会 議 録 会議の名称 第二回(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会 開催日時 平成29年1月23日(月)午前9時30分から11時30分 開催場所 所沢市役所 604会議室 出席者の氏名 会 長  田中 英樹 委 員  楠田 房雄、 久保田 さおり、吉田 武、       仲 典子、  本橋 幸太郎、 五里江 陽子、      大場 エイ子、渋谷 正則、      西田 知宏(代理出席)、富樫 陽人(代理出席)      小澤 正明、 加藤 剛毅、  橋爪 猛、      荒井 恵美、 鈴木 隆雄、  下河 雅彦、      森本 裕子、 小幡 育子 欠席者の氏名 委 員  藤永 弘、 山本 徳之(代理出席者有)、      加藤 和伸、工藤 隆昭(代理出席者有) 議事 1 条例に求めるものについて 2 その他 会議資料 ・ 次第 ・ (仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会 委員名簿 ・ 資料1 差別の解消に関する当事者アンケートの回答の傾向 ・ 資料2 差別の解消に関する事業者アンケート実施結果 ・ 資料3 障害者差別解消条例(案)策定における検討事項 ・ 参考資料 差別の解消に関するアンケートのお願い ・ 参考資料 差別の解消に関する事業者アンケート集計結果 担当部課名 福祉部 次 長  北田 裕司 障害福祉課 課 長  並木 和人   主 査  青野 一矢 主 査  岩雲 一如   主 任  山田 翔太 主 任  松澤 陸    主 事  中島 彰一 主 事  中村 千春 こども未来部 こども福祉課 課 長  市來 広美   主 査  廣谷 貴紀 健康推進部 健康管理課 主 幹  山ア 英雄   主 査  小野寺 健          福祉部障害福祉課   04−2998−9116 発言者 審議の内容(審議経過・決定事項等)   開会 事務局 本日の欠席者・遅刻者の報告。代理出席者の紹介。 会 長 ・ 開会挨拶  当事者・事業者アンケートを中心に、どんな思いがあるのかを共通認識として深めていきたい。  また、市で条例を作る意義について、みなさんの意見を聞いて共通確認したい。 事務局 ・ 資料確認。 ・ 会議を進める上での注意事項。 会 長 ・ 傍聴希望者数の確認。(傍聴希望者2名) (この段階では1名のみ入室、遅れてもう1名が入室)  では、議題1の条例に求めるものについて、事務局より説明をお願いする。 1 条例に求めるものについて 事務局 以下の2点について、事務局より説明を行った。 ●当事者アンケートの回答の傾向  当事者アンケートの回答(58件)を大きく3つの傾向に分けたことを、事例を交えて報告した。傾向については、 「障害のある人への偏見や理解の無さ」 「合理的配慮の不提供」 「ハード面(財源が必要なもの)の整備」  以上3点にまとめられる。 ●事業者アンケートのまとめ(資料の訂正のお願い)  障害のある人に対応する際にどのような対応をしているか、実情を把握し条例づくりの参考とするために実施を行った。回答件数は72件であった。  事業者全ての意見ではなく、こういった考えを持っている事業者もあるということで、認識していただきたい。  1 障害のある人への対応の有無について  障害のある人に対応する機会については、半数以上の事業者が「ほとんどない」とのことであった。  対応したことがあるほぼ全ての事業者が、障害者に併せた工夫や変更等の配慮を行ったことがあると回答している。  2 障害のある人への対応について  半数以上が、障害のある人への対応について「困ったことがない」との回答であった。 「困ったことがある」と回答した内容は、事業所がバリアフリー化していないこと、意思疎通の困難な精神障害者や知的障害者への対応に困った等の傾向が伺えた。  雇用関係では、障害のある従業員に対しての安全の確保や、業務範囲の制限等があげられた。  サービス提供の拒否をしたという回答はほとんどない。  3 合理的な配慮に関連して 事業者が可能と考える合理的配慮については、バリアフ リーではない場所での補助や、筆談・わかりやすい説明といった簡単なコミュニケーション支援、車での送迎や案内等の移動による支援、という回答が多かった。  雇用関係では、障害の程度を考慮した業務配分や本人の意思の尊重等があげられた。  合理的配慮の提供として対応が困難との回答の中には、ハード面での設備の改善や、スタッフの増員などの人的支援等、特段費用や経費のかかるものが多かった。   また、市が行う事業者向け施策については、  @相談窓口の設置  47回答  A金銭の補助    39回答  B交流の機会の創出 33回答  C理解促進のための講習会の開催 29回答  全て有効であると答えた事業者が多くあった。しかしながら「A金銭の補助」については、補助金を出すだけでは意味がないという意見もあった。  また、多くの事業者から、障害や障害者への理解不足、相互理解の必要性、幼少期からの障害教育等が、差別をなくすためには必要であるとのご意見をいただいた。 会 長  ただいまの事務局の説明に対して、質問や意見等があればお話しいただきたい。  事業者のアンケートに直接は関係ないが、学校関係の委員の方はいかがでしょうか? 委 員   学校として対応していることを、経験上から話したい。  (ハード面) ・車椅子使用の生徒が入学した場合のトイレ改修工事。 ・スロープの工事。 ・視覚に障害がある場合は拡大教科書の使用。 ・特別支援学級には介助員、通常学級にも特別支援員がいる。  財源等の問題もあるが、整ってきていると感じている。  (ソフト面) ・教師の意識を高めるための情報収集・研修会への参加。 ・教師が太鼓の指導を行う等の活動。 ・保護者の方との緊密な連携。 ・座席位置の配慮。   特別支援学級は、全ての子どもたちへ障害の理解の促進のために有効と考える。その他に宿泊学習や買い物学習など、様々な体験学習も行っている。 会 長  ただいまの説明に対して、質問や意見等があればお話しいただきたい。 委 員  聴覚障害児が入学してきたことはあるか? 委 員  経験上だが、難聴の生徒はいた。担任が手話を覚えたり、身ぶり手ぶりで対応した。  聴覚に障害がある生徒は特別支援学校に行く事も多い。 委 員  車椅子の生徒さんのためにエレベーターはあるか?  公立小学校なのに、ある小学校とない小学校があるのはなぜなのか? 委 員  新設小学校はほぼ設置されているが、歴史のある小学校は設置されていないことが多い。 委 員  聴覚障害児の生徒は特別支援学校に行くことが多いとあったが、一般の子どもたちとの交流については? 委 員  支援籍学習について説明したい。  特別支援学校に籍を置く生徒が、自分の学区の学校と交流を持つこと。管理職や特別支援コーディネーターが窓口になり、年に2〜3回実施している学校が多い。昨年の経験として、作業が得意な生徒が美術や音楽で交流を図った。  主旨は「地域の子どもたちにこういう仲間がいる」ということを理解すること。今後更なる広まりを期待している。 委 員  その時の子どもたちのコミュニケーション手段は? 委 員  昔遊んだことがある子同士なので、問題なかった。保護者や教師もいるため、コミュニケーションに不安はない。 委 員 聞こえる子と聞こえない子のコミュニケーション手段は? 委 員  自分の経験上、支援籍学習では、車椅子の生徒と知的障害の生徒の参加だった。聴覚障害を持った子が参加したことがないので分からない。 会 長  続いて、条例への思いや条例の意義を委員の皆さんに聞き、共通の意識を持ちたいと考える。まずは当事者の方から。 委 員  法律や文章は立派なものが揃ってきたが、社会に広がっていないし、政策に生かされていないと感じる。切実な要望があっても、予算の関係で実現しないことが多い。事業者アンケートでも相談窓口の設置を期待する声は多かった。法律では義務づけられていないが、問題を解決するための常設の相談所の設置、啓発活動などを条例で推進して欲しい。 委 員  子どもに偏見はない。自分だけが良いという考えは良くないと感じる。 委 員  障害とは社会の中での生きづらさではないか。学校での合理的配慮とは思いやりだと考える。学校・教育に期待されていることは大きい。交流と思いやりが大切だと思う。 委 員  こういった条例が必要ないことが理想。先日も駅での転落事故があった。自戒の念も込めてハード面だけでなく、一人ひとりの心の壁を取り除くことが重要ではないか。 委 員  アンケートを見て、障害の分かりづらさも問題であると感じた。分かりづらいから対応が難しいのではないか。幼児期から触れ合うことで、子どもは環境に溶け込んでいく。差別をなくす、それはもちろんだが、障害を理解することが一番大切なのではないか。家族の中で話すことで、理解がどんどん広まっていく。それが差別の解消になるのではないか。  また、アンケートを見て反省した。当事者である我々にも役割がある。してもらうだけでなく、一緒に参加して、差別を解消していかなくてはいけないと強く感じた。 10 分 休 憩 会 長  時間の関係があるので、事業者の委員と公募委員の方の意見はこの後の、事業者の役割という項目で発表していただく。それでは、当事者の方で未発表の方お願いします。 委 員  条例とはそもそも、既に何らかの取り組みがあり、それを推進していくために作るものではないか。条例ができたことで、更に従来の取り組みが進む、そのように考えている。現実的な取り組みがベースにないと、理想論になってしまう。  差別解消の為に、知ってもらうことが一番と考え、啓発活動を行っている。全国的にも稀で、特徴ある取り組みを更に応援していくことで、特徴のある条例になるのではないか。 委 員  精神障害者の居場所を作りたい。家族の中にも、人に言えないで抱え込んでいる人がたくさんいる。こういったことをなんとかしていきたい。 委 員  車椅子で入店を断られたことがある。今は泣き寝入りするしかないが、条例がそういった差別を無くしてくれると良い。条例があって良かったと思える条例にしたい。 委 員  聴覚障害は、見た目ではわからないが、情報量がとても少ない。デイサービスなどでも、コミュニケーションが取れず、関わりが持てないため、手話が使える施設を作って欲しい。  聴覚障害を理由に就職を断られたり、タクシーを呼ぶ際にFAXを使用しても返信がない、スマホ普及によるFAX使用率の低下、ホテル使用の際に非常時のランプがないと情報が得られないなど、困ることも多い。  スマホを使った新しい情報伝達や、新しい施設等を見学して、参考にして欲しい。目に見える情報の普及に繋がる条例にして欲しい。 会 長  続いて市の責務、市民の役割、事業者の役割について、事務局の方に説明をお願いしたい。その上で事業者の委員と公募委員にも意見を求めたい。 事務局  障害のあるなしに関わらず、誰もが分け隔てられることのないまちを目指すが、現状では障害に対する差別が存在し、不当な差別的取扱いや合理的配慮の提供をしないことなど、差別を受けている人たちが数多くいる。  障害のない人を基準として、建物、制度、文化など社会のルールが形成されているため、障害のある人が我慢しなければならない状況である。障害のない人が障害のある人の立場になって、障害のある人を区別、排除、制限しない方法を考えられる社会にしていかなければならない。  事例について、時間の都合によりピックアップしたものを紹介していく。 ●市の責務についての事例を紹介 信号機の件について ●市民の役割についての事例を紹介 PTA広報紙の件について ●事業者の役割についての事例を紹介  レストランでの件について   以上について、行政機関、市民、事業者がそれぞれどのように対応していくか、ご検討いただきたい。 会 長  では、今の事例についてでも、条例への思いでも構わないので、事業者の委員と公募委員の方に発表をお願いしたい。 委 員  視覚障害者が白杖を掲げている時は「助けてください」という意味であることなど。教育、啓発の推進をお願いする。 委 員  全国の先行条例を全て見たところ、そのほとんどが「市民は障害のある人に対して…」という記述がある。このことから障害者は弱くて庇護されるだけの存在なんだと、がっかりした。障害のある人も障害のない人と同様に市民であり役割がある、そして主体者である。障害のある人もない人も、協力し合い、相互理解、努力することで、障害のあるなしに関わらず、誰もが分け隔てられることのない所沢市をつくることができるのではないか。  それを踏まえた上で、私の考える市民の役割は3つ。  @障害のある人もない人も障害についての知識と理解を深めることに努める。  A障害のある人は、障害を理由とした困難、配慮事項について、可能な限り障害のない人に伝え、理解を得られるよう努める。  B障害のある人もない人も、障害を理由とした差別を解消するための施策に協力するよう努める。 委 員  直接たくさんの方の意見を聞けて、良かった。  ハード面はお金をかければなんとかなるのではないか。  しかし、障害者の方の立場になることは、本当に難しいことだと思う。幼い頃に、障害をお持ちの方と同じクラスになったことがある。いろいろな人がいて、当たり前だと改めて感じた。その学校での出来事が原点である。  障害があっても、所沢市に住んでいて良かったと思える条例を作って欲しい。 会 長  続いて具体的な事例の話でも、こういう場合どう捉えたらいいのかといった考えや、対応も含めて事業者の委員にも意見を求めたい。 委 員  レストランの事例について、他のお客様の違和感を考慮し、別の方法もあったのではないかと反省した部分もある。障害の重さ、どういった障害なのか不明なことも含め、どこを線引きにするのか、正直分かりかねる部分もあり難しい。  障害をお持ちの方と接する機会が少ないことも問題である。小さい時から触れ合う機会を創出するような条例が良いのではないかと感じる。  障害をお持ちの方が、移動豆腐屋さんとして来ることがある。最初は周りの戸惑いもあったが、年月が経つにつれて、すっかり慣れている。接していくことの重要性を感じた。 委 員  条例の個別規定の中で、意思疎通・その他の中では手話等とあるが、埼玉県では手話言語条例が制定されている。  所沢市では手話等の中に要約筆記を含めて欲しい。聴覚だけではなく、視覚障害の方に対しても、点字・点訳・音訳・音声解説などの情報保障をして欲しい。音声解説や字幕にも期待している。それに伴って手話通訳者、要約筆記者、点訳・音訳などの人材の養成なども盛り込んで欲しい。  限られた財源であるが、事業者の方が点字メニューを作る、筆談ボードを用意するといった費用や、事業者への研修、啓発にかかる費用等を助成金という形で入れることを検討して欲しい。事業者が合理的配慮を過剰な負担として諦めてしまうことがないよう、合理的配慮にかかる経済的負担を助成する制度も盛り込むことで、主体的に取り組む条例になるのではないか。  法的義務の上乗せ、努力義務の横出しが、ある程度あった方が実効性が増すのではないか。 委 員  差別用語を無くして欲しい。障害者がいる場合は使わないが、健常者同士の会話、特に高齢者同士は使用している。若者は傷つく。減ってはきているが、高齢者は平気で使用している現実がある。差別用語を撤廃して欲しい。 会 長  交通関係の事業者の方はいかがでしょうか? 委 員  事業者・当事者・市民の相互理解により、支え合っていけるような条例になれば良いと考える。市役所と合同で駅ボランティアなどの活動を通じて、色々な意見を交換させてもらっている。今後も頑張っていきたい。 委 員  手話を覚えるのは非常に難しい。学校の中で手話の授業を週に1回でもいいから導入して欲しい。通訳者という意味ではなく、子どものころから手話を身近に感じることで、手話の普及、差別の解消、スムーズなコミュニケーションに繋がるのではないかと考える。 会 長  議題1については以上になるが、改めて私の方で、本日みなさんから出た意見について整理する。  @条例を作る意義について  ・身近なものや具体化することで、法の促進を図り、自治体としての取り組みの姿勢や方向を明示すること。  ・法の上乗せ、横出しで補完し、制定を促進する。  A条例は理想論ではダメ(具体的なものにする。)  ・相談窓口の設置。  ・啓発する組織作り。  ・ハード面での市の財政的な支援。  ・コミュニケーションの保障として、見える保障、聞こえる保障を図っていく。  ・差別用語の撤廃。  ・ボランティアの積極的な関わり。  ・啓発活動や交流の促進。  このように様々な意見が出たが、具体的なことは、次回以降にこの条例の前文や骨格などから議論を深めていきたい。  それでは、議題の二つ目、その他について事務局に説明をお願いしたい。 2 その他 事務局  次回の検討会の日程のお知らせについて。 閉会