統合失調症について

更新日:2023年9月12日

統合失調症は全世界共通して見られる疾患です。
100人に1人が発症する非常に多い病気で、男女差はありません。
思春期から40歳頃まで多く発症しやすく、特有の多彩な症状があります。
薬物療法を基本とする治療の進歩によって、早期治療をおこなえば多くの方が社会参加できるようになりました。
糖尿病や高血圧と同様の慢性疾患で、服薬などの中断で再発しやすく再発予防が必要です。

統合失調症の原因として考えられること

脳の神経系機能の障害であり、神経伝達物質が過剰に働き、情報伝達の混乱により症状が出現すると考えられています。
神経伝達物質の中で主としてドーパミンやセロトニンという物質が関係していると考えられています。
病気にかかりやすい体質とストレスが関係しているようです。

統合失調症の典型的な経過と症状

  様子 特徴
前駆期 「よく分からない不安感や焦り」「落ち着かない」「会話をしなくなり閉じこもる」「体調が良くなくなる」「疲れやすい」「仕事の能率や集中力が低下したり」「急に成績が落ちる」  発症前には何らかの兆候がみられます。
 生活上の変化が見られる時期ですが、病気かどうかの判断も難しい時期です。
急性期  「考えがまとまらない」「他人の話がわからない、頭に入らない」「混乱しやすい」「周りから見ると奇妙な態度や言動」「盗聴されている、監視されている、命を狙われている、自分の考えが知られる」「誰かが悪口を言っている、命令をしてくる」  幻聴や幻視などの幻覚や、被害妄想などの陽性症状が出現します。
 落ち着かず怒りやすく、興奮しやすいため、心身のエネルギーを消耗する時期です。
休息期  「気力がわかない」「気分が落ち込む」「いろいろなことに自信がなくなる」「人と話すのがおっくう」「外に出たくない」「不安で気ぜわしい」  感情が変わりやすく不安定な時期です。
 心身を回復させるための充電期間で休息が一番必要な時期です。
回復期  「なんとなく暇を感じられるようになる」「不安定な感情がだんだん落ち着いてくる」「少しずつ周囲に目が向くようになる」  ゆっくり気力が湧いてくる時期です。
 人により陽性症状が消失せず長く続くこともあります。

おもな治療法

薬物療法  薬物により脳内の代謝のバランスをよくします。
 急性期の症状改善と再発の防止に必要です。治療の基本となります。
精神療法  医師による治療面接のことで、病気や自分のもつ症状への理解をすすめ心の安定をはかります。
 ストレスのコントロール、環境(職場、学校など)の調整、家族の問題解決についてのアドバイスや助言、指導などがあります。
精神科
リハビリテーション
 急性期を経た後に開始。症状等によって仕事や学校等の社会生活ができなくなっていることも多いので、集団でスポーツやレクリエーション、対人交流の練習などを行って社会復帰の訓練をします。
 デイケア、作業所、福祉施設を利用し、生活訓練(生活リズムの確立、炊事、掃除、清潔、保持、金銭管理など)、就労準備、ストレスの対処などを学びます。

「生活のしづらさ」への対応

病気の結果出現してくる社会生活や、日常生活のしづらさのことを生活障害と言います。
その人の社会体験や、個人差により生活のしづらさの度合いが変わっていきます。

日常生活 食事の乱れ・金銭管理の乱れ、服薬管理が不規則・身だしなみに不注意
対人関係 人づきあいが苦手・他人への気配りに欠ける。協調性に乏しい・過剰な配慮
働くこと 習得や作業能力の低下・疲れやすい・手順がわからない・集中力や持続性の低下
まとめる力 全体をつかみにくい・細かいことにこだわる・考えがかたくな・臨機応変にいかない

このような生活障害に対応するために、治療と同時に病院内での作業療法、精神科デイケア、社会復帰を支援する施設などを上手に利用することが回復のために大切です。
自分に合ったプログラムで、無理をせず、焦らずに、生活のペースを取り戻し、生活を豊かにしていくことがポイントです。

ご家族の方へ

所沢市では精神障害者を支えるご家族を対象とした3つの家族会が毎月1回の定例会や勉強会などを行っています。
ご家族同士が交流し、普段は話しにくいことも安心して話すことが出来ます。精神障害者家族会のページへ

関連情報

統合失調症情報局「すまいるナビゲーター」(外部サイト)
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みんなねっと(全国精神保健福祉会連合会)(外部サイト)
精神に障がいのある方の家族の全国組織です。

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