資料1 (仮称)所沢市障害者差別解消条例 目次 第1章 総則(第1条−第3条) 第2章 社会的障壁の除去(第4条−第6条) 第3章 障害のある人の自立及び社会参加のための支援(第7条−第11条) 第4章 障害を理由とする困難や必要な配慮に関する相談等(第12条−第17条) 第5章 雑則(第18条) 附則 第1章 総則 (目的) 第1条 この条例は、障害の有無や用いる意思疎通の手段にかかわらず、共に助け合い、あらゆる社会的障壁を取り除くことで、全ての人が個人として尊重され、社会に参加し、共に支え合い暮らしていける共生社会を実現することを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1) 障害のある人 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)、難治性疾患その他の心身の機能の障害(以下「障害」という。)がある者であって、障害及び社会的障壁により、継続的又は断続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいう。 (2) 社会的障壁 障害のある人にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。 (3) 意思疎通の手段 言語、文字表記、手話、点字、触覚を使った意思疎通、拡大文字、利用可能なマルチメディア並びに筆記、聴覚、平易な言葉及び朗読者による意思疎通の形態、手段及び様式並びに補助的及び代替的な意思疎通の形態、手段及び様式(利用可能な情報通信技術を含む。)をいう。 (4) 合理的な配慮 障害のある人から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、社会的障壁の除去を行うことをいう。 (5) 自立 第三者の支えを必要とするか否かにかかわらず、自らの人生を自らの意思で選択できることをいう。 (6) 市民 市内に居住し、又は通勤し、若しくは通学する者をいう。 (7) 事業者 市内において事業活動を行う者をいう。 (8) 支援者 障害のある人の保護者、養護者その他障害のある人を支援する者をいう。 (基本理念) 第3条 共生社会の実現は、次に掲げる事項を前提として達成されなければならない。 (1) 障害のある人が権利の主体であるという認識の下、その権利を尊重すること。 (2) 障害に対する理解を深めること。 (3) 障害のある人が市民の一員として、地域において自立して生活できること。 (4) 手話その他の形態の非音声言語が言語であること。 (5) 障害のある人の個々の状態の違いに応じた対応をすること。 第2章 社会的障壁の除去 (不利益な取扱いの禁止) 第4条 何人も、障害のある人及びその支援者に対して、障害を理由とする不利益な取扱いを正当な理由なく行ってはならない。 (市の責務) 第5条 市は、第3条の基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、この条例の目指すべき社会を実現するため、次に掲げる施策を推進しなければならない。 (1) 障害のある人が自立した生活を送るために必要な支援 (2) 障害の理解を促進するための周知及び啓発 (3) 障害のある人同士又は障害のある人と障害のない人が交流するための機会の提供 (4) 市及び関係機関の職員に対する障害の理解を促進するための研修等の実施 (5) その他必要な取組 2 市は、障害のある人の個々の状態に応じた合理的な配慮をしなければならない。 3 市は、市民及び事業者がこの条例に規定する取組を実施できるよう、必要な支援を行うものとする。 (市民及び事業者の責務) 第6条 市民及び事業者は、基本理念に基づき、共生社会の実現に必要な施策に対し、市と協力して取り組むよう努めるものとする。 2 市民及び事業者は、障害のある人の個々の状態に応じた合理的な配慮をするように努めるものとする。 3 市民は、障害に対する理解を促進するための取り組みを協力して行うよう努めるものとする。 第3章 障害のある人の自立及び社会参加のための支援 (意思疎通) 第7条 何人も、基本理念に照らし、必要な情報が得られないことで障害のある人が不利益を被ることがないよう留意するものとする。 2 市は、障害のある人が自ら選択する意思疎通の手段を自由に利用できるよう、意思疎通の手段の普及啓発及び利用の拡大を支援するとともに、意思疎通に係る相談への対応及び支援を行うものとする。 3 市及び事業者は、意思疎通を図ることが困難な障害のある人に対し、日常生活又は社会生活を営む上で必要なサービス及び情報を提供する場合並びに意思疎通を図ることが困難な障害のある人から情報を受け取る場合は、その障害の特性を理解し、その障害の特性に応じた必要な配慮を行うものとする。 (教育) 第8条 市は、障害のある人が適切な教育を受けられるよう、実施に係る負担が過重でない範囲で、次に掲げる施策を講じなければならない。 (1) 障害のある人及びその保護者に対する合理的な配慮の提供 (2) 障害の種別及び程度並びに意思疎通の手段に配慮した適切な教育環境の整備 (3) 障害のある人との交流の機会の創出その他必要な取組 2 市民及び事業者は、前項第1号ないし第3号の取組に協力するよう努めるものとする。 (就労支援) 第9条 市は、障害のある人の就労を促進するための、相談及び支援の充実を図るものとする。 2 市は、障害のある人の就労を促進するため、事業者に対し、障害のある人が働きやすい環境の整備の必要性に関する啓発及びこれらに関する情報の提供を行うものとする。 3 事業者は、障害のある人の就労を促進するため、障害のある人が働きやすい環境の整備に努めるものとする。 (生活環境の整備) 第10条 市は、不特定多数の者の利用に供される建物その他の施設を市が設計し、及び整備する場合、当該施設を利用する障害のある人の意見の把握に努め、その障害の特性を理解し、その障害の特性に応じた必要な配慮を行うものとする。 2 市は、不特定多数の者の利用に供される建物その他の施設の管理に当たっては、当該施設を利用する障害のある人の意見の把握に努め、その障害の特性を理解し、その障害の特性に応じた必要な配慮を行うよう努めるものとする。 3 不特定多数の者の利用に供される建物その他の施設又は公共交通機関の管理者は、障害のある人がこれらの施設等を利用する場合は、その障害の特性を理解し、その障害の特性に応じた必要な配慮を行うよう努めるものとする。 (居住場所の確保) 第11条 市は、障害のある人が可能な限り自分の選択した地域で生活できるよう、障害のある人が居住する場所を確保し、居住を継続するために必要な取組を行うよう努めるものとする。 第4章 障害を理由とする困難や必要な配慮に関する相談等 (相談) 第12条 何人も、前章及び次章の規定に関連する事項について、市及び市が委託する相談業務を実施する事業所(以下「相談機関」という。)に相談することができる。 2 相談機関は、前項の規定により相談を受けた場合は、必要に応じて次に掲げる対応を行うものとする。 (1) 前項に規定する相談の関係者間の調整 (2) あっせんの申立ての支援 (3) その他必要な助言及び関係機関への取り次ぎ (あっせんの申立て) 第13条 障害のある人又はその支援者は、前条第2項第1号の対応が行われた後も、なお問題が解決されない場合は、市長に対し、その解決のために必要なあっせんの申立てをすることができる。ただし、障害のある人本人の意思に反することが明らかであると認められるときは、支援者は、申立てをすることができない。 2 前項の申立ては、次の各号のいずれかに該当するときは、することができない。  (1) 行政不服審査法(昭和37年法律第160号)その他の法令により審査請求その他の不服申立てをすることができるものであって、行政庁の行う処分の取消し若しくは変更又は行政庁の行う事実行為(同法第2条第1項に規定する事実行為をいう。)の撤廃若しくは変更を求めるものであるとき。 (2) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)第74条の5に規定する紛争であるとき。 (3) 申立ての原因となる事実のあった日(継続する行為にあっては、その最後の行為の終了した日)から3年を経過しているものであるとき(その間に申立てをしなかったことにつき正当な理由があるときを除く。)。 (4) 現に犯罪の捜査の対象となっているものであるとき。 3 市長は、前項第1号又は第2号に該当することにより障害のある人又は支援者が申立てをすることができない場合は、しかるべき機関を紹介するものとする。 (あっせんの実施) 第14条 市長は、前条第1項の調査の結果、必要があると認める場合は、第17条に定める所沢市調整委員会(以下「委員会」という。)に対し、あっせんを行うことについて審議を求めるものとする。 2 委員会は、前項の審議を行うに当たり、可能な限り両当事者の意見を聴取しなければならない。この場合において、委員会は、必要があると認める場合は、その審議に係る障害のある人、事業者その他の審議に必要な者に対し、その出席を求めて、説明若しくは意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。 3 市長は、委員会があっせんの必要があると認める場合又は申立て事案の性質上あっせんを行うことが適当であると認める場合は、申立て事案に係る関係者に対し、あっせんを行うものとする。 (勧告及び公表) 第15条 市長は、前条第3項の規定によりあっせんを行った場合において、あっせんの相手方となった者が正当な理由なくそのあっせんに従わず、勧告することが相当と判断するときは、これらに従うよう勧告することができる。 2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わない場合において、公表することが相当と判断するときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。 (意見陳述の機会の付与) 第16条 市長は、前条第2項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該勧告を受けた者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えるものとする。 (所沢市調整委員会) 第17条 この条例の規定に関する事項の調整を図ることを目的として、所沢市調整委員会を設置する。 2 委員会は、委員5人以内で組織する。 3 委員は、障害当事者及び福祉、法律その他障害のある人の権利の擁護について優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。 4 委員会は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第89条の3に規定する協議会等の関係機関と必要な情報交換を行うものとする。 第5章 雑則 (委任) 第18条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 附 則 この条例は、平成30年7月1日から施行する。