89ページ 第3章 こころを支える支援 章の方針(目指す姿) こころの不調に気づいて寄り添い、共に支え合う地域社会の実現を目指し、こころの健康づくりを推進します。 取り巻く動向と課題 こころの健康は、身体の健康と深く関わっており、「生活の質※」に直接影響を及ぼします。 また、こころの健康に影響を与えるストレスの増加について、人付き合い、病気、仕事、学校など個々の様々な背景がありますが、とりわけSNS※の普及や新型コロナウイルス感染症まん延が契機となり、価値観や生活様式が多様化した影響もストレス増加の要因として考えられます。 こころの健康に影響する要因は、ライフコースやライフステージによって多様であり、個々に応じた支援が必要です。 自殺対策では、こころの不調のほか、過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤独・孤立等、様々な社会的要因(=生きることの阻害要因)について、国を挙げて総合的な対策を推進した結果、全国の自殺者は3万人台から2万人台に減少しました。 しかしながら、自殺対策大綱(平成19年6月策定・令和4年10月見直し)によると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、人同士の接触する機会が減少・長期化し、他者とのつながりや雇用形態を始めとした様々な変化を受け、特に女性やこども・若者の自殺が増加しました。なお、所沢市ではほぼ毎年、年間50人を超える尊い命が失われている状況です。(17ページ ■所沢市内の自殺者数の推移傾向を参照) 自殺の多くが複数の要因が重なりあった「追い込まれたスエの死」であることを社会全体で認識し、生きることの阻害要因を減らし「生きることの促進要因(自己肯定感・信頼できる人間関係・危機回避能力等)」を増やす取組に加え、市民の「生きるを支える支援」を国や県とホンシが関係機関・関係団体と連携を図りながら幅広く充実させ、市民とともに進めていくことが必要です。 第1節 こころの健康づくり、小項目(1)精神保健福祉に関する正しい知識の啓発 (2)相談体制の充実 (3)こころの健康に向けた環境整備  第2節 『生きる』を支える支援、小項目(1)生きることの促進要因等への支援 (2)早期の気づきと支援体制の充実 90ページ 第1節 こころの健康づくり こころの不調は誰にでも起こり得る状況です。ライフステージに応じた早期発見と適切な対応により、地域や社会で安心していきいきと暮らせるための取組が必要です。 (1)精神保健福祉に関する正しい知識の啓発 主な関係課、健康管理課、健康づくり支援課 ●現状 ○市アンケートでは、コロナカで仕事や学校以外でのスマホやタブレット等の使用時間が増えた割合が、特に10代で高くなっています。 ○市アンケートでは、睡眠時間「6時間未満」の回答が34.8%となっており、平成30年度のアンケート実施時(33.7%)よりも増加しています。 ○市アンケートでは、悩みやストレスの実感について、特に20代女性は「あまり感じない」の割合が2.5%と低くなっています。 ●ホンシの主な取組 ○こころの美術展の開催、こころの健康講座の実施及びセミナー動画配信を通じて、精神保健福祉に関する知識の普及を図っています。 ○インターネットで簡単にストレスチェックができる「こころの体温計」を市ホームページ上に開設しています。 ○精神疾患による困難とリカバリーの経験を持つ「ところざわ経験専門家養成講座テベット(テベット)※」を実施し、同じような経験を持つ「経験専門家」を通じて支え合うピアサポート※活動を展開しています。 ○睡眠の質の向上やこころの健康を保つには食生活をはじめとする生活習慣を整える必要があるため、正しい知識の普及啓発をオコナっています。 ●保健・医療関係団体等の主な取組 ○治療ヤク維持のための服薬管理(所沢市薬剤師会) 課題 ○睡眠不足や睡眠の乱れは精神疾患の発症リスクを高めるとも言われているため、地域保健・学校保健等と連携した対応が必要です。 ○ストレス対処法や、セルフケアの方法を身につけることが必要です。 ○こころの健康に関する正しい知識や適切な対処法を身につけておく必要があります。 施策の方向性 ○精神疾患やこころの健康問題に関する正しい知識の普及と情報提供を進めます。 ○児童・生徒のこころの健康のために、睡眠や休養の大切さについて伝えます。 ○他者との相談やコミュニケーションを効果的に行うための能力やスキル(=相談リテラシー※)の普及を図ります。 一人ひとりに望まれる健康づくりへの取組 ○ヒビの生活の中で、相談リテラシー※を身につける。 ○ストレスへの対処法などに関心を持って生活するよう心掛ける。 ○偏見にとらわれず、正しい知識情報を学び実生活で活用してみる。 91ページ (2)相談体制の充実 主な関係課、健康管理課 ●現状 ○こころの悩みの相談先の有無について、市アンケートでは、「相談できる人はいない」の割合は全体で14.1%で、男性は女性より10ポイント高くなっています。 ○中学生・高校生のアンケートでは、「相談できる人はいない」の割合が全体では6.3%ですが、高校生年齢相当の男性では20.4%と高くなっており、若年者からの相談も増加傾向となっています。 ●ホンシの主な取組 ○平日の日中に相談することができない人などの相談を、24時間受け付ける「こころの健康メール相談」を実施しています。 ○精神保健ジョウ、何らかの心配がある高校生に対し、思春期精神保健に関する専門相談を実施しています。 ○情報共有と顔のミエル連携づくり及び関係職員の資質向上を推進しています。 ●保健・医療関係団体等の主な取組 ○相談窓口(所沢市薬剤師会)…所沢市薬剤師会会員薬局店頭における相談窓口 ○相談窓口(相談支援事業所)…市内の4つの事業所が障害のある方やそのご家族等の相談に対応 課題 ○こころの不調を感じた時に、速やかに相談ができるよう、相談場所を知っておくことなど自らの取組に加え、身近な人のこころの不調に気づいた時に声をかけ、傾聴し、専門機関の相談を勧めるなど、早期に対応することが必要です。 施策の方向性 ○関係機関と連携し、相談窓口の充実を図ります。 ○思春期の生徒への相談体制及び情報発信の充実を図ります。 ○相談支援に対応する関係職員の資質向上を推進します。 一人ひとりに望まれる健康づくりへの取組 ○ヒビの生活の中で、ストレスへの対処法などに関心を持って生活するようにする。 ○自分や家族の健康、病気に関する相談などを気軽にでき、必要に応じて専門機関へつなげる役割を担う「かかりつけ医療機関※(医科、歯科、薬局)」を持つ。 ○身近な人が悩んでいる人に寄り添い、関わるようにする。 コラム、困ったときに上手に助けを求める力 「相談リテラシー」があなたを守ります 困ったときは、相談して良いのです リテラシーは「特定の分野の知識を理解し活用する能力」として広く使われています。  相談リテラシーとは「困ったときにひとりで抱えず、身近な人や相談窓口につながる力」であり、必要なときに相談という選択肢を使える力のことです。安心して相談できることは、生きやすい地域づくりにつながります。 深刻になる前に相談してもいいんだと知っておくこと 話すタイミングは自分で選んでよいことを理解すること 相談先をいくつか知っておくこと 相談先がわからない場合は市役所などに連絡すること こちらに、「各種相談・悩みごと」(所沢市公式ホームページ)の二次元コードがあります。 92ページ (3)こころの健康に向けた環境整備 主な関係課、健康管理課、産業振興課 ●現状 ○市アンケートでは、こころが「健康でない」と感じる人は、「地域とのつきあいはほとんどない」という回答割合が高くなっています。特に高齢者では体力や意欲の低下から、こころの健康にマイナスの影響を与える可能性があります。 ○市アンケートでは、「保健センターでこころの健康の相談ができること」について、知らない人は全体の約70%でした。一方で、知っている人は約28%であり、前回の調査から約5ポイント高くなりました。 ○市アンケートでは、中学生・高校生における市販ヤクの過剰摂取(オーバードーズ)に対する肯定的な理由として、「自己責任だと思うから」の回答が約78%で最も高い割合となっています。 ●ホンシの主な取組 ○ホームページでうつ病※や自殺対策に関する情報を発信しました。また高校生を対象とした精神科医師による相談会を実施するなど、自殺防止対策に繋がる取組を進めています。 ○精神障害にも対応した地域包括ケアシステム※を構築・推進しています。 ●保健・医療関係団体等の主な取組 ○学校薬剤師による健康教育活動(所沢市薬剤師会) ○精神障害にも対応した地域包括ケアシステム※構築・推進(自立支援協議会こころ部会) ○店頭にて若年層を対象としたメンタルヘルス啓発資料配布(所沢市薬剤師会) 課題 ○こころの健康や個々のメンタルヘルスについて、正しい知識の普及と啓発が必要です。 施策の方向性 ○精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム※を構築・推進します。 ○市民に対してうつ病※や依存症について、講演会や市ホームページ、啓発ブツ等により相談窓口等の情報提供を行います。 ○職場におけるメンタルヘルス対策を支援します。 ○ドラッグストアチェーン等と連携し、市販ヤクの過剰摂取(オーバードーズ)の注意喚起・防止を図ります。 一人ひとりに望まれる健康づくりへの取組 ○ヒビの生活の中で、ストレスへの対処法などに関心を持って生活するようにする。 ○自分や家族の健康、病気に関する相談などを気軽にでき、必要に応じて専門機関へつなげる役割を担う「かかりつけ医療機関※(医科、歯科、薬局)」を持つ。 ○悩んでいる人に身近な人が寄り添い、関わるようにする。 コラム、オーバードーズは“助けて”のサインです 「やめよう」と言う前に、できることがあります 相手を大切に思うから、話を聞くのです 市販ヤクなどの医薬ヒンを決められた量より多く飲んでしまう行為、「オーバードーズ」「OD」が若者を中心に広がっています。 心のつらさや苦しさを和らげるために、誰にも頼れず市販ヤクなどを使用してしまうことも多く、「大人は信用できない」「誰にも言えない」と考える若者が少なくないことを、私たちは知る必要があります。 身近な人にこうした行動が見られたら、その行動を否定せず、その裏にある「苦しさ」に心を寄せて、相談窓口につないでください。 こちらに、「一般用医薬ヒンの乱用(オーバードーズ)について」(厚生労働省公式ホームページ)の二次元コードがあります。 93ページ 第2節 『生きる』を支える支援 市民一人ひとりがかけがえのない命の大切さを考え、誰も自殺に追い込まれることのない地域社会の実現に向け、「生きることの支援」につながる取組に加えて、「生きることの阻害要因」を減らす取組の両方を行うことが重要です。また、ひとりで悩みを抱えないよう、周囲も「気づき・寄り添い・支え合う」意識を持ち、早期の気づきや支援につなげる姿勢を持つことも大切です。 なお、本節は「所沢市自殺対策計画」の性格を有しています。 (1)生きることの促進要因等への支援 主な関係課、こども家庭センター、健康管理課、健康づくり支援課、学校教育課、教育センター ●現状 ○令和元年〜令和5年のライフステージ別死因別死亡スウでは、少年期から壮年期にかけて「自殺」が1位となっています。 ○自殺総合対策大綱において、こども・若者、女性に対する支援の強化について記載があります。 ●ホンシの主な取組 ○自殺予防週間(9月)、自殺対策強化月間(3月)に合わせ、パネル展示や関連図書の紹介を実施しています。 ○「さいたまチャイルドライン※」等、児童生徒を対象とした相談窓口情報の周知を図っています。 ○妊娠、出産、育児の様々な相談に応じ、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援体制を整備しています。 ○ひきこもりの問題を抱える本人やその家族を対象とした相談支援を実施しています。 ○「特定非営利活動法人 自殺対策支援センター ライフリンク」と協定を締結し、同団体に寄せられた相談のうち、所沢市民からの相談は、ご本人の希望を確認したうえで、スムーズなこころの健康支援室の相談支援につなげる体制を構築しています。 ●保健・医療関係団体等の主な取組 ○自殺対策SNS※等相談事業(特定非営利活動法人 自殺対策支援センター ライフリンク) 課題 ○自殺の背景にある過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立などの様々な要因を踏まえ、支援を行う必要があります。 施策の方向性 ○こども・若者、女性や子育て世代、高齢者・障害児シャ及び家族など、様々な立場の悩みを理解し、支援を届けます。 ○生活困窮者に対し自立の助長等の支援を行います。 ○ひきこもりや多様な性※など、生きづらさを抱えている人への支援を行います。 一人ひとりに望まれる健康づくりへの取組 ○ヒビの生活の中で、ストレスへの対処法などに関心を持って生活するようにする。 ○自分や家族の健康、病気に関する相談などを気軽にでき、必要に応じて専門機関へつなげる役割を担う「かかりつけ医療機関※(医科、歯科、薬局)」を持つ。 ○悩んでいる人に身近な人が寄り添い、関わるようにする。 94ページ (2)早期の気づきと支援体制の充実 主な関係課、こども家庭センター、健康管理課、健康づくり支援課、学校教育課、教育センター ●現状 ○全国の自殺者数は減少傾向にありますが、「年間2万人超」と依然として高い水準です。 ○自殺総合対策大綱では、国民一人ひとりの気づきと見守りを促すことが重点施策の一つとされています。 ●ホンシの主な取組 ○自殺予防に関する正しい知識の普及啓発を図っています。 ○うつ病※を治療中の人及び家族を対象とする「つどい」を開催しています。 ○産後うつの早期発見のため、産婦健康シンサや新生児・妊産婦訪問を行うとともに、妊娠初期から子育て期まで切れ目のない相談体制を構築し、必要な支援を届けています。 ○自殺対策連絡会議を開催し、研修や情報共有をオコナっています。 ●保健・医療関係団体等の主な取組 ○自殺対策SNS※等相談事業(特定非営利活動法人 自殺対策支援センター ライフリンク) ○薬相談によるタ職種連携 (所沢市薬剤師会) ○医療従事者への研修の実施(所沢市薬剤師会) 課題 ○こころの健康や精神疾患に関する知識及び初期対応の重要性に関する理解を深め、共生社会の実現に向けて、傾聴を中心とした支援を行う「こころのサポーター」や、自殺のリスクのある人に寄り添う「ゲートキーパー※」など、地域で相互に支えアえる人材を充実させることが重要です。 施策の方向性 ○自殺予防に関する正しい知識の普及啓発を図ります。 ○市民一人ひとりの気づきを促し、見守りを推進します。 ○児童・生徒のSOSの出しカタに関する教育を推進します。 ○自殺未遂者による自殺企ト※を防止するため、継続的な相談支援体制の整備を進めます。 ○予防のための介入を進めるなど、自殺対策・メンタルヘルス対策を推進します。 一人ひとりに望まれる健康づくりへの取組 ○自殺や精神疾患に関する正しい知識を得るようにする。 ○こころのサポーターやゲートキーパー※に関する理解を深める。 ○自分や家族、同僚、友人などの様子に「いつもと違う」と変化があった際に、ためらわずに相談や声掛けを行う。 コラム、身近な人を自死で亡くすことについて知ってください「自死遺族」のこと 遺族の悲しみは何年過ぎても消えることはありません 自殺(自死)で亡くなった人には、5人の遺族が存在するとされ、全国でおよそ300万人とも言われています。友人や同僚などを含めると、さらに多くの人が自死による深刻な影響を受けていると考えられます。 遺族は支援の不足や周囲の対応によって、二次的な苦しみを受けやすく、日常生活において問題を抱えることもあります。 ホンシでは、遺族支援のひとつとして「わかちあいの会」を開催しています。 こちらに、「身近な人を自死で亡くすことについて」(所沢市公式ホームページ)の二次元コードがあります。 95ページ コラム、誰も自殺に追い込まれることのない 所沢市の実現を目指して 自殺対策は誰もが生きやすい社会を目指します 令和6年の自殺者数は20,320人と、前年より1,517人減り、統計開始以降2番目に少ないことがわかりました。また、ほとんどの年齢階級で減少しましたが、70歳代、80歳以上では最も低く、50歳代及び60歳代は2番目に低いことがわかりました。 一方で、10歳代は増加傾向にあり、令和6年の小中高生では自殺統計開始以降最多となりました。 令和7年版自殺対策白書(厚生労働省)によると、若者(15〜29歳)の自殺者数は、令和2年以降3,000人を超えタカドマリ傾向にあります。特に若年女性の自殺者数は増加傾向であり、自殺未遂歴の割合が高いことが指摘されています。 このことから「自殺未遂者支援の強化」や「居場所づくりとの連動」、「家族など身近な支援者に対する支援」「オーバードーズ対策」などが、今後の自殺対策において有効な取組とされています。 ホンシではこれらを踏まえながら、庁内各課・関係機関と共に 自殺対策に資する取組を進めていきます。 こちらに、自殺者数の推移のグラフがあり、平成元年から令和6年の推移が示されています。出典:警察庁自殺統計(厚生労働省作成) こちらに、「知ってください『自殺』のことについて」(所沢市公式ホームページ)の二次元コードがあります。 コラム、自殺を防ぐためにあなたにできること 「ゲートキーパー」は大切な命を守ることができます あなたの力を貸してください 「ゲートキーパー」とは、身近な人・親しい人の悩みや変化に気づき、必要な支援につながるきっかけをつくる人であり、「命の門番」のことです。特別な資格は必要ありません。家族や友人・同僚、誰でもゲートキーパーになれます。ゲートキーパーの「気づき」「傾聴」「つなぎ」「見守り」は、相手が孤独・孤立に陥ることを防ぐことができます。 気づき、家族や友人・同僚などの変化に気づいたら、声をかける。「眠れてないようだけど」「何か悩んでる?」「よかったら話して」 傾聴、相手が話しやすい環境で、相手のペースで言葉に耳を傾ける。否定やアドバイスはせず、相手の話を受け止める つなぎ、相談窓口や医療機関などへの相談を勧める。連絡や予約などを一緒にする 見守り、継続して見守る。心配なときは声をかける こちらに、「大切な人の悩みに気づいてください」(所沢市公式ホームページ)の二次元コードがあります。