令和2年「所沢市新春のつどい」市長あいさつ(令和2年1月8日)
更新日:2020年1月8日
特別職4役によるお出迎え
市長挨拶
あけましておめでとうございます。
皆様におかれましては、希望に満ちた新春を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。また、本日は、御来賓の皆様はじめ、多くの市民の皆様に御参加をいただいております。ありがとうございます。
さて、昨年の市長選挙におきまして市民の皆様から御信任をいただき、再び市政運営の重責を担わせていただくことになりました。この場で新年のご挨拶ができることを大変光栄に感じますとともに、改めて気の引き締まる思いであります。
私が市長を志した、その原点は東日本大震災と原発事故であります。おっ、またこの話か、何度も聞いたよ、とお思いの方もおられると存じますが、お許しください。というのも、政治に携わる者、原点を忘れれば、道を見失い、必ず保身に身をやつし、最終的には、後世にツケを残すものだからです。それは市民のためになりません。ですから、あえて皆様の前に宣言し、自らを戒める意味もあるのです。
私が市長を志した、その原点は東日本大震災と原発事故でありました。震災1か月後の石巻での活動を通して感じたことは、人間は自然の一部に過ぎず、驕ってはいけないということ、そして、人と人の絆にこそ幸せがある、ということでした。
また、それらに共通したあの時の思いを大人たちが忘れないで、これから生まれてくる子どもたちに、しっかりと伝えていくこと、これが私たち大人の使命なのだと感じたのでありました。と同時に、時代の意識が、「自己を充実すること」から「次代へつなげること」へ転換したのだ、と感じたのでありました。
そこで、「自然との調和、共生」「人と人の絆」を市政運営の柱に掲げ、「今がよい」だけを求めることなく、未来(あす)のために今行動していくことを肝に命じて、市民のみなさまにご協力をいただきながら、この8年間、市政を進めてまいりました。
そして、このたびの選挙でも、「今だけ」「自分だけ」に陥らない社会を念じて、それら思いを「善きふるさとを 未来の子どもたちに」とあらわして、訴えてまいりました。
さて、新たな年となりました。今申し上げました誓いを胸に、具体的には、公約の6つの柱に、それらを下支えする成長分野の各種事業を進めるとともに、新たに「人を中心にした マチづくり」を重点として、市政を進めてまいります。
まず1つ目の柱「教育・子ども」の分野では、学校トイレの洋式化を引き続き進めます。校舎のトイレは東西2系列、そのうち1系列は令和3年度で全校工事が終了します。なので、それ以降は、2系列目に入るとともに体育館トイレの洋式化も着手してまいります。
また、就学後の放課後の子どもの居場所は足りておりません。でも園庭もできるような広い土地もありません。だから、学校内に作っていく必要があるのです。新年度は、椿峰児童クラブと富岡児童クラブを学校の中に入れ、定員も拡大するほか、ところざわサクラタウン内にも1つできますように、民設民営によるクラブの増設も図っていきます。
また、赤ちゃんの4か月健診の会場では、絵本の読み聞かせを行いながら、お母さんと幼なご、そして、地域がつながるような新たな取り組みも始めます。さらに、生後間もない新生児に「耳の聞こえ」の検査費用の助成も新たに始めてまいります。
もちろん、日中、夜、深夜、365日子どもを診療してもらえる体制もこれを維持してまいります。所沢市独自の施策ですが、他市の子も診てあげられますので、どうぞ御宣伝ください。
また、松井地区には武蔵野の雑木林をそのままに、野原もあって、キャンプもバーベキューもできる総合公園カルチャーパークがあります。小さな子どもというものは、例えばそこに滑り台があったら、登って滑って、滑って登って、何度も何度も繰り返しそれを楽しむものです。それが子どもの生命力です。新年度には、カルチャーパークという自然の中で、子どもの生命力が存分に満足する、そんな仕掛けを作っていきます。
次に2つ目の柱「環境」の分野では、皆様にお礼をまずは申し上げたいです。というのも、「マチごとエコタウン所沢構想」を平成26年に定めて以来、市民の皆様とともに進めてきた環境施策が評価され、昨年1月、SDGsの観点からみた環境のまちづくりとしては全国815ある市と区の中で所沢市の取り組みが一番である、と日本経済新聞社に評価されたからであります。これはひとえに、環境推進員はじめ市民の活動と御協力あってのことです。本当にありがとうございました。
また、本市は「マチごとプラスチックごみ削減宣言」をしたのでありましたが、それに呼応して昨年10月の市民フェスティバルでは、「所沢から出る海のプラごみをストップ」が実行委員会から発議され、多くの議論を経たと聞いていますが、ほぼ全ての容器、入れ物を紙製に換えていただきました。その結果、前回600キログラムあったプラごみは、その60分の1未満に減ったのでありました。まさに市民の力ここにあり。心から敬服する出来事でありました。
そう、環境は今の私たちの行動が決めるものなのです。プラごみ問題と同様に、異常な気候変動への対応も待ったなしであり、パリ協定をめぐる16歳の少女グレタさんの演説は、トランプ大統領や環境大臣の小泉さんに対してというよりも、大人全体に向けられていると感じます。残念ながら日本は不名誉なる化石賞を受賞しましたが、化石賞をとったと揶揄し批判する、その矢はめぐり巡って実は私たち自身に突き刺さっている気がします。
ですから、所沢市は、自分ごととして、脱炭素もエネルギーの自立もみどりも水も砂川堀、東川、柳瀬川も生き物もミヤコタナゴもホタルも、やるべきことに今年も挑戦していきます。皆さん、未来の子どもたちのために共に前進してまいりましょう。
さて、3つ目の柱は「福祉・自治」であります。どちらにも共通する理念はみんなが幸せになれるよう支え合う、ことでありましょう。まず、制度によって支え合う=福祉では、予算の約半分を福祉に使う本市でありますが、今後も福祉の対象者が増え続けるのを見据えつつ、制度をきちんと堅持、持続できるよう努めるとともに、市としては大きな決断となります障害者「親亡き後」の課題の検討を新たに開始してまいります。また、せっかく作った「所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例」がもっと機能するよう、団体の皆様に御意見を伺いながら、さらに工夫を重ねてまいります。
また、市町村では唯一の事業、精神障害者アウトリーチ支援事業もさらに充実を図ります。
市も補助金を出して進めている所沢駅のホームドアは、2か年の事業ですので、新年度中には完成する予定です。
次に、人々の絆で支え合う=自治活動につきましては、私たち人間社会の原点となる活動だと思います。自治会、町内会の声を大切にしながら、その活動を支援し、また、地域づくり協議会への支援も引き続き行ってまいります。
4つ目の柱は「行政」です。所沢市職員は、目の前の市民のために何ができるか、どうしたらできるか、に苦心する職員たることをもう一度肝に銘じ、超親切な市役所を目指していきます。一方、被災地支援としては、引き続き宮城県山元町へ職員2名を派遣します。が、8年間続けた岩手県大槌町への職員派遣は、この3月の帰任をもって終了します。私は、市を代表して被災地支援に臨んだくれた職員それぞれを、よく頑張ってくれたと誇りに思っているところです。大震災だけでなく、地震、土砂崩れ、台風、河川の氾濫と、市職員はそのたびに全国に駆け付けてまいりました。
複雑な世の中ですが、だからこそ、困った人には手を差し伸べる、よいものはよい、そんな単純なことを大切にしていきます。もちろん、本市の災害への備えもしっかり進めてまいります。
そして、5つ目の柱「文化・ブランド」の分野です。この分野では、今年は非常に忙しく、でもとても充実した一年となるでしょう。4月にミューズ、7月には株式会社KADOKAWAによるところざわサクラタウンがオープンし、さらにオリンピック・パラリンピックが始まります。そして、11月には、市制施行70周年を迎えるからです。
まず、4月1日にはミューズでリニューアルオープンの記念式典と演奏会を行います。また、4月の18、19日には、市民文化フェアと同時開催で「空飛ぶ音楽祭」を航空公園とミューズで行います。ミューズ大ホールではオペラガラコンサート、中ホールでは、昭和歌謡の祭典、航空公園野外ステージでは小坂忠さんはじめ、BEGINほかの豪華出演も決まりました。航空公園でやる分は、すでにチケットも販売中です。
そして7月オープンのところざわサクラタウンでは、妖怪をテーマにした展覧会など各種企画が用意される模様です。そのときに所沢の小学生たちが想像し、生み出した妖怪たちが命を吹き込まれ、活躍するとも聞いております。
なぜ、妖怪なのか? それはきっと妖怪が、その土地の歴史と風土の中で、人間の想像力(イメージする力)が産みだした創造物(クリエイトされたもの)だからでありましょう。武蔵野の、所沢に生きる妖怪たちを象徴として、武蔵野の、所沢に息づく文化をどう認識し、どう醸成して、どう発展させていくのか、市もKADOKAWAさんとともに追究してまいります。
また、7月・8月には、東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。現在、本市の子どもたちを競技に招待すべく調整をしているところです。さらにホストタウンとして交流してきたイタリアとの関係もオリンピック以降もレガシーとして子どもらにつなげるべく大事に育ててまいります。
また、先ほど申し上げましたように今年は市制施行70周年、市になった当時の先達の思いを確かめたいもの、現在は、さまざまな企画を検討中です。その一つとしてこの秋には、「全国マンホールサミット」をところざわサクラタウンにて開催します。また、同じ秋、ところざわサクラタウンでは全国規模のライトノベルエキスポもKADOKAWAさんによって開かれます。市も、人々を迎える備えをしてまいります。
そして、6つ目の柱「健幸長寿」であります。所沢市は“健幸長寿のまち”を掲げて「健康寿命男女ともに県内1位」を目指しています。直近のデータでは平均寿命は、おかげ様で男女とも県内一位となりました。歩いて健康、健康でお得の「トコろん健幸マイレージ」は御好評頂きましたが、新年度からは埼玉県が営む事業に参加して名前も新たに「トコトコ健幸マイレージ」として再出発いたします。多くの皆様の御参加をお待ちしております。
以上、6つの柱について、大まかな動きを申し上げさせていただきました。が、それら施策を超少子高齢化が進む30年後まできちんと持続可能にするため「成長作戦」についても、積極的に進めてまいります。
まず、所沢駅西口周辺の街づくりは、地域住民の御協力があって、進んでいるところです。29階建てビルは今年冬完成予定ですが、市と西武鉄道株式会社と住友商事株式会社の三者で協定を昨年8月に締結し、ショッピングセンターの令和5年完成を目指しているところです。また現在、ワルツ所沢の既存デッキと再開発ビルを結ぶ歩行者デッキの工事にも着手しております。東口と結ぶアンダーパスを含めたまちづくり全体が完成する令和8年まで、所沢の表玄関をしっかり作ってまいります。
また、西所沢駅西口の開設については、西武鉄道との基本協定締結に向けて調整を重ねており、令和2年度は西口改札口と駅前広場の調査・設計を行ってまいります。
そのほか、今年中に2つの道が完成します。1つが基地の東西連絡道路、もうひとつが県道の東京狭山線でありますが、新狭山や中富を通り清瀬に抜ける東所沢和田一丁目から下安松の清瀬橋に下る約600メートル区間が、それぞれこの3月末には完成します。市の東西連絡道路は完成式典を、県道も県の協力をいただき車が通る前に、地域の皆様に渡り初めの時間を設けていただきます。
また、橋も完成します。1つは下安松清流苑地区の清流苑第二の橋がこの2月に供用開始、そして、もう1つが狭山湖駐車場近く、トコトコソーラー北野から狭山湖堤防へ通じる人道橋でこちらは、新年度中には完成の予定です。
最後に、先の選挙から新たに据えた「人を中心にした マチづくり」です。
人を中心にするとは、人が歩いて過ごせ、安心して憩え、支え合いや工夫など、人間の力を信じたい、などの意味を込めました。
具体的には、「公共交通の充実」「ベンチと緑陰がある道」「遊歩道のある川」「近くに市民農園がある暮らし」「プロペ通りの客引き禁止」「たばこを吸う人も吸わない人も共生できる駅前」「駅では『となりのトトロ』のチャイムでお出迎え」などが含まれます。4年以内でできるもの、もっと時間がかかるもの等ありますが、「人を中心に」腰を据えて取り組んでまいります。
以上、新年における市の動きのその一端を申し上げました。2020年は本市にとって、きっとよい変化が見えてくるときです。
みなさま! 自然と共生した中で、支え合い助け合う、人間力を発揮する大きな社会を一緒に作ってまいりましょう。子どもたちは、きっとそれを感じて育っていきます。そうやって、「善きふるさと 所沢」を次代に伝えてまいりましょう。
結びに、新しき年が皆様にとって、そして御家族の皆様にとりまして、健康で幸多き年でありますよう心から祈念申し上げ、また、日頃の市政への御協力と本日御参加いただきましたことに心から感謝を申し上げ、御挨拶といたします。
ありがとうございました。
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