会議録 会議の名称 第4回(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会開催日時 平成29年5月11日(木)午前10時00分から12時00分 開催場所 所沢市役所 604会議室出席者の氏名会長 田中 英樹 委員 楠田 房雄、久保田 さおり、吉田 武、仲 典子、本橋 幸太郎、五里江 陽子、大場 エイ子、渋谷 正則、市川 雅巳(代理出席)、西田 知宏(代理出席)、加藤 和伸、小澤 正明、橋爪 猛、荒井 恵美、鈴木 隆雄、下河 雅彦、森本 裕子、小幡 育子 欠席者の氏名 委員  藤永 博(代理出席者有)、山本 徳之(代理出席者有)、工藤 隆昭、加藤 剛毅 議事(1)各条項(案)について  @各主体の役割  A意思疎通  B教育  C就労支援  D生活環境の整備  E相談 (2)条例前文(案)について (3)その他 会議資料 ・ 会議次第 ・(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会委員名簿 ・(資料1)(仮称)所沢市障害者差別解消条例(素案) ・(資料2)条例前文(案) ・(参考資料1)各主体の役割条項(案) ・(参考資料2)意思疎通に係る条項(案) ・(参考資料3)教育に係る条項(案) ・(参考資料4)就労支援に係る条項(案) ・(参考資料5)生活環境の整備等に係る条項(案) ・(参考資料6)相談条項(案) ・(当日資料1)条例案へのご意見 担当部課名 福祉部長 植村 里美 福祉部次長 北田 裕司 障害福祉課 並木課長、岩雲主査、山田主任、松澤主任、中島主事、中村主事 こども福祉課 市來課長、廣谷主査 保健センター健康管理課 山ア主幹  学校教育課 岩間次長、伊東指導主事 (事務局)福祉部障害福祉課 電話 04-2998-9116 発言者審議の内容(審議経過・決定事項等)   開会 事務局  本日の欠席者の報告。代理出席者の紹介。 会長  開会挨拶 条例の全体像がはじめて示されました。 活発な議論を期待しておりますが、時間の制約もありますので、後日の意見出しも含めて、まとめていきたいと考えています。 事務局 ・ 資料確認。 ・ 会議を進める上での注意事項。 会長  傍聴希望者数の確認。(傍聴希望者1名) 議題(1)各条項(案)についての@各主体の役割、A意思疎通、B教育、E相談につきましては、検討会で何度か議論を重ねてきましたので、まとめて事務局より説明をお願いし、ご意見がある場合はまとめて説明終了後にお願いします。事務局 (1)各条項(案)について @各主体の役割、A意思疎通、B教育、E相談 事務局 (1)各条項(案)の前に、本条例の構成について、簡単にご説明します。本条例は全5章で構成されています。 第1章「総則」(第1条から第3条) 第2章「社会的障壁の除去」(第4条から第6条) 第3章「障害のある人の自立及び社会参加のための支援」 (第7条から第11条) 第4章「障害を理由とする困難や必要な配慮に関する相談等」(第12条から第17条) 第5章「雑則」(第18条) (1)各条項(案)について @各主体の役割ついて  本条例の目的を定めた趣旨は、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会である「共生社会」の実現が、所沢市の上位計画に掲げる将来都市像の形成に資するものであることから、本条例の目的として掲げるものとなります。  基本理念を定めた趣旨は、障害のある人の「権利主体性」、「障害理解の促進」、「自立した生活の実現」、「手話等の言語性」、「障害特性を踏まえた対応」の5つを、共生社会実現のための必須事項として規定するものです。  市の責務・そして市民及び事業者の責務を定めた趣旨は、これまでの検討結果から、「障害のある人の自立した生活の支援」「障害理解促進のための周知啓発」「交流の機会の創出」「障害理解促進のための研修等の実施」「合理的な配慮」の5点を各主体の役割として規定しました。 (1)各条項(案)について A意思疎通  意思疎通を定めた趣旨は、これまでの検討結果から、「必要な配慮をすること」「意思疎通手段の普及啓発・利用拡大を行うこと」「情報の保障をすること」を規定しました。  また、「意思疎通の支援を通して必要な人に必要な支援が行われる仕組が必要」という意見が検討会にてあったため、第2項に「意思疎通に係る相談及び支援を行うこと」を盛り込みました。「手話の言語性」は基本理念で規定しています。 (1)各条項(案)について B教育  教育を定めた趣旨は、これまでの検討結果から、「合理的な配慮」、「共に学ぶことで理解しあう」を規定しました。また、合理的な配慮を前提としたコミュニケーション保障を考え、「適切な教育環境の整備」を盛り込みました。  また、「障害理解及び啓発」は、第5条(市の責務)の2項に、職員の研修受講は、同条の4項に規定いたしました。 (1)各条項(案)について E相談  「相談」を定めた趣旨は、誰でも相談できる身近な相談窓口として、市及び市が委託する相談業務を実施する事業所を位置付けるほか、相談機関の機能として、当事者間の調整のために必要な対応を規定します。  「あっせんの申し立て」を定めた趣旨は、相談機関による対応では問題が解決しない場合、あっせんの申し立てができる旨を規定するものです。他の法令との救済ルートの整理のため、一定の場合は本条例の対象外とし、その場合は、適切な機関を紹介することで、問題の実効的解決を図るものです。  「あっせんの実施」を定めた趣旨は、事案の調査、あっせん案の作成及びあっせんの実施についての判断を第三者機関の権限とすることで、公正・中立な実施を図るものです。  「勧告及び公表」及び「意見陳述の機会の付与」を定めた趣旨は、正当な理由なく、あっせん案に従わない者がいた場合、その者に対し、勧告及び公表する旨を規定するものです。 また、公表によって不当に権利を侵害しないよう、公表を行う前に意見を聞く機会を与える旨も規定します。  「所沢市調整委員会」を定めた趣旨は、あっせん案の作成を行う第三者機関の構成について規定するものです。  また、A意思疎通の項目で、事前にご意見を頂いています。  ご意見の内容は、第7条(意思疎通)3項の文末に「必要な配慮を行うものとする。」とあり、第10条(生活環境の整備)3項の文末には「必要な配慮を行うよう努めるものとする。」とあります。意思疎通も生活環境の整備も取り組むべきと考えますが、事業者としては現実的な対応として、可能な限りで対応することになります。そのため、同一の表現に統一していただきたい。というご意見です。  こちらのご意見に関しまして、  本条項文末の「必要な配慮」は、本条例の定義「合理的な配慮」と同意であり、その定義に「その実施に伴う負担が過重でない範囲で」とあることから、ご意見にある通り、可能な限りで対応して頂くことになります。事業者の合理的な配慮につきまして、他の項目では努力義務となっていますが、 @本条例は、手話言語条例の要素も含んでいることから、意思疎通は特に重要と考えていること A他の項目に比べて、ソフト面での対応が主であること 以上の理由からこのような表現としました。 会長(1)各条項(案)について、@各主体の役割、A意思疎通、B教育、E相談の4点について説明がありました。 何かご意見はありますか。 委員交通事業者として、意思疎通・生活環境の整備に取り組んで参りますし、条例の趣旨として当然取り組むべきだと認識しています。 意思疎通に関して、例えば手話・筆談器・コミュニケーションボードなどの準備、または係員の資質向上に取り組んでいきますが、全ての要望に応えることは難しく、どうしても可能な限り対応しているところが大きいので、表現を同じような形にしていただきたいと意見を出しました。  確認したいのですが、第2条(定義)4項の合理的配慮に定められている内容と、表現は違えど趣旨としては同意であるということでよろしいでしょうか? 会長 事務局に回答をお願いする前に、他のご意見はありますか。 委員 今までも色々な要望をしたときに「予算的に無理」とほとんど断られています。「可能な限り」は予算的に無理だからと言われて終わってしまい、条例の強制力・効果が失われてしまうと思うので、「可能な限り」は入れないで欲しいです。 会長 他にご意見はありますか。 委員 点字ブロックにしても「予算がない」と駅の点字ブロックはずっと直りませんでした。最後は市長が事業者へ直談判したらすぐできました。市はいろいろ頑張ってくれていますが、航空管制塔や国リハなど国の施設が非協力的と感じます。 会長  他にご意見はありますか。 委員   「必要な配慮を行うものとする」と「必要な配慮を行うよう努めるものとする」には大きな差があると感じます。市の考え方にあるように、本条例は手話言語条例の要素を含んでいるということですので、意思疎通に関してはこのままの表記でお願いしたいです。委員からお話の中であったように、意思疎通の手段をいろいろ考えてくださっているので、そういったことを含め、このままの文言でお願いしたいです。 会長 他にご意見はありますか。 委員 ホワイトボードなどの準備がありがたいです。電光掲示板の情報が遅いので、放送と同じようにして欲しいです。 会長 事業者の配慮義務について、事務局お願いします。 事務局   「努めるものとする」と「行うものとする」では、法的義務になるのか、努力義務になるのか差が生じてきます。行うものとするレベルにつきましては、意思疎通に関して市と事業者は同じレベルで求められます。ただし、求められるレベルがあくまで「過重な負担がない範囲で」となりますので、絶対にやらなければならないという趣旨ではないということです。 会長   事務局の回答に対しまして、いかがですか。 委員   趣旨については理解をしていますし、事業者として当然「意思疎通」と「生活環境の整備」に取り組んでいくということは理解しています。その趣旨を踏まえた上での今回の条文ということであれば、大丈夫です。 会長   その他の項目について、何かご意見はありますか。 委員   手話言語条例の趣旨を含んでいるということですが、障害者施策推進協議会で、当事者団体の方からは別に手話言語条例を作って欲しいという意見が出ました。ぜひ作って頂きたいですし、この条例があるから手話言語条例を作らないということにはならないで欲しいです。 会長   他にご意見はありますか。 委員   障害者自身が求められるもの、主体になれるものがないことが不安です。あくまで保護される対象であるように感じます。目的で「共に助け合い」とありますが、後半部分では何も出てきません。基本理念でも「障害のある人が権利の主体である」と「障害のある人が市民の一員として」とありますが、権利の主体であるならば義務を入れなくて良いのかと感じます。合理的配慮についても、必要とされる配慮が合理的であることを説明する義務は障害者自身にあると考えます。身体障害の人は必要な配慮がわかりやすいですが、発達障害の人は一見して障害があるかわかりません。 委員   前文の3段落目の表現はプレッシャーのかかる文章表現だと思いましたが、今日の資料を読んで、今は大丈夫です。この前文がどのように生かされているのかを考えたとき、基本理念にある「権利の主体」は権利能力を有するということで義務の主体であるということです。障害のある人は保護されるだけの存在ではなく、共に共生社会を創っていくべきです。しかし市民及び事業者の責務では「障害のある人が」という主語がないです。例えば「障害のある人が、自らの障害特性及び障害のあることによる生活上の困難について、市民等に伝え、理解が得られるよう努めるものとする。」のような、障害者の側も主体性を持って取り組んでいくようなものが入ったらいいと思います。 会長   事務局いかがですか。 事務局   手話言語条例のことに関して、所沢市としては、現在検討している障害者差別解消条例の中に手話言語条例の趣旨を含めて、手話の言語性を周知徹底してきたいと考えています。その上でまだ足りないということであれば、その後に手話言語条例の制定を考えていくということを障害者施策推進協議会でお答えした状況です。今回は障害者差別解消条例の検討会ですので、手話言語条例の制定については、別の場所で議論をしていくべきだと考えております。  本条例の中で「障害のある人は市民の一員である」と規定しているので、市民の責務は障害のある人にも、当然に当てはまるものだと考えております。障害についての理解を促進するために、自分の障害について発信していくべきだというご意見がありましたが、第6条(市民及び事業者の責務)3項に「市民は、障害に対する理解を促進するための取り組みを協力して行うよう努めるものとする。」という規定をしていますので、今頂いた趣旨は反映されていると考えます。 会長   事務局の回答に対しまして、いかがですか。 委員   障害者差別解消条例の検討会だということはわかりますが、この条例があるから手話言語条例を作らないという理由にされてしまうのではという懸念がありました。しっかり切り離して考えて欲しいです。 会長   他にご意見はありますか。 委員  手話言語条例は別に考えているということですが、いつ進めるのですか。前から要望していますが、差別解消条例の中に含むということでした。しかし今の発言では手話言語条例は別に考えているということでした。いつですか。 事務局   いつということは決めていません。障害者差別解消条例は共生社会の実現を目指す条例ですので、手話の言語性を謳っています。まずはそれを広めて、更にまだ必要だということであれば、検討するということです。 会長   他にご意見はありますか。 委員  合理的配慮だけ進めても、手話を言語として認めるということになりません。日本語と同じように手話を言語として認めて欲しいです。聞こえない人への理解を深めるためにも、障害者差別解消条例とは別に進めて欲しいです。 会長   議長としては、ここで進めても平行線だと感じます。障害者施策推進協議会で論点として、再度議論できる機会を設けたいと考えます。  他にご意見はありますか。 委員   障害者は市民に含まれているとありますが、別の条項では「障害のある人」「障害のある人の支援者」と書かれているので、市民に含まれているとすれば、全て市民に統一すべきではないでしょうか。市民の定義に障害者も含むという文言(条例に障害者が主体的に関わっているとわかる部分を)を入れて欲しいです。 会長   事務局いかがですか。 事務局   検討します。 会長   他にご意見はありますか。 委員   窓口に手話で話ができる職員がいません。手話通訳も時間がかかります。聞こえる人と同じように、市役所に行ったらすぐに話ができるようにして欲しいです。さいたま市では区役所ごとに手話通訳者が設置されています。手話通訳者を一人でも設置して欲しいです。聴覚障害者は目から情報が入るので、情報さえ入れば主体的に活動できます。 会長   今のはご意見ということで、事務局お願いします。 他にご意見はありますか。 委員   教育の中だけ「実施に係る負担が過重でない範囲で」とあります。教育は大切なものですので、ここに入るのは不自然で、いらないのではないでしょうか。 会長  事務局いかがですか。 事務局  法律は不可能を強いるものであってはならないので、「過重でない範囲で」という文言を仮に入れないとしたら、それを以って全てやらなければならないということではありませんが、条例を見た市民の方々が、市は無制限に必ずやらなくてはいけないのではないか、予算がつかなくてもやらなくてはいけないのではないかと判断された場合、市としてはお答えできないので、お読みになる市民の方に対して、条例の趣旨がより分かりやすいように、このような表現としています。 委員  むしろこれがあることで「過重である」ということが先に出て、これは難しいと、やらない理由になってしまうのではないでしょうか。 会長   事務局いかがですか。 事務局   検討して、改めて回答します 先ほど委員から「障害当事者の責務を設けないのか」とありました。しかしながら、障害者施策推進協議会で障害当事者より「条例の中に障害当事者に責務を負わせるような規定を置かないで欲しい」といった意見がありました。そのような意見も踏まえて、このような規定になっています。その是非について、この場でご意見を頂きたいです。 会長   事務局から提案がありました。 ご意見がありましたら、お願いします。 委員   責務という形ではなく役割という形に変えて、柔らかな表現にしてはいかがでしょうか。共生社会というからには、一緒になってということですので、ここに入れないと、前文を変えていかなくていけないと思います。 会長   他にご意見はありますか。 委員   情報発信側の責務となると、かなりプレッシャーになります。表現を柔らかくして欲しいです。表現できない障害者の方もいるので、責務は荷が重いと感じます。 会長   他にご意見はありますか。 委員   今の意見に賛同します。表現を変えて欲しいです。責務では、障害者から発信がなかったからということにもなります。 会長   事務局でもう一度検討してください。10分休憩 会長   時間が押しているため、(1)各条項(案)についてC就労支援、D生活環境の整備はまとめて説明をお願いします。 事務局   全体の構成を説明させていただいた際、第3章は「障害のある人の自立及び社会参加のための支援」とする旨をお話しました。障害のある方の自立及び社会参加を考えた際、不特定多数の方が利用する施設等の生活環境を整備することや、居住場所の確保は重要な部分であることから、市としては、生活環境の整備等について条例で規定をさせていただきたいと考えております。 (1)各条項(案)について C就労支援  就労雇用分野は、障害者差別解消法ではなく、障害者雇用促進法で定められています。そして、雇用促進法は、差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供に加え、苦情への対応や公的なトラブル解決システムの設置について規定されており、上乗せして規定する余地は他の項目に比べて小さいと思われます。一方で、雇用促進法で規定されているにも関わらず、その規定が必ずしも遵守されていないことがうかがわれる相談や意見が、現在においても障害当事者から寄せられています。そのため、本条例では、相談への対応と適切な機関への取り次ぎや、法についての周知啓発について規定したいと思います。また、そのような現状は障害当事者にとって必ずしも働きやすい環境ではないといえないことから、働きやすい環境の整備についても規定するものです。  事前に頂いたご意見について、市の見解を説明いたします。「就労の項目に市が関係機関と連携しながら対応する旨の表記にして欲しい」というものです。非常に重要な部分でありますので、表記に加える方向で検討します。    (1)各条項(案)について D生活環境の整備  生活環境の整備について、埼玉県では「埼玉県福祉のまちづくり条例」が制定されておりますので、(仮称)所沢市差別解消条例における生活環境の整備等に係る条項も、「埼玉県福祉のまちづくり条例」の趣旨にのっとり、障害の有無にかかわらず、すべての市民が安心して生活し、かつ、等しく社会参加することができる、豊かで住みよい地域社会を実現するために、公共施設等の不特定多数の方が利用する建物等の設計、整備、管理、運営において、障害の特性に応じた配慮が必要である旨を生活環境の整備として規定するものです。  また、障害のある人の地域における自立した生活の実現のためには、生活の拠点である居住場所の確保・整備が必要であるため、居住場所の確保及び居住の継続のための取り組みを行うよう努めることを併せて規定しております。 会長 (1)各条項(案)についてC就労支援、D生活環境の整備の説明がありました。何かご意見はありますか。 委員   私は、働く障害者として就労支援に係る条項を入れたい、という思いで参加しています。就労支援に関わる検討事項について、障害福祉課に文書を提出したものが、趣旨に書かれているものです。私のおかれている立場もまさにこの通りです。  前文に、埼玉県で初となるところざわ就労支援センターの設置と国リハの存在ということが書いてありましたので、その整合性や、より働きやすい環境の整備を進めていくということで、関係機関との連携を追記していただきたいと意見を書きました。市としても、その趣旨を反映していただけるということで、嬉しく思っています。  第3次障害者支援計画(H27〜H29)では雇用・就労の促進を掲げています。項目としては「ところざわ就労支援センターの充実」、指標としては「センター登録者の就職者数」としていますが、就職しても退職しては意味がないので、働きたい環境指標の目標値として、例えば「定着率」や「処遇」といった当事者の実態を把握し、それに基づいたものが、反映・検討され、その検討機関のようなものがあればとの思いでこの意見を書きました。 会長   他にご意見はありますか。 委員   雇用促進法の中の雇用率は障害者全体で率を決めておりますが、障害種別でみると、雇用されている障害と雇用率が低い障害があります。障害の種別によって違いがでてきてしまっています。視覚障害でいえば、県職だと12名いたのが今は4名か5名くらいで、どんどん減ってきています。 条例にどう位置付けるかというのはあると思いますが、すべての障害種別で「就労」が進むようなことを、ここで入れるのは難しいと思いますが、状況としてお伝えしておきます。 生活環境のところ、これは街づくり関係だと思いますが、建物と交通機関と道路と、市の中でも窓口が違います。道路については市と県でも別れています。このあたりを集約して対応するというところが、これも条例の中で明文化するのは難しいと思いますが、こういった状況があるということをとらえていただいて、対応を考えていただきたいと思います。 会長   他にご意見はありますか。 委員   聴覚障害者は聞こえる人に比べて情報が少ないです。会社に入れても、上司とのずれや誤解があり、対応方法がわからず、せっかく入社したのにやめてしまう人も多いです。相談支援もあり、相談支援員も二人いますが、使いづらい部分があります。他の障害者であれば、電話をして相談ができます。聴覚障害者は電話ができません。FAXは送っても相談支援員の家族が見てしまうこともあります。また、手話はできても日本語に慣れていない人もいます。自宅へのFAXではなく相談窓口を作ってほしいというお願いはしています。  未来館には聴覚障害者情報室がありますが、入るのに鍵が必要で、誰もが自由に入れるわけではありません。気軽に相談できるようにするには、誰かがそこに常駐していないといけないと思います。行って気楽に相談したりアドバイスしてもらったりできる場所を作ってほしいです。今は鍵が閉まったままの状態でもったいないと思います。自由に入って手話で相談できる場所に変えてほしいと思っています。 会長   他にご意見はありますか。 今の要望も踏まえて、事務局お願いします。 事務局   未来館の使い方のご要望ということですが、今日は未来館の担当部署の職員もいないので、いただいた意見を伝えさせていただきます。 会長   続きまして、(2)条例前文案について、事務局から説明をお願いします。 2 条例前文案について 事務局   条例における前文の位置づけとして、前文は条例の一番はじめの部分にあるもので、その条例の目指す方向性を宣言するものです。(仮称)所沢市障害者差別解消条例の目指すものは、障害のある方への差別を解消することのみではなく、差別の解消を通して、誰もがいきいきと自立して生活できる「共生社会」を実現することです。  私たちは、憲法の基本的人権の規定をもとに、誰もが尊重され、自己実現が可能となる社会を目指していますが、現状ではあらゆる社会的障壁によって、障害のある人の社会参加が十分に果たされていません。社会的障壁は、社会全体で取り除いていくべきであるという考え、社会モデルの考え方に基づき、所沢市は様々な先進的な取り組みを行ってきました。 その取組みを発展させることを通して「共生社会」を実現したい、そのためにこの条例を制定する、そういった思いをこの条例の前文に込めました。  前文につきまして、事前にご意見を2点頂いております。  1点目は、国立障害者リハビリテーションセンターに隣接し協力関係にある国立職業リハビリテーションセンターについて前文に追記していただきたい。国立職業リハビリテーションセンターは、我が国における職業リハビリテーションの先駆的実践機関ですが、まだ知らない障害者の方や事業主の方にこの施設サービスの存在を広く知ってもらいたいという思いがあるため、といったご意見です。  このご意見につきまして、所沢市の立地的特性として、国立職業リハビリテーションセンターがあるのはご指摘いただいたとおりですが、同様の響きをもつ施設の固有名詞を併記することは、条例前文として馴染まないと考えております。頂いたご意見の趣旨を反映できるかを含め、表現方法について検討させていただきます。  2点目は、第3段落の表現が「持てる力を存分に発揮しなくてはいけないのか?活躍しなければいけないのか?」と感じてしまい、プレッシャーのかかる文章表現だと思う、といったご意見です。  このご意見につきまして、本条例は、様々な社会的障壁により、障害のある人の自立や社会参加が十分に果たされない状況を、社会全体で変えていくことで、障害のある人もない人も地域で自立して生活できる共生社会の実現を目指しています。第3段落は、障害のある方を鼓舞するといった趣旨ではなく、共生社会を目指すにあたり、社会全体で社会的障壁を取り除いていくべきであるという社会モデルの考えを表しているものです。  以上が、条例前文に込めた思いや考え方についての説明と、事前にいただいたご意見に対する市の考え方となります。 会長   (2)条例前文案についての説明がありました。何かご意見はありますか。 委員   条例前文案、確かに大賛成で、障害者差別解消条例ができることはありがたいことです。それで一人でも障害者に対する関心を持つ人が増えてくれればと思います。  私たち夫婦は視覚障害で、近くの団地に35年住んでいます。障害者の家庭、家族、親類、親戚、そこに携わるボランティア、市、社協、公共交通機関、障害者と接して、障害者を理解している人は所沢市民全体からみてほんの一部です。  なぜ私が差別用語にこだわるのか。障害者差別ってなんだろうと思います。障害者と健常者がいるときは差別用語を使うことはほとんどありませんが、健常者同士では差別用語を使っています。特に年配の方に顕著です。健常者同士であっても、言葉には出さず心で止めておいてほしいと思います。心の中での差別はあると思いますが、障害者に対して神経を使ってほしいと思います。  私の妻の親友は視覚障害の1級ですが、15年ほど東京の中学校で点字を教えています。とてもいいことだと思います。点字は必須科目で、1クラス40名、5クラス200名が、一人ひとり点字板を持ち勉強しています。視覚障害者が教員となり、200名全員が点字を覚えて卒業していく。これは最高の理解者になると思います。  所沢の学校でも障害者を呼んで授業に出てもらっているとのことですが、そういうのをもっと増やして、偏見のない若い人を増やしていくことが共生社会だと思います。 会長   他にご意見はありますか。 委員   当日資料の前文の意見1,2はいずれも私のものです。  意見2は解決しています。意見1に対する市の考え方も、その通りだと思います。委員から「子どもと福祉の未来館」の話がありましたが、子ども支援センターの発達支援エリアの活動は、例えば、「教育」の条項の後に、「保育」・「療育」の条項を加えるほどの進んだ取り組みだと思っています。前文の第5段落は、所沢市の特性を示している箇所で、先導・先進的な取り組みを位置付けている場所だと思います。ここに、「未来館」や、全国に先駆けて実施していると思われる「アウトリーチ」の取り組みを踏まえ、これに基づいて条例本文のほうにも反映させていくことによって、所沢らしい条例になっていくのではないかと思います。 会長   他にご意見はありますか。 委員   前文後半にある「中途失聴者向けの手話講習会〜〜」の部分について、これは実際にやっていることですが、今後のことも考えると、中途失聴者の情報手段・コミュニケーション支援手段としては手話だけでなく、そのほかにも様々なコミュニケーション手段の取り組みを行っています。手話講習会と固定するのではなく、様々なコミュニケーション支援の取り組みを行っている、というような幅広く捉えられるような表現方法を考えていただければありがたいです。 会長   他にご意見はありますか。 委員   ろう者が介護を受ける場合、デイサービスなどにいっても、皆は会話しているがろう者は孤立してコミュニケーションできません。手話でコミュニケーションできればもっと楽しいと思います。手話サロンをやっていますが、そこでは楽しく手話で会話しています。  同様に手話で会話できる場所、ろう者が参加しても楽しいと思える施設を設置してほしいです。 会長   他にご意見はありますか。 委員   前文で、できれば入れてほしいことがあります。どう文章で表現すればいいかわからないのですが、第2段落「誤解や偏見」の後に、「いじめ」や、ニュースなどを見ていて、発達障害の人を利用してそれが「犯罪」につながるようなことも最近、沢山あるように思います。  誤解や偏見と、いじめやそれに繋がる犯罪など、どう文章で表現したらいいかわからないですが、それらの理由で、なかなか外に出られない障害の方がたくさんいる気がしてなりません。そのような部分までカバーしているような文章、深く入れたような前文にしていただけるとありがたいです。 会長   他にご意見ありますか。 委員   前文と第1条の目的にある「共生社会の実現」について、大事なことではあると思いますが、逆に国の方向はまずは「自助」、次に家族などで「互助」、そして地域で「共助」、最後に「公助」です。国では「県とか市町村は、法人やボランティアに」という流れがありますが、実感としてボランティア(これからの世代を担っていく人)は減ってきている気がします。国の方針では「ボランティアや法人が支える」ということになってきています。この「共生社会」はそっちが強調されてしまうので、条文に「市の責務」という条項はありますが、「市が共生社会の実現に積極的に率先して努めていく」、という文言が前文や目的に入ってもいいと思います。 会長   ご意見はまだあると思いますが、時間の都合により、ここまでとさせていただきます。5月15日までに、事務局に意見を出してください。  前文に対しての意見は、全て反映させることはできませんが、まとめさせていただきます。  @第6段落:「市が率先してこの条例を制定します」というふうに、市の立場を謳ってほしいという意見がありました。  A第2段落:いじめや差別用語の問題が出たので、2段落目のところで、こういった現実があるというのを触れてほしいという意見がありました。  B第5段落:市の特性を表しているので、どこまで入れられるか文章で検討しないといけませんが、もう少し入れられるものがあれば検討してほしいと思います。 事務局   いただいた意見、田中会長の総括4も十分反映できる形で考えていきたいと思います。  15日までのご意見も踏まえて、検討していきます。 会長   続きまして、(3)その他について、事務局から説明をお願いします。 3 その他 事務局   次回の検討会の日程のお知らせについて。   閉会