平成30年「所沢市新春のつどい」市長あいさつ(平成30年1月5日)
更新日:2018年1月12日
市長あいさつ
あけましておめでとうございます。皆様におかれましては輝かしい新年をお迎えのことと、お慶び申し上げます。
ご来賓をはじめ多くの皆様、今年は過去最高の992名の皆様にお申込みをいただき、新春のつどいを開催できますこと厚く御礼申し上げます。この、新春のつどいは市民の皆様に直接お話を聞いていただける、直接民主主義の原点みたいなものであります。だから思う存分お話ししたい。しかし、支障もありますので遠慮しいしい、でもしっかりとお話しします。
東日本大震災のあった平成23年に市長就任以来、「動け!所沢 紡ごう!絆」を合言葉に、34万市民の皆様、そして、2,100有余の市職員と行動を始めて、早6年が経ったところであります。「困ったときには助け合う、人と人の絆が実感できるマチにしよう」「人と自然との関係を見直し、自然と寄り添うそんな生き方を模索しよう」「実践者を大切にする所沢で行こう」そう、いつも声をかけあって、施策を進めてまいりました。この6年を振り返ってみますれば、少しずつではありますが、所沢は目指す方向へ動いている、そう感じております。
昨年を振り返ってみても、1月にはこどもと福祉の未来館が地域福祉の拠点として、また、親子が集い、悩みを相談できる場としてオープンし、発達障害支援にも光を当てることができました。精神障害者支援としては、市単独としては全国初のアウトリーチ支援事業を引き続き進めるとともに、昨年は緊急一時保護に対する仕組みも充実することができました。また、産前産後ケアも、不安を抱えたお母さんを出産後もしばらく見守ってあげられるよう、仕組み作りもいたしました。
また、8月には43年ぶりに大相撲の夏巡業が来てくれましたし、年間を通じ、北勝富士の大活躍に市民みんなが心躍らせました。また、9月には、音楽のあるまちづくりの一環で、「空飛ぶ音楽祭2017」を開催し、市内外より約10万人の方にお越しいただきました。
そして、11月、所沢市名誉市民推挙状授与式を挙行し、元所沢市長の中井眞一郎氏と斎藤博氏に推挙状および名誉市民章を授与させていただきました。改めまして、お二人のご功績に敬意を表します。
さて、新たな年、平成30年度は、所沢はどう動いていくのでしょうか? 私の公約に沿って、その一部をご紹介いたします。
まず「教育・子ども」、資源のない日本はやはり「人」で勝負であります。ゆえに教育は重視されねばなりません。そして、教育を左右するのもやはり「人」「教師」であります。先生方が子どもたちとしっかりと、そしてじっくり取り組んでもらえるよう「市で採用する先生」を今後も増やしていきたいです。所沢の教育の特徴の一つは、この『人』の充実であり、これは県内有数レベルです。総勢263名、1校当たり5,6人の市採用の先生がいて、県採用の先生とともに子どもたちにあたっています。市長就任以来6年間でも58名増やしました。この施策、目立つものではないですが、必ず効果があるものです。一方、築40年50年でボロボロになった学校トイレの管の工事は避けて通れぬ課題です。洋式化、バリアフリー化合わせて昨年は6校、全部で22校工事を終えたところでありますが、今年も工事を進めます。
なお、3年前、住民投票をして問うた「防音校舎にエアコンを入れること」については、騒音の大きい2校に入れて、その後は財政を考えながら優先順位も考え慎重に検討する、と決定させていただきました。昨年、狭山ヶ丘中学校の整備が終わり、30年度には北中小の工事となります。が、あわせて新年度の予算には、そのほかの学校に対し暑さ対策として、エアコン含め検討するための調査費を計上いたすつもりです。
私としては、最も暑い夏休み中は子どもも来ない、すなわち使わないのでありますし、7月と9月の土日を除いた20数日間くらい何とでもなる。発育途上の子ども達の健康面から考えても、夏は汗をかくもの。いや、温暖化がひどいというのなら、エアコンをつければさらに温暖化を進めてしまうのだから、大震災を経験した私たちは、アスファルトを土に戻し、緑をふやして、むしろエアコンなどいらない所沢にしていかねばならないのではないか、それが未来の子どもたちに対する責任なのではないか、と思うのです。
また、財政を考えるとその分何かをやめねばなりません。それは本市の特徴、厚い福祉施策なのか、それとも、先ほど申しあげた「人の充実」などなのか。でも、それは守りたいのであります。また、防衛省の方式でなく、安いといわれるよその市の方式を使っても、エアコンにかかる毎年の費用は、放課後児童クラブ全31クラブの1年分の指定管理費、すなわち運営費とほぼ同じなのでありまして、1年分の児童クラブの活動と20数日間のエアコン費用が同じ。これは私としては、やりきれない話なのです。いや、エアコンがあって快適になることよりも、家族や両親が仲良いこと、友達がいると思えることのほうがどんなにか子どもにとって大切な鍵となるのに、と思うのです。
しかし、理想を掲げても、違う意見があるのも、また事実です。そこで、この年末、教育委員さんともお会いして、意見も伺い、AかBか、ではなく、AもBも。エアコンも入れるけど、地球温暖化をできる限り避けるよう人間も自然と寄り添う努力をする。市の先生もそれでも採用し、子どもたちと先生方がじっくり向き合う環境を作ることもあきらめない。トイレの改修もやる。それぞれが少しずつ譲歩して、小さなWIN-WINの方法で、マチごとエコタウン所沢構想を掲げる所沢ならではの手法ができないか、調査検討してもらうことといたしました。
次に、子育て環境の整備としては、平成29年は保育園、児童館、学校などみんなが苦労を分かち合いながら協力し、一気に保育園5園を耐震工事し、子どもたちの安全を確保しました。この4月には、新たに認定こども園ができ75名分の保育定員が増えますとともに、『子ども・子育て支援事業計画』を見直し、新たな対策をしていきます。また、放課後児童に対しましては、古くなった今までの児童クラブの改修をし、あわせて定員を増やすほか、民設民営の児童クラブも新たに2クラブ設置いたします。
次に「環境」の分野では、所沢市は、また一歩、県内初の取り組みを進めます。昨年11月、所沢市、JFEエンジニアリング株式会社、飯能信用金庫、所沢商工会議所の4者で協定を結びましたが新年度には、再生可能エネルギーにより電気を供給する会社、地域新電力会社を設立します。初めは、公共施設、次には市内企業に広めていって、最終的には一般家庭にも電気を供給することを目標に、クリーンな電気の普及に努め、原子力発電所に頼らず、化石燃料にもよらない持続可能な社会を目指します。また、もうひとつ。2年前、話題になった三ケ島2丁目、狭山湖周辺にお墓を造る計画でありますが、2年間に渡る市のお願いをこの度聞き入れていただき、お墓はやめて公有地化していく方向で話し合えることになりました。ありがたいことです。とともに、公有地化を求める署名をいただいた自治連合会さまほかにも感謝申し上げます。今後、全額税金で賄うことは無理があるやもしれませんので、その時は、ぜひ市民の皆様のお力も賜りますようお願い申し上げます。
次に、「福祉・自治」の分野では、「所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例」を完成させ、ハード・ソフトの両面で誰もが過ごしやすい共生のまちづくりを進めます。さらに、障害者、高齢者、介護保険に関する2つの計画を作り上げ、施策を着実に進めます。
また、自治の分野では、県内初の取り組みとして自治会の防犯灯7,068灯を一気にLEDに換え、エネルギーの節約と自治会を支援することができました。今年も、自治の中の自治、自治会・町内会を応援してまいります。
次に「文化・ブランド」としては、文化の殿堂、所沢市民文化センターミューズは築24年がたち、電気設備なども古くなり、耐震化も徹底する必要が出てきました。そこで、バリアフリーにも配慮した大規模改修をいたします。今年12月から1年4か月、2020年4月リニューアルオープンまで一時閉館いたします。ご不便をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。また、暫定的に使っていた小手指の市民ギャラリーは、ここで他の団体に使っていただくことに致しました。代わりに4月からは、所沢駅東口の所沢中央病院一階に新たな市民ギャラリーを開設いたします。
次に「行政」の分野としては、現在、所沢駅東口駅ビル改修工事が1期工事、2期工事と最終的には約120のお店ができる形で進んでいます。なので1期目の工事完成に合わせ、市民課サービスコーナーと所沢市パスポートセンターを駅ビルの中に引越しして3月上旬から開始します。
最後に、「健幸長寿」の取り組みでは、歩いて健康、健康でお得の「トコろん健幸マイレージ事業」の参加者を増やし、健康寿命県内一位を目指します。また、飲み残し薬の削減に向けた取組やジェネリック医薬品の利用促進により医療費の適正化も図ります。
以上、6つの公約に従って市の動きの、ほんの一部をご紹介いたしました。
が、これら事業を引き続き進めていくには、財源の裏付けが必要です。しかし、日本全体では人口が減り始め、特に働く人々の数が減り、市の収入もおぼつきません。一方、団塊の世代が後期高齢者になる2025年までは言わずもがな、いまから25年先、つまり2042年頃まで、高齢者数は増え続ける予想なのです。所沢市はまだ人口は34万4000人を微増、または維持しておりますが、黙っていてはじり貧です。既に一般会計予算の49.2%を福祉に費やしている所沢市(この割合は県内1,2位です)この福祉費は今後も増え続けるしかないのです。
そこで、まず今の収入を確保するため、市税の収納対策、滞納対策を強化してまいります。所沢市は、市税の収納率がとても悪い状況です。税金はみんなでマチをよくするための会費のようなものであります。また、きちんと収めていただいている方々に不公正です。ゆえにより厳正に対処を改め、今の収入を確保して福祉の充実などにきちんと当てていきます。
次に、働く場所を新たに作り、魅力ある街づくりを進め、ブランド力のある、プライドの持てる市にして、これからの収入を増やす施策を展開します。
まず、働く場所、学ぶ場所を作るための市内5か所の土地利用転換は、農業政策との関係もあり国や県の理解が必要ですが、総合計画に位置付け本気で取り組んでいるところです。また、旧暫定逆線引き地区だった市内6か所の地域では、北秋津・上安松地区の街づくりは進みはじめ、北中、上山口の2地区は調整区域のままで行く、残りの3か所は今後に待つ、という状況です。
また、株式会社KADOKAWAとの共同プロジェクト、「COOL JAPAN FOREST構想」では、ところざわサクラタウンの詳細な計画が発表され、建物の建築工事もこの2月から始まります。市はそれに呼応し、周辺道路の歩道づくりや駐車場の整備、特産品や農産物を売るスペースを考えたり、市内各地に人を呼び込む施策を進めてまいります。これらが東京オリンピック、パラリンピックの年、2020年夏のオープン。ミューズも同じ年の春オープン。オリンピックの持つもう一つの面、文化交流を意識しての施策です。なお、市民体育館はパラリンピックのゴールボールの拠点施設に選ばれ、日本の強化選手たちがこれから2年にわたって練習に励みます。また、所沢市はイタリア選手団の事前キャンプ地、ホストタウンにも選ばれて、200名を超えるイタリア選手団が三ケ島の早稲田大学を拠点にやってきます。どうか皆様、おもてなしと交流、よろしくお願いいたします。また、市はインバウンド対策にも今年は取り組んでまいります。
なお、東のKADOKAWAだけではない。西の狭山湖、西武ライオンズもある、とよく申し上げてきましたが、奇しくもここで、メットライフドームのボールパーク化計画も発表されました。家族連れで楽しめる施設など、より豪華に魅力的に、2021年春までに順次完成される予定です。また、市としては、狭山湖と狭山丘陵を楽しく散歩できるよう、景観に配慮した人が通る橋を30年度中に使えるよう工事を進めてまいります。
そして、市の真ん中、所沢駅西口の街づくりであります。地元の皆様の協力を得て、再開発事業と区画整理事業の同時進行、29階建ての再開発ビルとショッピングモールなどの賑わいの街づくりが予定されておりますが、ビルは今から4年後、街全体は8年後完成に向け、事業を進めてまいります。また、西所沢駅西口の改札を開くことは、地権者さんの協力をいただき、あと一歩になりました。答えを出すよう頑張ります。
以上、所沢市の近未来の展望を申し上げました。ご紹介いたしましたこれらハードのまちづくり、賑わいのまちづくりは、私たちのマチ所沢がこれからも、福祉も、環境も、教育も維持、充実していけるようおもんぱかったものなのです。
街づくりは福祉のために、福祉は環境のために・・・。それぞれが連関して、進む時代と言って過言ではありません。
ONE FOR ALL.ALL FOR ONE.
市職員一丸となって市民の新たな幸せのため、力を尽くしてまいります。
ONE FOR ALL.ALL FOR ONE.
1人はみんなのために、みんなは一人のために。そんな所沢で行こうではありませんか。
平成30年も人と人とのつながりを意識して、「善きふるさと所沢」のため、市も市民も連帯して、ガンガン動いてまいりましょう。
結びに、新しき年が皆様にとって、そしてご家族の皆様にとりまして、健康で幸多き年でありますよう心から祈念申し上げ、平成30年「所沢市新春のつどい」における私からのご挨拶といたします。
ありがとうございました。
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