多くみられ、躁病とうつ病は1:6〜10でうつ病が多いと言われています。
 うつ病だけの人が50〜60%、うつ病と躁病の両方の人が30〜40%、躁病だけの人が5〜10%の割合と言われています。

躁うつ病の症状の特徴

感情障害 上機嫌、気分爽快、楽天的、感情の高揚によって自分を過大評価。自信に満ち他人を無視・干渉。好き嫌いを露骨に表し、尊大・傲慢。
思考障害 思考過程が促進され、考えが次々と湧きでる。内容は楽天的で誇大的。自分の能力、事業、財産、身分などを過大に評価する。「自分は今すぐに数億円を手に入れられる」などの誇大妄想がある。
欲動障害 じっとできず、せわしく動き回り何かをしようとするがまとまりがない。大声で絶え間なくしゃべり、朝早くから夜遅くまで動き回る。時間に関係なく外出し相手の都合を考えず訪問や手紙、電話などをする。多量または高価な買い物、異性関係も逸脱行為がみられる。
身体症状 早朝覚醒、熟眠障害、入眠障害などの睡眠に関する症状がみられる。頭痛、肩こり、関節痛、耳鳴り、頻尿、消化器症状を訴えることもある。

 躁状態のときは病気という自覚が少なくなるため、周囲の気づきによる早めの受診が重要です。

うつ病とはどんな病気?

 うつ病は誰でも感じる“落ち込み”や“ゆううつ”が極端になった病気です。脳内では神経伝達物質の減少によって、エネルギーの浪費(不安と焦燥)と低下(意欲の低下)が起きています。
 うつ病は脳の病気であり「甘えや怠け」が原因ではありません。WHOによると世界人口の3〜5%がうつ病であり、生涯で一度でもうつ病になる確率は16〜20%と言われるほどありふれた病気です。

うつ病の症状

気分の落ち込み 常にもの悲しくて、切ない。涙が出て きて止まらない。喜びや嬉しさを感じられない。ため息ばかりついている。理由なくイライラしてしまう。
意欲の低下 やる気がなくなる。誰とも話をしたくなくなる。テレビや新聞を見たくない。好きだったことが楽しくない。何をするのもおっくうになる。
思考力の低下 記憶力が悪く、物忘れが多い。人の話などが憶えられない。悲観的、自責的な考えが強い。判断力が低下する。認知症のように見える。
からだの不調 頭が重い、鉢巻状の締め付け食欲低下、吐き気、下痢・便秘胃のむかつき、胃の重たさ。ドウキがする、胸が苦しい。立ちくらみ、めまい

うつ病にかかった人への対応

うつ病に関する知識を得る

 まずは、うつ病は病気であることを理解すること。根性論や説教でどうにかなるものではないことを知ること。

可能なかぎり休ませる

 うつ病は今まで頑張り過ぎた結果です。どんな治療も休養と組み合わせてはじめて効果が出ます。

薬についての理解

 特に治療の初期には、薬の効果よりも副作用が目立ち、本人も周囲も服薬を拒否してしまうことがあります。疑問点があればきちんと主治医に伝え、相談して行くことが何よりも大切です。

焦ることのないゆったりした対応

 本人は自分が頑張らなければならないにもかかわらず、それができず
に苦しんでいます。誰よりも自分の状態を絶望的に捉え、それを申し訳ないと思い過剰な罪悪感を持っています。

重要な決定は先のばしにする

 大きな買い物、転職、離婚など、大事なことを決定するのはストレスになります。うつ病になるとどうしても物事を悲観的に考えてしまいがちです。病気が良くなってから大事な決定をすることが大切です。

うつ病のつどいを開催しています

 所沢市保健センターではつどいを月1回開催しています。情報交換や経験や思いのわかちあい等です。
うつ病当事者のつどい
うつ病家族のつどい
⇒うつ病夜のつどい

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