第4次所沢市障害者支援計画 障害者計画 障害福祉計画 障害児福祉計画 平成30年3月 はじめに 「福祉」という言葉の、「福」も「祉」も、それぞれ「幸せ」という意味があるのですね。だから、よく使われる「市民福祉」という言葉には、すべての施策が含まれてしまうのです。教育や環境も街づくりも賑わいづくりも、そして、あったらいいな、てきな生活支援のレベルの施策もです。 でも、しょうし高齢化で施策のやりくりが厳しい時代には、その中でも本当の「福祉」、それも福祉のコアな部分をこそ、大切にしなければなりません。 「障害がある」とは自らの努力ではいかんともしがたいものであります。だから、福祉の中の福祉、コアな部分にあたるでしょう。 一方、障害は加齢とともに、誰もがみな、いつの時期かに通るひとつのステージなのだと理解されるようになり、障害者福祉が社会にとって、より身近になるべきものともなってきました。そういう点で、施策の展開は言わずもがな、人と人とが絆で支え合い、一人ひとりが人間力を発揮する社会を築いていくことも私たちの使命であると考えます。 本市では、障害のあるなしにかかわらず、誰もが共に支え合い、認め合い、笑顔でいきいきと地域で自立して生活できる共生社会の実現を目指す「所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例」を制定し、ハード面・ソフト面の両面からマチの中のバリアフリーが促進された、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指していきます。 この度策定した、「第4次所沢市障害者支援計画」は、「ふれあい 寄り添い 支えあい ともに生きるまち ところざわ」を基本理念に掲げ、条例の理念に基づき、障害のある人が地域の中で安心して自立した生活を送ることを念頭に置いた計画づくりに努めました。市は本計画に基づき、関係部署・関係機関が一体となって障害者施策を進めてまいります。今後とも皆様のご理解とご協力をお願いいたします。 結びに、本計画の策定にあたり、所沢市障害者施策推進協議会、所沢市自立支援協議会の各委員の皆様をはじめ、貴重なご意見やご提案をいただいた市民の皆様、各種団体、相談員、事業所の方々に心からお礼を申し上げます。 平成30年3月 所沢市長 藤本正人 ? 目次 第1章 計画の基本的事項 1頁 第1節 計画の基本的な考え方 2頁 1 策定趣旨 2頁 2 計画の背景と目的 3頁 3 計画の性格と位置づけ 4頁 4 計画の期間 5頁 5 計画の対象 5頁 第2節 障害者の現況 6頁 1 障害者数の状況 6頁 2 就労等の状況 15頁 3 アンケートの概要 18頁 第3節 計画の基本理念 20頁 1 基本理念 20頁 2 基本的な考え方 20頁 第2章 施策展開 21頁 第1節 施策の内容 22頁 1 差別解消と権利擁護の推進 24頁 2 社会参加の促進と協働の推進 28頁 3 自立した生活の支援 32頁 4 保健医療の充実 36頁 5 育ちと学びの充実 40頁 6 雇用・就労の促進 44頁 7 情報アクセシビリティの向上 48頁 8 安心・安全なまちづくり 52頁  目標・指標一覧 56頁  障害者作品展の受賞作品の紹介 57頁? 第2節 障害福祉サービス等の目標値・見込量 58頁 1 計画の目標値 59頁 2 福祉サービス等の見込量 62頁 第3章 ライフステージを通じた支援 71頁 第1節 ライフステージの考え方 72頁 1 ライフステージの設定 72頁 2 求められている支援の考え方 73頁 第2節 ライフステージごとの支援 74頁 1 乳幼児期(0歳〜6歳)の支援 74頁 2 学齢期(7歳〜17歳)の支援 76頁 3 せいそうねん期(18歳〜64歳)の支援 78頁 4 高齢期(65歳以上)の支援 80頁 第4章 計画の推進体制 83頁 1 関係機関等との連携 84頁 2 障害者等の参画 84頁 3 計画の達成状況の点検及び評価 85頁 資料編 87頁 1 所沢市の主な取組 88頁 2 計画の策定経過 90頁 3 所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例 94頁 4 障害児に関する数値一覧 104頁 5 アンケート票 107頁 第1章 計画の基本的事項 第1節 計画の基本的な考え方 1.策定趣旨 我が国においては、昭和56年の「国際障害者年*1」を契機として、国際的な動向や我が国独自の事情を踏まえて、障害者の自立と社会参加の実現に向けた施策を計画的に推進してきました。 近年では、特に障害者の権利の実現に焦点を当て、障害者とその養護者の支援を目的とする「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(以下「障害者虐待防止法」という。)」や行政機関等や民間事業者に対して社会的障壁*2の除去を義務付ける「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」という。)」を制定し、施策を推進しています。 障害福祉制度としては、平成15年度の「支援費制度」の導入によって、福祉サービスの提供が利用者と事業者の間の契約に基づいて行われることになり、利用者の意思を反映するよう、制度運用の見直しが図られました。また、平成18年度の「障害者自立支援法」の施行により、しんたい、知的、精神の3障害が一体的な制度の下での対応になったほか、その対象として難病も加えられる等、利用対象の拡大が図られてきました。 本市においては、障害者基本法に基づく「市町村障害者計画」と障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障害者総合支援法」という。)に基づく「市町村障害福祉計画」を一体化した「所沢市障害者支援計画」を障害者施策の基本指針として施策を推進してきました。そして、所沢市障害者支援計画は、平成20年度の第1次計画の策定から、市の取組や諸計画の理念を承継しつつ、国内外の施策動向や所沢市の状況の変化を踏まえて内容を見直してきました。 「第4次所沢市障害者支援計画」は、児童福祉法の改正により新たに策定が義務付けられた「市町村障害児福祉計画」を一体化するとともに、本市において共生社会の実現を推進することを目的とする「所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例」の趣旨に則り、障害者の権利を守り、自立した生活の実現と社会参加の促進を総合的に推進するために策定するものです。 *1。国際障害者年 国連が障害者権利宣言の趣旨(尊厳、平等、社会参加)に基づき、1981年(昭和56年)を「国際障害者年」と宣言したもの。「完全参加と平等」の促進を目的としている。 *2。社会的障壁 障害者を意識していない習慣や文化、施設・設備などの不備、利用しにくい制度等、障害者にとって日常生活又は社会生活を営むうえで障壁となるもの。 2.計画の背景と目的 昨今の障害者施策に関する国の動向として、障害福祉分野の施策の充実はもとより、「地域包括ケアシステム*1の構築」や「地域共生社会*2の実現」等の分野横断的な取組も求められています。 近年の主な障害関係施策の動向 障害者差別解消法の施行(平成28年4月1日施行) ・障害を理由とする差別的取扱いの禁止 ・合理的配慮の提供 成年後見制度の利用の促進に関する法律の施行(平成28年5月13日施行) ・成年後見制度の利用の促進に関する施策の推進 ニッポン一億総活躍プランの策定(平成28年6月2日閣議決定) ・障害者、難病患者、がん患者等の活躍支援 ・地域共生社会の実現 発達障害者支援法の改正(平成28年8月1日施行) ・相談体制の整備 ・支援に資する情報共有の促進 障害者総合支援法の改正(平成30年4月1日施行) ・自立生活援助、就労定着支援の創設 ・高齢障害者の介護保険サービスの円滑な利用 児童福祉法の改正(平成30年4月1日施行) ・居宅訪問型児童発達支援の創設 ・保育所等訪問支援の支援対象の拡大 ・障害児福祉計画の策定 ・医療的ケア児に対する各種支援の連携(平成28年6月3日施行) 障害者の雇用の促進等に関する法律※の改正(平成30年4月1日施行) ・障害者雇用の算定基礎に精神障害者を追加、法定雇用率の引き上げ ・障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務の規定 ※以下「障害者雇用促進法」という。 このほか、「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」により、地域共生社会実現のため改正される「社会福祉法」(平成30年4月1日施行)では、地域福祉推進のため「包括的な支援体制の整備」を行うことや地域福祉計画に「地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し、共通して取り組む事項」を位置づけることが追加されています。 *1。地域包括ケアシステム 重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される支援体制。 *2。地域共生社会 制度・分野ごとの縦割りや「支えて」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会。 3.計画の性格と位置づけ 所沢市障害者支援計画は、「所沢市障害者計画」と「所沢市障害福祉計画」、「所沢市障害児福祉計画」を一体化したものです。 所沢市障害者計画は、障害者基本法第11条第3項に基づく「市町村障害者計画」であり、障害者の保健・医療・福祉・教育・就労・まちづくり等に関する計画として位置付けられています。 所沢市障害福祉計画と所沢市障害児福祉計画は、障害者総合支援法第88条第1項に定められている「市町村障害福祉計画」と児童福祉法第33条の20に定められている「市町村障害児福祉計画」であり、障害福祉サービス等の提供体制の整備に関する実施計画として位置付けられています。なお、「所沢市障害児福祉計画」は、児童福祉法の改正により、新たに策定が義務付けられたもので、今回が1期目の策定となります。 本計画は、国や埼玉県の計画、「所沢市総合計画」や「所沢市地域福祉計画」などと整合性を保ちながら、所沢市の障害者施策の基本方針と施策展開の方向を明らかにするものです。 ず 4.計画の期間 この計画の期間は平成30(2018)年度から平成32(2020)年度までの3年間とし、計画最終年度に次期に向けた見直しを行います。 ず 5.計画の対象 この計画は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害、高次脳機能障害を含む。以下同じ。)、難病等があり、日常生活や社会生活において支援を必要とするすべての人を対象とします。 発達障害 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥性多動性障害(ADHD)、その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものをいいます。 高次脳機能障害 事故や病気等で脳に損傷を受けた後、記憶力や注意力の低下等の症状が現れ、日常生活や社会生活に支障が出てしまう障害をいいます。 難病 発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものをいいます。 第2節 障害者の現況 1.障害者数の状況 1 障害者数(障害者手帳等所持者数)の推移 所沢市における障害者手帳の種別所持者は、平成29年3月まつ現在で13,340人であり、所沢市の総人口の3.9%を占めています。障害種別では、身体障害者が8,653人、知的障害者が2,028人、精神障害者が2,659人となっています。 平成27年3月まつから平成29年3月まつまでの推移では、身体障害者数はほぼ横ばいですが、知的障害者数は約10%、精神障害者数は約15%増加しています。 ひょう ぐらふ 2 身体障害者の状況 @ 障害部位別の状況 平成29年3月まつ現在、身体障害者数8,653人のうち、肢体不自由は4,507人、内部障害は2,763人、視覚障害は649人、聴覚・平衡障害は603人、音声・言語・そしゃく機能障害は131人となっています。 ひょう A 等級別の状況 身体障害者数について等級別でみると、平成29年3月まつ現在で1級が最も多く3,154人、次いで4級が1,965人となっています。ここ3年の推移では、1級と2級はやや減少し、4級・5級・6級がやや増加傾向にあります。 ひょう ぐらふ B 年齢別の状況 身体障害者数について年齢別でみると、平成29年3月まつ現在では65歳以上が最も多く5,956人、18〜64歳が2,538人、18歳未満が159人となっています。ここ3年の推移では、18歳未満と18〜64歳はやや減少し、65歳以上がやや増加傾向にあります。 ひょう ぐらふ 3 知的障害者の状況 @ 等級別の状況 知的障害者数について等級別でみると、平成29年3月まつ現在ではCが最も多く624人、次いでBが526人、Aが451人、まるAが427人と、障害の程度の軽い人ほど多くなっています。ここ3年の推移では、どの等級も増加していますが、特にBやCの伸びが顕著です。 ひょう ぐらふ A 年齢別の状況 知的障害者数について年齢別でみると、平成29年3月まつ現在では18〜64歳が最も多く1,316人、次いで18歳未満が644人、65歳以上が68人となっています。ここ3年の推移では、18〜64歳の増加が著しく、18歳未満と65歳以上もやや増加傾向にあります。 ひょう ぐらふ 4 精神障害者の状況 @ 等級別の状況 精神障害者数について等級別でみると、平成29年3月まつ現在では2級が最も多く1,801人、次いで3級が642人、1級が216人となっています。ここ3年の推移では、どの等級も増加していますが、特に2級や3級の伸びが顕著です。 ひょう ぐらふ A 年齢別の状況 精神障害者数について年齢別でみると、平成29年3月まつ現在では18〜64歳が最も多く2,240人、次いで65歳以上が372人、18歳未満が47人となっています。ここ3年の推移では、18〜64歳の増加が著しく、18歳未満と65歳以上もやや増加傾向にあります。 ひょう ぐらふ 5 難病患者の状況 所沢市内の指定難病*1、小児慢性特定疾病*2、指定疾患*3の医療受給者証所持者数は、平成29年3月まつ現在で2,934人となっており、平成27年3月まつの2,816人から約120人の増加となっています。 平成27年1月に「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行され、医療費助成の対象となる疾病は、新たに指定難病と呼ばれるようになりました。対象となる疾病も、当初の110疾病から平成29年4月1日には330疾病まで拡大されていることから、医療給付の対象となる患者数も増加しています。 ひょう ぐらふ *1。指定難病 診断基準が一応確立し、かつ難治度、重症度が高く患者数が比較的少ないため、公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療方法の開発などに困難をきたすおそれのある疾病。 *2。小児慢性特定疾病 治療が長期間にわたり、医療費の負担も高額となり、これを放置することは児童の健全な育成を阻害することとなる疾患で研究事業の対象とされているもの。児童福祉法の一部改正により平成27年1月から対象範囲が拡大した。 *3。指定疾患 先天性血液凝固因子欠乏症等、国が指定した11疾患。 2.就労等の状況 1 特別支援学校(高等部)卒業後の進路状況 所沢おおぞら特別支援学校、入間わかくさ高等特別支援学校、和光特別支援学校の平成28年度卒業生のうち所沢市民は36人となっており、卒業後には生活介護や就労継続支援等の通所施設を利用する割合が高くなっています。また、民間企業等に就職する人も徐々に増加しています。 ひょう ぐらふ 2 ところざわ就労支援センターの状況 ところざわ就労支援センターでは、就労を希望する障害者を対象に、一般就労に向けた支援(就労に関する相談、職場の開拓、職場定着のための支援等)を行っています。平成28年度時点で就職者の合計は449人、年度末の登録者数に対する就職率は58%となっています。近年は就職者数が増加傾向にありますが、それを上回る登録者数があるため、就職率は横ばいとなっています。 ひょう 3 ハローワーク所沢(所沢公共職業安定所)の状況 ハローワーク所沢では、本市のほか、狭山市、入間市、三芳町を管轄として求人・求職申込者に対し、相談や紹介等の業務を行っています。平成28年度における障害者の就職件数は、管轄地域全体で350件となっています。 ひょう 3.アンケートの概要 1 調査の目的 第4次所沢市障害者支援計画の策定にあたり、障害者、中学生、市民、事業所に対して、計画改定のための基礎資料を得ることを目的としたアンケートを実施しました。 2 調査の内容と回収状況 @調査方法と期間 障害者を対象としたアンケート 調査対象 障害者手帳、指定難病医療受給者証等の所持者、約2,000名を無作為抽出 調査方法 郵送配布・回収 調査期間 平成29年6月から7月 中学生を対象としたアンケート 調査対象 市内公立中学校2年生、370名 調査方法 学校配布・回収 調査期間 平成29年6月から7月 市民を対象としたアンケート 調査対象 18歳以上の市民、約300名を無作為抽出 調査方法 郵送配布・回収 調査期間 平成29年6月から7月 事業所を対象としたアンケート 調査対象 障害福祉サービス等を提供している事業所、約200か所 調査方法 郵送配布・回収 調査期間 平成29年6月から7月 A回収状況 障害者を対象としたアンケート 調査対象者数(a) 2,000票 有効回答者数(b) 1,178票 有効回答率(b/a) 58.9% 中学生を対象としたアンケート 調査対象者数(a) 370票 有効回答者数(b) 370票 有効回答率(b/a) 100% 市民を対象としたアンケート 調査対象者数(a) 300票 有効回答者数(b) 167票 有効回答率(b/a) 55.7% 事業所を対象としたアンケート 調査対象者数(a) 200票 有効回答者数(b) 129票 有効回答率(b/a) 64.5% 3 アンケート項目 @障害者を対象としたアンケート 障害者の生活実態、福祉サービス利用状況、現在抱えている課題、今後の希望などを把握することを目的とし、以下の内容についてアンケートを実施しました。 権利擁護について 生活支援について 相談支援について 保健や医療について 雇用や就労について 安心・安全なまちづくりについて 市の障害福祉施策について A市民を対象としたアンケート(中学生含む) 障害者との交流の状況、障害や障害者に対する理解度などを把握することを目的とし、主として以下の内容についてアンケートを実施しました。 障害者との交流や援助の経験について 障害に関する法律や制度の認知度について 災害時の援助について 障害者に対する市民の理解度について 障害者が社会参加するために特に大切なことについて B事業所を対象としたアンケート 障害者に対するサービスの提供状況や課題、今後の意向などを把握することを目的とし、主として以下の内容についてアンケートを実施しました。 サービス提供の状況について 事業所運営で苦慮している点について 所沢市の障害者支援の長所、短所について 差別解消や虐待防止の取組について 第3節 計画の基本理念 1.基本理念 障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様なあり方を相互に認め合える全員参加型の社会が「共生社会」であり、このような社会を目指すことは、我が国において最も積極的に取り組むべき重要な課題です。 本計画では、「基本理念」を次のように設定し、本市の抱える様々な課題への取組を進めていきます。 ふれあい 寄り添い 支えあい 共に生きるまち ところざわ 2.基本的な考え方 基本理念を実現するために、次の3つの観点から計画を推進します。 ふれあい よりそい 支えあい 共に生きるまち ところざわ 1 障害者の自立と社会参加の促進 障害者が自らの意思に基づき、社会に参加し、自己実現を図ることができるよう、取組を推進します。 2 障害特性に応じたきめ細かな支援 障害の種類や程度の違いによって不当に不利益が生じることを防ぐため、障害特性に応じたきめ細かな支援を推進します。 3 地域共生社会の実現に向けた環境整備 障害の有無にかかわらず、地域の中で共に助け合えるよう、市民同士の協働が自然に生まれるまちづくりを推進します。 第2章 施策展開 第1節 施策の内容 計画の体系 たいけいず たいけいず 1.差別解消と権利擁護の推進 障害者差別解消法研修会 社会的障壁の除去を進めるため、事業者や市民と連携を図りながら、障害者差別の解消に向けた取組を実施します。 また、障害者に対する権利侵害を防止するため、虐待への対応や公的制度の周知啓発・利用促進といった、障害者の権利擁護の取組を推進します。  これまでの主な取組  所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例の制定に向けて、障害者や公募市民、関係団体の代表者等で構成する条例検討会を組織し、所沢市障害者施策推進協議会*1と連携のもと、条例の検討を行いました。 障害者虐待を防止するために、障害者虐待防止法の趣旨や通報義務について周知を図るとともに、委託相談支援事業所*2などの関係機関との連携強化により、虐待発生時の体制整備に取り組んでいます。 所沢市こどもと福祉の未来館の福祉の相談窓口等で権利擁護に関する相談支援を行うとともに、判断能力が不十分で、親族の支援が得られず成年後見制度の申立てが困難な人への支援として、市長による家庭裁判所への申立てを実施しています。 *1。所沢市障害者施策推進協議会 障害者基本法に規定する協議会。障害者計画の策定に関する検討・実施状況の監視や市の施策の推進に関する協議をおこなう。 *2。委託相談支援事業所 市から委託を受け、日常生活の不安や施設の紹介など、障害者やその家族からの多種多様な相談を受け付ける事業所。  アンケート結果  障害を理由とした差別等の経験(障害者を対象としたアンケートから) [障害者アンケート]では、「差別を感じたことはない」と回答したかたの割合が47.8% にとどまっており、半数近くのかたがいずれかの場面で障害を理由とした差別を感じたことがあることがわかります。 ず 障害者差別解消法の認知度(市民を対象としたアンケートから) [市民アンケート]では、障害者差別解消法について、ほぼすべてのかたが「知らない、聞いたことがない」 もしくは「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」と回答しており、法令や関係規定についての周知が不十分であることがわかります。 ず  今後の課題  障害や障害者に対する差別や偏見は依然として解消されておらず、差別解消に向けた周知啓発の徹底が求められます。特に行政機関においては、合理的配慮が法的義務となっており、市として一層取組を進めていく必要があります。また、障害者の権利擁護や虐待防止についても、相談窓口や支援体制の整備、制度の周知啓発に引き続き取り組む必要があります。  今後の方向性  (1)差別解消の推進 @差別解消の推進 市民や事業者に対して、所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例の周知を図るため、出前講座等の啓発活動を実施します。 A行政機関等における取組の推進 所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例や障害を理由とする差別の解消に関する所沢市職員対応要領の一層の浸透と実践に向けて、市職員に対する周知の徹底を図ります。 (2)権利擁護の推進と虐待の防止 @ 権利擁護の推進 判断能力が不十分なかたを支援するため、所沢市こどもと福祉の未来館の福祉の相談窓口による適切な情報提供や相談支援を通じて、成年後見制度の利用を促進します。 A虐待の防止 障害者虐待防止法に関する情報の周知に努めるとともに、障害者虐待防止・対応マニュアルに基づき、所沢市基幹相談支援センター*1を中心とする市内の委託相談支援事業所と連携して虐待案件に対応することで、障害者の権利擁護を図ります。 *1。所沢市基幹相談支援センター 地域における相談しえんの中核的な機関。総合的・せんもんてきな相談しえん、地域の相談支援事業者間の連絡調整、関係機関の連携のしえんなどをおこなう。  目標・指標  指標 所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例等の出前講座開催回数 現状値 平成28年度末 なし 目標値 平成32年度末 5回 説明:市民や事業者の障害理解の促進を図るため、市民や事業者を対象に市職員が講師として実施する出前講座の回数です。 指標 成年後見制度に係る相談件数 現状値 平成28年度末 348件 目標値 平成32年度末 390件 説明:所沢市こどもと福祉の未来館の福祉の相談窓口や委託相談支援事業所等、市が設置した相談窓口で対応した成年後見に関する相談の件数です。 所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例 所沢市において、障害者に対する誤解や偏見といった社会参加を妨げる様々な障壁を取り除き、障害の有無に関わらず、共に支え合い、笑顔でいきいきと地域で自立して生活できる「共生社会」の実現を目指す上で、指針となるものです。 2.社会参加の促進と協働の推進 障害者週間記念事業 スポーツ、文化芸術に関する活動や選挙による政治への参加等を通じて、障害者の生活を豊かにするとともに、市民の障害への理解を深め、地域における障害者の自立と社会参加の促進を図ります。  これまでの主な取組  ● スポーツ、文化芸術、レクリエーションの機会を提供するとともに、障害者団体の活動を支援しています。 ● 障害者週間記念事業として、障害理解につながる講演会、手話・点字や障害者スポーツの紹介、福祉機器の展示や障害者による作品展示等のイベントを行っています。 ● 市民の障害理解促進のため、広報紙や市ホームページ等を通じた広報活動に取り組んでいます。 ● 精神障害について理解を深めるための講座やつどい、こころの美術展を開催しています。 ● 発達障害啓発週間に合わせて、発達障害への理解を深める講演会や関係団体のパネル展示を実施しています。 ● パラスポーツの周知を目的として、国立障害者リハビリテーションセンターと連携し、市内小学校でゴールボール(パラリンピック種目)の体験会を開催しています。  アンケート結果  障害者の社会参加に大切なこと(障害者を対象としたアンケートから) [障害者アンケート]では、障害者の社会参加に大切なこととして、「地域や社会が障害や障害のある人に対する理解を深める」、「障害のある人が参加しやすいイベントなどの機会を増やす」、「より多くのボランティアを育成する」という意見が挙がっており、市民の協働が重要であることがわかります。 ず 障害者を手助けしたことがある理由(市民を対象としたアンケートから) [市民アンケート]で、障害者の手助けをしたことのあるかたにその理由を伺ったところ、「困ったときはお互い様という気持ちから」に次いで「身内や近所に障害のある人がおり、障害について知っているから」が多く、市民協働を推進するために交流を促すことが求められています 。 ず  今後の課題  障害者が地域でいきいきと暮らすために、スポーツ、文化芸術、レクリエーション活動、選挙等の社会に関わる活動へ気軽に参加できるような支援をおこなっていく必要があります。また、障害者や家族、障害者団体への支援を行うとともに、市民協働を促進するため、地域住民への啓発や広報、交流活動の充実が求められています。  今後の方向性  (1)社会参加の促進 @社会活動への参加支援 国や県で開催される障害者のスポーツ大会への参加を促進するとともに、文化芸術活動等の発表の機会の提供や選挙会場のバリアフリー化の推進等を通じて、障害者の社会参加を支援します。 A障害者団体への支援 障害者団体の活動を促進するため、団体の運営費の補助や活動に対する支援を行います。 (2)市民協働の推進 @啓発・広報活動の充実 障害者週間記念事業として実施するイベントをはじめ、障害者が活躍できる場を提供し、多くの市民の参加を促すことで地域における障害理解の促進を図ります。 Aボランティア活動の促進 ボランティア活動に関する情報提供を行うとともに、ボランティアセンター等と連携し、地域ボランティアの活動を支援します。 B地域交流活動の促進 所沢市民フェスティバル等の広く市民が集まるイベントや学校・地域の行事において障害者の参加を促し、障害者施設・団体の活動紹介や体験活動を行うことで、障害や福祉活動への理解を深める取組を進めます。  目標・指標  指標 所沢サン・アビリティーズ*1を利用した障害者数 現状値 平成28年度末 14,422人 目標値 平成32年度末 15,008人 説明:所沢サン・アビリティーズを利用した障害者の人数です。 指標 障害者週間記念事業来場者数 現状値 平成28年度末 いちにちあたり402人 目標値 平成32年度末 いちにちあたり550人 説明:障害者週間記念事業として行う、障害者作品展等のイベントの一日当たりの来場者数です。 障害者週間 障害者基本法は、国民の間に広く共生社会の実現に関する関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化芸術その他あらゆる分野の活動に参加することを促進するため、毎年12月3日から12月9日までの一週間を障害に対する理解促進を図るための期間として定めています。本市においても期間中に障害者の作品展示等を行い、市民に対する障害への理解促進を図っています。 *1。所沢サン・アビリティーズ 障害者の文化、教養、体力の向上を図ることを目的とした施設。館内には、体育室をはじめ、学習・会議に使える研修室、お茶・お花などに利用できる教養文化室、楽器やコーラスの練習ができる音楽室などの設備が整えられている。障害者と健常者の交流を図るコミュニティ活動の拠点として、地域住民も利用できる。 3.自立した生活の支援 所沢市こどもと福祉の未来館内福祉の相談窓口 障害者及び障害児が、住み慣れた地域で日常生活や社会生活を営むことができるよう、身近な場所で気軽に相談できる体制を整備するとともに、生活の援助や福祉サービス等の充実に取り組みます。  これまでの主な取組  所沢市基幹相談支援センターをはじめとする委託相談支援事業所で、障害者の日常生活に関する相談に対応しています。 障害福祉サービス等の提供体制を計画的に整備しています。 重度障害者に対して福祉手当の支給や医療費の助成を行っています。 所沢市自立支援協議会*1の専門部会を中心に、関係者のネットワーク構築や地域課題の解決に向けた協議を行っています。 障害者つうしょ支援事業所とう連絡会において、支援の質の向上のための研修や情報交換を行い、関係機関の連携に努めています。 所沢市こども支援センター(発達支援)において、発達障害に関する相談や子どもの特性に応じた発達支援を行っています。 *1。所沢市自立支援協議会 相談支援事業をはじめとする地域の障害福祉に関するシステムづくりに関し、中核的な役割を果たす定期的な協議の場。障害者総合支援法に設置が規定されており、就労、保健医療、サービス提供事業所、相談支援事業者等により構成されている。  アンケート結果  計画相談支援の利用(障害者を対象としたアンケートから) 計画相談支援については「知らない」が59%で最も多く、「利用したことがある」が23%、「知っているが、利用したことがない」が12%となっており、ケアマネジメントの浸透が不十分であることがわかります。 ず 障害者施策の必要性と満足度(障害者を対象としたアンケートから) 市の17分野の障害者施策について、必要性と満足度を伺ったところ、「障害者の自立生活を支えるサービスや施設の拠点づくりの推進」わ必要性が上から5番目、満足度が下から3番目となっており、取組の強化が求められています。 ず  今後の課題  障害者の地域における自立した生活を支援するために、障害者の生活実態に応じた生活支援を行うとともに、障害者からの相談に適切に対応する相談窓口の充実やケアマネジメントを行う相談支援事業所の周知による利用の促進を図る必要があります。また、障害者の希望に沿ったサービス利用を実現するために、障害福祉計画及び障害児福祉計画に則った福祉サービス等の提供体制の整備や支援者の質の向上が求められています。  今後の方向性  (1)相談支援の充実 @総合的な相談体制の確立 所沢市基幹相談支援センターと委託相談支援事業所において、障害者の身の回りの相談に対応するとともに、発達障害に関する相談、就学・教育相談、就労相談等についても専門的な窓口において対応します。そして、各相談窓口の連携を強化し、ワンストップでの対応を可能にするよう努めます。 Aケアマネジメントの充実 障害者一人ひとりに適切なケアマネジメントを行うため、相談支援専門員によるサービス等利用計画の作成を進めます。また、地域生活に移行する障害者に対して、関係者の連絡調整等の支援を適切に実施します。 (2)自立した生活のための支援の充実 @生活環境の整備 自立した生活を希望する障害者の地域における居住の場であるグループホームの整備や運営の支援を図ります。また、障害者の自立した活動に必要な補装具*1や日常生活用具*2を適切に給付します。 A意思決定支援の推進 知的障害や精神障害等で意思決定に困難を抱える障害者が、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された生活を送ることができるよう、障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインに沿った対応について検討を進めるとともに、障害福祉サービス事業者等に対して周知啓発を図ります。 B経済的自立の促進 障害者が生計を維持し、経済的に自立した生活を送れるよう、福祉手当の支給、移動にかかる費用の補助、重度障害者に対する医療費助成を行います。 *1。補装具 身体の失われた部分や障害のある部分を補い、日常生活や働くことを補助する用具。盲人安全つえ、補聴器、義肢(義手・義足)、車いす、歩行器など。 *2。日常生活用具 特殊寝台、入浴補助用具、ポータブルレコーダー、ファックス、ストマ用装具など、在宅の障害者の日常生活がより円滑に行われるための用具。 (3)福祉サービス等の充実 @障害者向けサービスの充実 障害者が自立した生活を送るために必要な在宅サービスや通所サービスの提供体制を整備するとともに、在宅生活が困難な障害者のニーズに応じ、適切に入所につなげるため、入所支援に努めます。 A 障害児向けサービスの充実 障害児一人ひとりの状況に応じ、障害児の健やかな育成を支援するため、障害児つうしょ支援の提供体制の整備を行うとともに、通所支援事業所等と保育園、幼稚園、学校との連携を図ります。また、医療的ケア児*1が身近な地域で必要な支援を受けられるように、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の連携を図るための協議の場を設けます。 Bサービスの質の向上 所沢市自立支援協議会において、関係者のネットワーク強化を図るとともに、市内の福祉サービス事業者に対して情報提供や研修を行い、サービスの質の向上に努めます。  目標・指標  指標 福祉の総合相談窓口における相談件数 現状値 平成28年度末 695件 目標値 平成32年度末 5,160件 説明:所沢市こどもと福祉の未来館の福祉の相談窓口で対応したすべての相談の合計件数です。現状値は平成29年1月から3月までの合計値です。 指標 所沢市こども支援センター(発達支援)の利用者満足度 現状値 平成28年度末 83.3% 目標値 平成32年度末 100% 説明:所沢市こどもと福祉の未来館2階の所沢市こども支援センター(発達支援)の利用者満足度です。 指標 グループホームの市内整備見込量 現状値 平成28年度末 102人分 目標値 平成32年度末 166人分 説明:市内において共同生活援助(グループホーム)の指定を受けている事業所の定員数の合計です。 *1。医療的ケア児 人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な障害児。 4.保健医療の充実 所沢市歯科診療所あおぞら 障害者が身近な地域で必要な医療やリハビリテーションを受けられるよう、地域医療体制の充実を図ります。 また、保健・医療人材の育成・確保、難病に関する施策、障害の原因となる疾病等の予防・治療に関する施策を推進します。  これまでの主な取組  母子保健対策や乳幼児健康診査等の障害の早期発見・早期対応に向けた取り組みを実施しています。 地域リハビリ交流会を開催し、社会活動への参加を促すとともに、障害者の心身機能の維持・回復に向けた支援を行っています。 じゅうとくな精神障害者に対し、精神科医や看護師、精神保健福祉士等の医療と福祉の専門職で構成されたチームによるアウトリーチ支援事業を実施しています。  アンケート結果  通院状況(障害者を対象としたアンケートから) [障害者]の通院状況については、「月1回以上」がほぼ半数となっているほか、「ここ1年間で通院はしていない」が7%にとどまることから、ほとんどの人が定期的に通院されていることがわかります。 ず 医療面で困っていること(障害者を対象としたアンケートから) 医療面での困りごとについては「障害の進行」を心配する人が最も多く、次いで「交通・移動が不便」、「お金がかかる」、「近くで専門的な治療の受診ができない」ことが挙がっており、身近なところでの保健医療体制の充実が求められています。 ひょう  今後の課題  母子保健対策や各種健康診査、地域リハビリ交流会の開催等により、障害の予防や早期対応に取り組むとともに、健康づくりや健康維持に向けた保健事業についても推進していく必要があります。また、精神障害者の地域生活への移行が進むなかで、関係機関の連携による支援体制を整えていく必要があります。じゅうとくな精神障害者に対する支援のニーズは一層高まると予想されることから、アウトリーチ支援事業についても引き続き実施していく必要があります。  今後の方向性  (1)予防・治療の充実 @障害の予防・早期発見体制の充実 訪問指導、健康診査、健康相談を実施するとともに、妊娠期からの健康管理の向上や乳幼児期の保健指導、定期健康診査の充実を図ります。また、所沢市こども支援センター(発達支援)において、発達障害に関する相談や支援を行います。 A障害の治療・軽減・補完施策の充実 医療機関や福祉施設等と連携し、障害者の社会復帰や社会参加を促進します。また、障害の治療と軽減を図る自立支援医療の適切な利用を促進します。 (2)保健事業の推進 @健康づくりの充実 生活習慣病の予防や疾病に関する正しい理解の促進を図るため、所沢市保健センター等での健康相談、講座や講演会等の健康教育の充実を図ります。また、人間ドックや特定健診、各種がん検診について、利用しやすい環境を整備するための研究を進めます。 A保健事業の充実 障害者の心身機能の回復や当事者及び家族の交流、地域社会での自立と社会活動への参加を促すため、地域リハビリ交流会等の充実を図ります。また、在宅で療養中の人や生活習慣病予防が必要な人に対して、保健師、栄養士、歯科衛生士、理学療法士等が訪問による保健指導を行います。 (3)地域での保健医療体制の充実 @地域医療の充実 医療を必要とする障害者が在宅でも安心して暮らせるように、医師会、歯科医師会、薬剤師会等の関係機関との連携体制の充実と必要な情報の提供に努めます。適切な医療を安定的に提供できるよう、休日や夜間における医療提供体制の充実に努めます。また、障害の特性を踏まえた歯科診療を継続的に実施します。 B 精神保健体制の充実 精神疾患や精神障害者に関する正しい知識や理解の向上のため、こころの健康に関する講座を開催します。また、医師、看護師、精神保健福祉士等の専門職チームが、じゅうとくな精神障害者を対象に訪問型の支援を行うとともに、将来的には各分野の関係者が連携し精神障害者を支える包括的な地域生活支援の構築を目指します。  目標・指標  指標 乳幼児健康診査受診率 現状値 平成28年度末 95.4% 目標値 平成32年度末 99% 説明:市が実施する4か月児・10か月児・1歳6か月児・3歳児の乳幼児健康診査の受診率です。 指標 リハビリ相談(予約制)の相談者数 現状値 平成28年度末 41人 目標値 平成32年度末 45人 説明:疾患などにより身体機能に支障を来し、社会活動を制限されているかたなどに対し、理学療法士が個別に対応する相談者数です。 指標 所沢市歯科診療所あおぞらの利用者満足度 現状値 平成28年度末 なし 目標値 平成32年度末 100% 説明:所沢市保健センター内で歯科診療を行う所沢市歯科診療所あおぞらの障害児者の利用者満足度です。 5.育ちと学びの充実 所沢市立松原学園 就学の前後を問わず、障害児が適切な保育・教育を受けられるよう、環境の整備を進めます。 また、卒業後も含めた一生を通じて、教育やスポーツ、文化芸術等のさまざまな機会に親しむための施策を推進します。  これまでの主な取組  ● 保育園等においては、障害の有無にかかわらず共に生活することで互いに育ち合う取組として混合保育*1を実施しており、平成29年度当初で156人の障害児が入園しています。 ● 平成29年度当初で、特別支援学級を小学校22校と中学校10校に設置し、通級指導教室*2を小学校3校、中学校1校に設置しています。また、特別支援学級等において、心身障害児介助員*3を配置し、児童生徒の学校生活上の介助・支援を行っています。 ● 障害者を対象とした学級講座を実施しているほか、学校外の活動として、平成29年度当初で89人の障害児が放課後児童クラブにかよっています。 *1。混合保育 発達に配慮が必要な児童が、保育園等において、他の児童と共に生活することで、相互の健全な成長発達を促すことを目的とした制度。 *2。通級指導教室 小中学校の通常学級に在籍している心身に軽度の障害がある児童生徒へ、心身の障害に応じた特別の指導を特別な場で行うもの。 *3。心身障害児介助員 小中学校の特別支援学級に在籍する障害のある児童生徒に対して、身辺処理の介助や安全配慮等の介助を行う支援員。  アンケート結果  (18歳未満)本人が困っていること(障害者を対象としたアンケートから) [障害者]18歳未満の障害児が困っていることについて伺ったところ、「専門知識のある先生」や「先生(補助する人)の数」が少ないことや「受け入れてくれるえんや学校が少ない」が多くなっており、専門的な教育が可能な人員配置や 環境の整備が求められています。 ず 障害者との交流や支援に必要なこと(中学生を対象としたアンケートから) [中学生]に障害者との交流や支援に必要なことについて伺ったところ、「出会う機会」や「仲間づくりの機会」、「情報提供」などが挙がっており、今後も障害児とともに学び育つ教育を推進していくことが重要となっています。 ず  今後の課題  本市では、乳幼児期から学齢期にかけて、障害の有無にかかわらず、互いに育ち合う環境づくりを行っています。共生社会の実現に向けて、障害への対応が可能な施設や職員による専門的な教育が求められています。このため、特別支援学級の整備や教職員の理解促進に努めるとともに、支援籍*1学習によって地域の学校との交流を促進する等バランスのよい環境整備を進めていきます。また、サポート手帳*2などの活用により、障害福祉、保育、教育等の関係機関の連携を図り、ライフステージを通じて利用できる学びや交流の場を確保していく必要があります。 *1。支援籍 障害のある児童生徒が必要な学習活動を行うために、在籍する学校または学級以外に置く埼玉県独自の学籍。 *2。サポート手帳 主として、発達障害のあるかたやその家族を対象に、乳幼児期から成人期に至るまで、一貫した支援を受けたり、様々な生活場面で障害の特性を適切に理解してもらうための手帳。  今後の方向性  (1)幼児期における保育・教育の充実 @保育・教育環境の整備 巡回指導や研修により、保育者の知識・技量の向上を図るとともに、保育園、幼稚園と通所支援事業所等の連携に努めていきます。また、民間の保育園、幼稚園等が障害児を受け入れるために職員を雇用する場合の経費の一部を補助します。 (2)インクルーシブ教育システム*1の推進 @ 教育体制の整備 児童生徒・保護者のニーズを見極めながら、特別支援学級や通級指導教室の計画的な設置を検討していきます。特別支援教育支援員*2を配置し、通常の学級において特別な配慮を要する児童生徒に対して支援を行います。また、支援籍学習を拡充し、交流や共同学習を推進するとともに、学校と通所支援事業所等の連携に努めていきます。 A 教育環境の整備 小中学校からの要望に対して、児童生徒の障害に応じた必要な改修を行うとともに、校舎等の増築・改築工事や大規模改修工事に併せて、バリアフリー新法や埼玉県福祉のまちづくり条例に基づきバリアフリー改修を行います。また、研修等を通じて教職員に対する特別支援教育への理解促進を図るとともに、福祉関係機関や地域のボランティアとの連携により、総合的な学習の時間の体験活動等を通して福祉教育の充実を図ります。 *1。インクルーシブ教育システム 人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及びしんたい的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的のもと、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み。 *2。特別支援教育支援員 通常の学級において、特別の配慮を必要とする児童生徒のために、学習活動上のサポートや日常生活の介助を行う支援員。 (3)生涯を通じた多様な学習活動の充実 @学習機会・内容の充実 放課後児童クラブで障害児の受け入れを行うほか、障害児施設(松原学園)と市内保育園の交流を行い、双方の子どもたちがともに成長する機会を設けます。また、生涯学習推進センターや公民館では、学習講座の受け入れ体制等の環境整備や各ライフステージにおける多様な学習活動への支援を推進していきます。  目標・指標  指標 保育園等の障害児保育への補助 現状値 平成28年度末 163件 目標値 平成32年度末 175件 説明:障害児の受け入れに必要な人員体制を整備する民間の保育園等に対する補助の件数です。 指標 個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成する学校の割合 現状値 平成28年度末 91.5% 目標値 平成32年度末 100% 説明:市内の公立小中学校のうち、個別の教育支援計画*1と個別の指導計画*2の両方を作成する学校の割合です。 埼玉県立所沢特別支援学校教職員研修の様子 *1。教育支援計画 一人一人の障害児について、乳幼児期から学校卒業後までの一貫した教育支援内容を記載した長期計画。 *2。指導計画 幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応して、指導目標や指導内容・方法を盛り込んだ指導計画。 6.雇用・就労の促進 就労支援事業所での作業風景 働く意欲のある障害者がその適性に応じて能力を十分に発揮することができるよう、就職から就職後の職場定着に至る一連のプロセスに対する総合的な支援を推進するとともに、民間企業等への働きかけ等により 多様な就業の機会を確保します。また、障害者就労施設等の工賃水準の向上を図る等、福祉的就労の充実に取り組みます。  これまでの主な取組  ところざわ就労支援センターにおいて、就労を希望する障害者に対する就労支援事業を実施しています。 障害者雇用を行う事業者に助成するとともに、障害者雇用に理解のある優良な事業者の表彰を行っています。 障害者の職業安定に向けた連携強化を図るため、就労支援関係機関の職員に所沢市障害者施策推進協議会等の委員を委嘱しています。 民間企業に雇用されることが困難な障害者に対して、障害福祉サービス事業所等の利用機会を提供し、就労機会の確保を図っています。  アンケート結果  (就労希望者)希望する就労形態(障害者を対象としたアンケートから) 今は働いていないが今後働きたい人たちが希望する就労形態として、「企業などで一般就労したい」と「将来の一般就労につながる就労訓練や作業中心の施設」の合計が半数を超えており、多くの人が民間企業等への就職 を希望していることがわかります。 ず 就労支援で重要なこと(障害者を対象としたアンケートから) 障害者の就労支援で重要なことは「周囲の理解」や障害にあった「仕事内容」「勤務条件」となっており、企業等への働きかけを含めた就労支援が求められています。 ず  今後の課題  障害者が自立した生活を営むため、また社会に参加するひとつの手段として、就労の機会を確保し支援することは大変重要です。そこで、市内において障害者雇用を促進するために、障害者を雇用する事業者に対する補助金の交付や職場の理解を促すための支援を充実するとともに、個々の能力や希望に応じた多様な形態による就労を実現できるよう、関係機関との連携により総合的な就労支援に取り組んでいく必要があります。  今後の方向性  (1)雇用・就労の促進 @総合的な就労支援 ところざわ就労支援センターにおいて、企業とのマッチングから職場定着のための支援まで一括して行い、障害者の就労を支援します。そのほか、ところざわ就労支援センターが開催する連絡会議を通じて、障害者雇用・就労に向けた連携体制を構築します。また、所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例に基づき、事業者に対して障害者が働きやすい環境の整備の必要性に関する啓発や情報提供を行い、職場の理解促進に努めます。 A障害者雇用の促進と就業機会の確保 障害者を雇用するための職場環境の整備等を行う事業者に対する助成や障害者雇用促進法に基づく特例子会社*1の設立に対する奨励金の交付を行うとともに、障害者雇用に理解のある優良な事業者を表彰する等、障害者雇用の促進を図ります。また、就労の機会を増やすため、在宅就労のサポートや農業と福祉の連携の研究を行います。 B福祉的就労の充実 民間企業等に雇用されることが困難な障害者に対して、障害福祉サービス事業所や地域活動支援センター*2での生産活動等の福祉的就労の機会を確保するために、市内の環境の充実を図ります。また、障害者優先調達推進法に基づき、市内障害者就労施設からの物品等の優先調達を推進します。 *1。特例子会社 事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる制度。 *2。地域活動支援センター 地域の実情に応じ、創作的活動や生産活動の機会を提供し、社会との交流促進等の便宜を図る施設。  目標・指標  指標 ところざわ就労支援センター登録者の就職者数 現状値 平成28年度末 449人 目標値 平成32年度末 565人 説明:ところざわ就労支援センター登録者のうち、民間企業等に就職した人の人数です。 ところざわ就労支援センター 障害者の就労を総合的に支援する機関として、所沢市こどもと福祉の未来館の福祉の相談窓口内で、民間企業等への一般就労を希望する障害者の就労支援を行っています。 平成32年(2020年)4月完成予定の「ところざわサクラタウン」ないには特例子会社の設置が予定されています。(サクラタウン完成予定図) 7.情報アクセシビリティの向上 手話講習会 障害者が必要な情報にアクセスすることができるよう、障害者に配慮した情報提供を通じて情報アクセシビリティ*1の向上を推進します。あわせて、障害者が円滑に意思表示やコミュニケーションを行うことができるよう、意思疎通支援を担う人材の育成・確保やサービスの利用の促進を通じて意思疎通支援の充実を図ります。  これまでの主な取組  ● 視覚障害者用広報の作成や市ホームページの読み上げへの配慮等、行政が発信する情報のアクセシビリティの向上に取り組んでいます。 ● 各種制度やイベント等の必要な情報を得られるよう、広報紙や市ホームページ等の多様な広報媒体を活用して、わかりやすい情報提供の充実に努めています。 ● 誰もが必要な情報を取得し、意思疎通を図ることができるよう、手話通訳者や要約筆記者の派遣と育成を行っています。 ● 所沢図書館において、書籍等の対面朗読のサービスを行っています。 *1。情報アクセシビリティ 情報の取得や意思疎通に関係する、機器やサービスを円滑に利用できること。  アンケート結果  障害福祉施策の必要性(障害者を対象としたアンケートから) 市の17分野の障害者施策について必要性を伺ったところ、「わかりやすい情報の提供」は上から2番目と高くなっており、優先度の高い施策となっています。 ず (福祉サービス未利用者)その理由(障害者を対象としたアンケートから) 障害福祉サービスを利用していない人にその理由を伺ったところ、「必要を感じない」が最も多いものの、「サービスのことを知らない」や「利用の仕方がわからない」という人もみられることから、情報アクセシビリティの向上に力を入れていく必要があります。 ず  今後の課題  社会福祉法の改正以降、福祉サービスは措置されるものから利用者自らが選び契約するものに変わってきました。利用者が必要なサービスを選択し利用できるよう、必要な情報が過不足なく伝わるような情報提供のあり方が一層重要になっています。また、所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例には、障害者の意思疎通や障害者との情報の授受に関する規定を設けられており、情報面でのアクセシビリティの向上に努めていく必要があります。  今後の方向性  (1)情報提供の充実 @行政情報のアクセシビリティ向上 引き続き、視覚障害者用広報の作成や市ホームページの読み上げへの配慮等、行政が発信する情報のアクセシビリティの向上に取り組みます。また、所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例に基づき、障害者が自ら選択する意思疎通手段を用いるための相談への対応や支援を行います。 A情報提供の充実 引き続き、広報紙や市ホームページ等の多様な広報媒体を活用して、情報提供を行うとともに、わかりやすい情報の発信に努めます。 (2)意思疎通支援の充実 @ コミュニケーション支援体制の充実 聴覚障害者の社会参加や意思疎通を支援するため手話通訳者、要約筆記者の派遣を行うとともに、手話通訳者や要約筆記者の養成講習を実施し、市内の支援体制の充実を図ります。また、視覚障害者に対するコミュニケーション支援として、点訳*1や音訳*2ボランティアの育成を支援します。 *1。点訳 言葉や文字を点字(紙面にとび出した六つの点を組み合わせて判読する文字の符号)に訳すこと。 *2。音訳 文字を音声に訳すことをいい、録音図書を製作すること全体を含めて音訳(音声やく)と言う。  目標・指標  指標 視覚障害者用広報利用者数 現状値 平成28年度末 70人 目標値 平成32年度末 78人 説明:広報紙等のデイジー版(デジタル録音図書)、カセット版、点字版の月間の利用者数の合計です。 指標 所沢市手話通訳・要約筆記派遣事務所の利用件数 現状値 平成28年度末 2,264件 目標値 平成32年度末 2,365件 説明:聴覚障害者への手話通訳者派遣、要約筆記者派遣、電話通訳、来所相談の合計件数です。 8.安心・安全なまちづくり 自主防災活動訓練 障害者が地域で安心して暮らしていくことができるよう、障害者の生活環境における物理的その他の社会的障壁の除去を進めるとともに、災害に強い地域づくりや防犯対策を推進します。  これまでの主な取組  埼玉県福祉のまちづくり条例やユニバーサルデザイン*1の理念に基づき、誰もが暮らしやすいまちづくりを進めています。 駅や公共施設において、障害者用トイレやスロープの設置、乗降場所の段差解消等を進めているほか、狭あい道路の拡幅改良整備や電線地中化による安全な歩道の整備を行っています。 防災ガイド・避難所マップのデイジー版(音声案内版)を作成するとともに、災害時に支援が必要な障害者の情報を集約した避難行動要支援者名簿*2による支援体制の整備や障害者へ配慮した福祉避難所の整備を進めています。 障害者をはじめ市民の安全な暮らしを守るため、地域住民による自主防災組織や自主防犯団体への支援を行っています。 *1。ユニバーサルデザイン 基本的人権の尊重を基本理念として、障害の有無、年齢、性別、国籍、人種などにかかわらず、全ての人が心豊かに暮らせるような社会を創っていこうとする考え方。 *2。避難行動要支援者名簿 障害者や高齢者等、自力での避難が難しい人を事前に把握し、安否確認や避難支援に役立てるための名簿。  アンケート結果  災害時に不安に思うこと(障害者を対象としたアンケートから) [障害者]が災害時に不安に思うことでは、「安全なところまで 迅速に避難できない」や「避難所 の設備や生活環境が不安」が特に 多くなっています。 ず 災害時に自分ができる手助け(市民を対象としたアンケートから) [市民]が災害時に各自ができる手助けについては、「避難の際の声かけ」や「避難の手助け」、「災害が来たことを知らせる」が多くなっており、障害者の不安と市民の手助けをうまく組み合わせて、安心安全の地域づくりに取り組んでいく必要があります。 ず  今後の課題  超高齢社会*1の進展により、高齢者や障害者をはじめ、誰もが利用しやすい福祉のまちづくりやユニバーサルデザインによるまちづくりは一層重要になっています。施設や交通の利便性の向上はもとより、災害時の体制づくりや防犯体制の整備等、ハードとソフトの両面から安心・安全な生活を支えるための支援が求められています。 *1。超高齢社会 高齢化率(総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合)が21%を超える社会。  今後の方向性  (1)総合的な福祉のまちづくりの推進 @福祉のまちづくりの推進 埼玉県福祉のまちづくり条例に基づき、建物等のバリアフリー化を促進するとともに、整備・改修にあたってはユニバーサルデザインを取り入れ、誰もが生活しやすい環境整備に努めます。また、狭あい道路の拡充・拡幅や歩道の整備において、点字ブロックの整備によって、誰もが安心・安全に利用できる歩行空間の確保に努めます。 A住宅環境の整備 入居を希望する障害者に対して市営住宅における抽選倍率の優遇措置を実施するとともに、障害者や高齢者に配慮した整備・改善に努めます。また、賃貸住宅入居希望者に対し賃貸借契約や入居後の生活についての相談支援を行います。 A 移動しやすい環境の整備 鉄道事業者やバス事業者に対してバリアフリー推進の働きかけを行うとともに、駅ボランティアの養成や市内循環バスである ところバスの利便性向上のための路線見直し等に取り組むことにより、移動しやすい環境の整備に努めます。 (2)防災・防犯体制の整備 @ 情報提供の充実 障害者団体の意見を反映し作成した防災ガイド・避難所マップ*1を活用するほか、情報提供を進めていきます。防災行政無線やところざわほっとメール、市ホームページ等、さまざまな手段を通じて、わかりやすい情報の発信に努めます。 *1。避難所マップ 災害時の指定避難場所や主な防災関係機関等の連絡先や場所が記載されている地図。 A 防災体制の整備 避難行動要支援者名簿を更新するとともに、防災備蓄倉庫の整備や、障害者を含む地域住民の防災訓練の実施を支援します。また、福祉避難所*1となる施設で避難訓練を実施し、施設利用者はもとより、指定避難所では生活が困難なかたを受け入れできるような防災体制の整備を進めます。 B災害時の応急体制の整備 市の福祉施設や特別支援学校等と連携し災害時における二次避難所の整備を進めるとともに、災害時の不安を解消するため、緊急時相談窓口や巡回サービス等について引き続き実施体制の整備を進めます。 C防犯体制の充実 街頭キャンペーンや広報活動を通じて地域安全活動への啓発を行うとともに、自主防犯団体の活動を支援します。  目標・指標  指標 駅ボランティア登録者数(延べ人数) 現状値 平成28年度末 2,087人 目標値 平成32年度末 2,500人 説明:鉄道駅等の場所で、身体障害者等が安全で快適に移動できるよう支援を行う駅ボランティアとして登録した人数の合計です。 指標 災害時における福祉避難所施設利用に関する協定締結件数 現状値 平成28年度末 15件 目標値 平成32年度末 18件 説明:指定避難所での避難生活に支障がある障害者等、要配慮者に対応できる福祉避難所の協定締結件数です。 *1。福祉避難所 障害者や高齢者、乳幼児等、避難所での生活において特別な配慮(しんたい的ケアやコミュニケーション支援等)を必要とする人が利用するための避難所。 目標・指標一覧 ひょう 障害者作品展の受賞作品の紹介 平成29年12月1日から8日まで、所沢市役所1階市民ホールにて障害者作品展が開催されました。会場内には、市内の障害者施設の利用者等が作成した絵画や陶芸、工作などの作品が展示され、多くのかたにお越しいただきました。 本書の表紙に掲載している2作品及び本ページに掲載している8作品は、計109点の作品の中から選出されたトコろん賞受賞作品です。 しゃしん 第2節 障害福祉サービス等の目標値・見込量 障害福祉計画と障害児福祉計画においては、障害福祉サービス等の提供体制の整備に関する目標値や福祉サービス等の見込量等を設定しています。 平成30年度から平成32年度までを期間とする障害福祉計画・障害児福祉計画で定める法定事業(障害者総合支援法、児童福祉法)は以下のとおりです。 ず 1.計画の目標値 ここでは、障害福祉サービス等の提供体制を確保する上で必要な取組について、国及び県の方針に従い目標を設定しています。 1 福祉施設の入所者の地域生活への移行 平成28年度末時点で施設に入所している障害者のうち、今後グループホームや一般住宅等に移行する人数を見込み、その上で平成32年度末における地域生活に移行する人数及び移行割合の目標値を設定します。 障害者施設入所者数の削減目標は、平成29年12月まつ現在、市内に入所希望者が40人ほど待機している状況を踏まえ、埼玉県と同様に設定しないこととします。 平成28年度末時点の入所者数 172人 【目標値】地域生活いこうしゃすう 16人 【目標値】地域生活へのいこうわりあい 9.3% 2 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 精神病床からの退院者等について、地域で受け止めて支援を行えるよう、地域包括ケアシステムに精神障害者支援を位置付けることについて協議の場を設置することを目標とします。 【目標値】協議会やその専門部会など保健、医療、福祉関係者による協議の場の設置 平成32年度末までに設置予定 3 地域生活支援拠点等の整備 障害者が市内においてワンストップで切れ目のない支援を受けられる体制を構築するため、地域生活支援拠点*1を整備することを目標とします。 【目標値】地域生活支援拠点の整備 平成32年度末までに整備予定 *1。地域生活支援拠点 障害者の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据え設置される、相談、体験の機会、緊急時の対応等の必要な機能を備えた拠点。 4 福祉施設から一般就労への移行等 @一般就労移行者数 福祉サービス事業所の利用者のうち、就労移行支援事業等を通じて、平成32年度中に一般就労に移行する人の目標値を設定します。 【目標値】平成32年度一般就労いこうしゃすう 27人 【目標値】一般就労いこうの増加割合(平成28年度比) 50% B 就労移行支援事業の利用者数 障害者の民間企業等への就職を促進するため、障害福祉サービスの就労いこうしえんの利用者数に関する目標値を設定します。 【目標値】平成32年度末時点の就労いこうしえん事業利用者数 60人 【目標値】就労いこうしえん事業利用者の増加割合(平成28年度比) 20% B就労移行率が3割以上の事業所数 市内の就労移行支援事業所のうち、民間企業等に就職する利用者の割合が3割以上の事業所の割合について、目標値を設定します。 【目標値】平成32年度末時点の就労いこうりつ3割以上の就労いこうしえん事業所の割合 50% C民間企業等に就職した障害者の職場定着率 民間企業等に就職した障害者の職場定着率について、就労定着支援のサービス開始から1年後以降の目標値を設定します。 【目標値】平成 31年度及び平成 32年度末時点の職場定着率 80% 5 障害児支援の提供体制の整備等 @児童発達支援センターの設置数 地域の中核的な支援施設として、重層的な地域支援体制の構築を目指すため、児童発達支援センター*1を設置することを目標とします。 【目標値】児童発達支援センターの設置数 平成32年度末までに1か所以上 A保育所等訪問支援の体制の構築 障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進するため、保育所等訪問支援*2の事業所を設置することを目標とします。 【目標値】保育所等訪問支援の体制の構築 平成32年度末までに構築 B重症心身障害児を支援する事業所の設置 重症心身障害児(重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している児童)が身近な地域で支援を受けられるよう、重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所と放課後等デイサービス事業所の設置を目標とします。 【目標値】主に重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所の設置数 平成32年度末までに1か所以上 【目標値】主に重症心身障害児を支援する放課後等デイサービス事業所の設置数 平成32年度末までに1か所以上 C医療的ケア児支援のための関係機関の協議の場の設置 医療的ケア児が地域で適切な支援を受けられるように、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場を設けることを目標とします。 【目標値】医療的ケア児が適切な支援を受けられるための関係機関の協議の場の設置数 平成30年度末までに1か所以上 *1。児童発達支援センター 児童福祉法に基づく児童発達支援を行うほか、地域で暮らす障害児やその他家族からの相談、障害児を預かる施設 への援助・助言を併せて行う地域の中核的な療育支援施設。 *2。保育所等訪問支援 保育所などの施設を専門の児童指導員や保育士が訪問することで、障害児が集団生活に適応できるための専門的な支援を行うサービス。 2.福祉サービス等の見込量 1 障害福祉サービス等 ここでは、平成27年度と平成28年度の実績を基に算出した各サービスの月間の利用見込量について記載しています。なお、「なんにんぶん」とは実利用者数を、「なんにんにちぶん」「なん時間」とはそれぞれ延べ利用日数及び延べ利用時間数を示しています。 @訪問系サービス 在宅で生活する障害者に対し、ヘルパーを派遣し身の回りの支援を行うサービスです。  実績  ひょう  見込量  ひょう A日中活動系サービス 就労、訓練、芸術活動等、日中の時間における社会活動や余暇活動等を施設への通所を通じて支援するサービスです。  実績  ひょう  見込量 ひょう B居住系サービス 主に家庭での生活が難しい障害者が支援を受けながら居住する場を提供するサービスです。  実績  ひょう  見込量  ひょう C相談支援 障害福祉サービスを利用するために必要なサービス等利用計画の作成や障害者が地域生活を送る上で必要な連絡調整、助言といった支援を行うサービスです。  実績  ひょう  見込量  ひょう C 障害児つうしょ支援等 心身に障害または発達の遅れがある児童を対象とした障害児つうしょ支援や障害児相談支援等を行う児童福祉法のサービスです。  実績  ひょう  見込量  ひょう 2 地域生活支援事業 障害福祉サービスだけでは支援が不十分な分野に関し、地域特性等を考慮し市町村が柔軟にサービスを提供する事業です。  実績  ひょう  見込量  ひょう 3 障害児の子ども・子育て支援等 障害児の子ども・子育て支援等の利用ニーズを把握し、障害児の受入れ体制の整備を図るものです。  実績    ひょう  見込量    ひょう 第3章 ライフステージを通じた支援 第1節 ライフステージの考え方 1.ライフステージの設定 障害者が地域で安心して自立した生活を送るために、第2章の分野ごとの施策展開に加え、障害者一人ひとりのライフステージに応じた支援をおこなっていくことが必要です。 このため、「1.乳幼児期(主に0歳〜6歳)」、「2.学齢期(主に7歳〜17歳)」、「3.せい壮年期(主に18歳〜64歳)」、「4.高齢期(65歳以上)」の4つのライフステージを設定し、それぞれの年代で必要とされる支援を横断的・重点的に取り組んでいきます。 また、「乳幼児期から学齢期」、「学齢期からせい壮年期」、「せい壮年期から高齢期」等ライフステージの“はざま”では、教育や生活環境の変化やサービス・制度の変化があることから、こうしたライフステージの狭間の時期についても支援していきます。 1.乳幼児期 主に0歳から6歳 乳幼児期から学齢期の狭間 2.学齢期 主に7歳から17歳 学齢期からせい壮年期の狭間 3.せい壮年期 主に18歳から64歳 せい壮年期から高齢期の狭間 4.高齢期 65歳以上 2.求められている支援の考え方 それぞれの年代でどのような支援が求められているかを分析するため、市内の障害者に対して実施したアンケート(本編18ページ)から、市の施策の満足度と必要性の評価を集計し、ライフステージ別に分析しました。 具体的には、第3次所沢市障害者支援計画に掲載した17項目の障害者施策について、満足度と必要性を5段階で評価していただき、満足度と必要性のそれぞれの平均を交点として、4つのエリアに分類しました。 1)最優先改善エリア(必要性が高いが、満足度が低い) 2)改善エリア(必要性は低いが、満足度も低い) 3)重点維持エリア(必要性が高く、満足度も高い) 4)現状維持エリア(必要性が低く、満足度が高い) 各ライフステージ固有の課題を抱える分野について、最優先改善エリアや改善エリアの施策を中心に重点的に取り組んでいく必要があると考えられます。 ず 第2節 ライフステージごとの支援 1.乳幼児期(0歳から6歳)の支援  この年代の特徴  主に0歳〜6歳の就学前までの乳幼児を対象とした乳幼児期は、人格的基礎を形成する重要な時期であるため、この時期の支援が本人の将来に大きく影響することになります。 また、保護者については、子どもの障害の受容が難しい、育児に関する悩みがあるといった、さまざまな問題を抱えています。 このため、この時期には、本人に対してはもちろん、保護者も含めた家族全体に対し支援を行う必要があります。  求められている支援(アンケート結果から)  乳幼児期で優先度の高い施策は、「障害児のための保育・教育の促進」、「わかりやすい情報の提供」、「障害者への理解を深める活動の推進」のほか、「障害の早期発見や対応の促進」「医療費の補助や病院の整備」、「障害者への相談支援の充実」、「通所系の施設サービスの充実」等となっています。 ず  重点的な取組・支援  障害を早期に発見し、支援を開始するため、必要な情報の提供や健康診査等の機会の提供を行います。 また、障害児と保護者が安心して暮らせるよう、保護者支援の充実や相談支援の適切な実施等に取り組みます。 主な施策・事業 母子保健事業 妊娠期からの健康管理の向上や訪問指導、乳幼児健康診査、健康相談等を通じて、母子を支援し、乳幼児の健全な発育・発達を図ります。 発達支援事業 所沢市こども支援センター(発達支援)において、発達障害に関する相談支援や通所支援を行います。また、専門性を生かした巡回支援や啓発活動等の地域支援に取り組みます。 障害児保育の実施 保育園等での混合保育を通じて、障害児の成長・発達を促すことで、個性を伸長する保育を充実します。 乳幼児期から学齢期の狭間の支援 乳幼児期から学齢期に移行すると、一日の長い時間を学校等の家庭以外の場所で過ごすことになります。 そこで、環境の変化によって支援が途切れることのないよう、新たに関わることとなる学校の関係者とこれまで支援に関わってきた福祉等の関係者をつなぎ、協力して支援を行うための連携体制の構築を図ります。 主な施策・事業 教育・医療・福祉等の機関との連携 乳幼児期からの一貫した相談支援を行うために、保育園・幼稚園等の関係機関との連携強化を図ります。 障害児相談支援の推進 障害児の適切な通所サービスの利用に向けて、ケアマネジメントにより、きめ細かく継続的に支援するため、障害児支援利用計画の作成等を進めます。 2.学齢期(7歳から17歳)の支援  この年代の特徴  主に7歳〜17歳の小学生から高校生までの障害児を対象とした学齢期は、集団生活等を通じて知識や技術を身に付け、将来の社会的自立に向けて人格を形成していく、学びと成長の時期です。 このため、障害児や保護者のニーズや状況に応じた適切な教育の実施や地域での活動の充実等、社会参加をするための取組が大切となります。 また、本人の成長に伴い生じる保護者の悩みを解消するため、家族支援も継続して行う必要があります。  求められている支援(アンケート結果から)  学齢期で優先度の高い施策は、「障害児のための保育・教育の促進」、「障害者の働く場所の確保」、「わかりやすい情報の提供」のほか、「障害者の自立生活を支えるサービスや施設の拠点づくりの推進」、「障害者への理解を深める活動の推進」、「通所系の施設サービスの充実」、「障害者への相談支援の充実」等となっています。 ず  重点的な取組・支援  本人が社会に出ていく準備をするために、教育や進路等の心配事に関する相談支援を行うとともに、乳幼児期から引き続き保護者も含めた総合的な支援を行います。 障害児の成長に伴い多様化する個性を尊重し、障害の程度や状態に応じた教育や育ちの場の整備を行っていきます。 主な施策・事業 子どもの相談窓口の周知 発達や成長に心配のある子どもに関する相談に応じます。また、相談内容に応じた各種相談機関や身近な地域で相談支援を行う相談支援事業所の周知について、さまざまな機会を通じて進めていきます。 就学相談・教育相談の実施 学習面や生活面等、子どもの状況をつぶさに見取るとともに、本人や保護者と教育相談をしたり、支援者間でケース会議を開催したり、必要に応じて就学相談や関係機関につなげるなど、適切な支援に努めます。 放課後児童の健全育成 放課後児童クラブで障害児を受け入れるための体制の整備に努めます。 学齢期からせい壮年期の狭間の支援 せい壮年期において、学校生活から地域生活に移行していくに伴い、本人の自立という点をより重視していく必要があります。 このため、本人の意思を引き出すために適切な相談支援を行っていくとともに、意思決定に関する支援を行っていきます。 主な施策・事業 計画相談支援の推進 障害者にとって必要とされる適切なケアマネジメントを実施するため、サービス等利用計画の作成を進めます。 意思決定支援 障害者本人の意思を尊重して支援を行うために、国のガイドラインに沿った対応について検討を進めるとともに、周知啓発を図ります。 3.せい壮年期(18歳から64歳)の支援  この年代の特徴  主に18歳から64歳を対象としたせい壮年期は、社会的・経済的な自立を目指し、広く社会と関わりながら自己実現に向けて人生を歩んでいく時期です。 この時期には、不慮の事故や病気によって障害者となる人や社会に出てから障害に気づく人がいます。突然、障害と向き合うという状況になったとき、今までの生活とのギャップや障害の受容について悩む人も少なくありません。 このため、障害者が自立した地域生活を送るために家庭、就労、余暇活動等のさまざまな場面で、障害特性に応じた支援が重要になります。  求められている支援(アンケート結果から)  せい壮年期で優先度の高い施策は、「障害者の働く場所の確保」、「わかりやすい情報の提供」のほか、「障害者の自立生活を支えるサービスや施設の拠点づくりの推進」、「災害対策や犯罪防止等の体制づくりの推進」、「誰もが利用しやすいまちづくりの推進」、「障害者への相談支援の充実」となっています。 ず  重点的な取組・支援  地域において自立した生活を送るために必要な住環境の整備や生活全般に関する悩みを解消するための総合的な相談支援体制を整備します。 就労等の日中活動や地域におけるイベント等、社会参加を通じて、自己実現のための機会の提供に取り組みます。 主な施策・事業 相談支援事業 障害者やその家族からのさまざまな相談に応じ、適切な助言や障害福祉サービスの利用支援等を行う相談支援事業所を設置します。また、所沢市基幹相談支援センターを中心に市内の相談支援体制の整備を図ります。 就労支援事業 就労が困難な障害者の職業能力の向上、企業とのマッチングから就労後の定着支援まで一貫して行い、障害者就労を総合的に支援します。 グループホームの整備 地域の中で自立した生活を希望する障害者の居住の場として、また地域における生活の拠点としてのグループホームの整備を図ります。 せい壮年期から高齢期の狭間の支援 高齢期に移行し、公的な支援が障害福祉サービスから介護保険サービスに代わることにより本人に不都合が生じないよう、分野間における情報共有や必要に応じて共同で支援を行うことのできる体制の整備に取り組みます。 主な施策・事業 障害福祉と介護保険 との分野間の連携 障害福祉サービスと介護保険サービスの受給資格を重複して有する障害者に対して、必要に応じて各分野の担当者が連携して対応します。また、所沢市自立支援協議会等を通じて分野間の情報共有に努めます。 4.高齢期(65歳以上)の支援  この年代の特徴  65歳以上を対象とした高齢期は、障害の有無に関わらず心や身体に変化が現れる時期です。 このため、新たに生じた問題に対して適切に対処するために相談支援の充実が重要になってきます。 また、障害者が高齢者になることと同様に、介護者である家族が高齢者になるという状況が多く見られます。 このため、障害者本人への支援はもとより、介護者である家族の負担軽減を図るために、相談支援などの支援体制が重要になってきます。  求められている支援(アンケート結果から)  高齢期で優先度の高い施策は、「わかりやすい情報の提供」、「障害者の自立生活を支えるサービスや施設の拠点づくりの推進」、「障害者への理解を深める活動の推進」のほか、「災害対策や犯罪防止などの体制づくりの推進」、「障害者への相談支援の充実」となっています。 ず  重点的な取組・支援  地域における自立した生活を可能な限り継続して送るために、体調や環境の変化から生じるさまざまな問題に対して対応できる相談体制を整備するとともに、安心・安全に暮らすための緊急時への備えの充実を図ります。 また、地域で生きがいをもって生活できるよう、地域交流や社会参加のための機会の提供を行います。 主な施策・事業 総合的な相談窓口 による対応 所沢市こどもと福祉の未来館の福祉の相談窓口において、生活困窮、成年後見等生活全般に関する多種多様な相談に対応します。 災害時における要配慮者支援体制の整備 災害時に障害者や高齢者等の要配慮者の安否確認が地域の中で迅速に行われるための体制整備を、自治会・町内会等地域の協力を得ながら進めます。  65歳以上の福祉サービスの利用関係  65歳以上の障害者については、介護保険サービスにより支援をしていくことになります。しかし、65歳到達以前に障害福祉サービスを利用していた障害者については、介護保険サービスへの移行が本人の不都合とならないよう、障害福祉サービスを併用することができます。 第4章 計画の推進体制 1.関係機関等との連携 障害者が地域で共に生活し活動できる社会を実現するためには、行政による対応だけでなく、ユニバーサルデザインやソーシャルインクルージョン*1の理念に基づいた地域社会の構築に加え、組織や団体、市民の参加と行動が不可欠です。また、障害福祉サービス等の実施にあたっては、市の関係部署が連携して対応することはもちろんのこと、国や県の関係機関、サービス提供事業者などと適切に役割分担し、連携を強化して地域全体での取り組みを進めます。 2.障害者等の参画 この計画は、障害に起因する社会的障壁の除去を通じて共生社会の実現を推進することを目的としているため、障害者をとりまく社会の変化と障害者のニーズの的確な把握に努めながら、施策の推進を図ることも必要です。このため、市民・障害者団体の代表・関係機関の代表等から構成される所沢市障害者施策推進協議会の機能を十分に発揮させるとともに、障害者や障害者団体及び所沢市自立支援協議会と、計画の推進について積極的に意見交換を行います。 *1。ソーシャルインクルージョン 障害者とうを社会から隔離排除するのではなく、社会の中で共に助け合って生きていこうという考え方。 3.計画の達成状況の点検及び評価 市民・事業者・市の協働による計画の着実な推進のために、「PDCAサイクル」に基づき、継続的な改善を図ります。 (1)施策・事業の策定(Plan) 計画に基づく施策の実施に当たり、新たな事業立案や取組手法等を策定します。 (2)施策・事業への取組(Do) 障害者施策は、各分野の担当課が中心となり、その推進と継続的な改善に努めます。 (3)計画の進行状況の点検・評価(Check) 障害者支援計画に掲げる目標や施策の進捗状況の点検については、所沢市障害者施策推進協議会と所沢市自立支援協議会で行い、その意見を踏まえて計画の進行状況の評価を行うとともに推進方策等について検討します。 (4)取組の見直し(Act) 計画に沿った施策等の実施状況の点検結果を踏まえて、取組の見直しを行います。なお、必要に応じて計画の見直しを行います。 ず 資料編  1 所沢市の主な取組 本市では、平成10年の第一次所沢市障害者計画の策定以降、障害者の権利を守り、自立した生活の実現と社会参加の促進を総合的に推進するため、さまざまな施策を実施してきました。これらの施策には、すべての市町村が実施することが義務付けられているものに加え、車いす等の補装具費の自己負担分に対する補助やグループホームを整備する事業者に対する補助、要約筆記者の養成から派遣まで一貫して行う体制の整備など、地域の実情を踏まえ、本市が独自に実施してきたものも含まれています。 これは、本市に、障害者リハビリテーションの中核機関である国立障害者リハビリテーションセンターがあり、市民の障害者への理解が、他市町村に先んじているという地理的特性に基づくものと言っても過言ではありません。 また、最近では、在宅の重度精神障害者に対する精神障害者アウトリーチ支援事業の実施や本市における地域福祉と子育て支援・発達支援のための拠点施設である所沢市こどもと福祉の未来館の設置といった、身近な地域において支援を受けられる体制の充実を図るための先進的な施策を実施しています。 これらの施策を効果的に進めていくためには、障害当事者や支援者の意見を踏まえ、共に取り組んでいくことが必要になりますが、本市では、市の附属機関である所沢市施策推進協議会や市内の支援者等で構成される所沢市自立支援協議会等の機関等と連携し、市全体が一丸となって施策を進めています。 所沢市こどもと福祉の未来館 所沢市こどもと福祉の未来館は、地域福祉の拠点施設である地域福祉センター及び子育て支援・発達支援のための拠点施設であるこども支援センターから構成される複合施設です。3階には所沢市社会福祉協議会が入居しています。 地域福祉センター 地域福祉センターは、地域福祉の拠点として、福祉の相談窓口の設置、地域福祉計画の策定、民生委員・児童委員に対する支援、日本赤十字社(義援金など)に関する事務、施設の貸出等を行っています。中でも福祉の相談窓口では、当市の障害者相談支援体制の中核として、障害者の生活及び就労相談、手話通訳・要約筆記の派遣や、担い手の養成講座の開催を行うほか、生活困窮者への相談支援、成年後見に関する相談等、福祉に関するさまざまな相談に対し、一元的な対応やコーディネートをおこなっています。 所沢市こども支援センター「大地」 地域の子育てを支援する拠点として開設した所沢市こども支援センターでは、子育て支援エリアと発達支援エリアが連携し、子育て家庭の支援を行います。 子育て支援エリア「ルピナス」では、交流施設「ひろば」の運営やところっこ子育てサポート事業(保育園等の利用に関する相談等)をおこなっています。 発達支援エリア「マーガレット」では、発達障害に関する相談や支援を、心理士、言語聴覚士、作業療法士、医師(非常勤)等のスタッフが丁寧におこなっています。 住所:所沢市泉町1861-1 地域福祉センター 電話:2922-2116  FAX 2922-2195 交流施設(ひろば) 電話:2922-2117  FAX 2922-2197 子育てコンシェルジュ 電話:2922-2238 発達支援エリア 電話:2922-2118 2 計画の策定経過 1.検討経過 開催日 会議の名称等 ないよう 平成29年7月3日から6日 社会福祉法人に対するヒアリング 7月7日 障害者団体意見交換 障害者相談員意見交換 7月19日 第1回 所沢市障害者支援計画策定検討委員会 ・策定方針検討 ・策定スケジュール確認 8月2日 第2回 所沢市障害者施策推進協議会 ・計画骨子案検討 10月3日 第2回 所沢市障害者支援計画策定検討委員会 ・けいかく素素案検討 10月11日 第4回 所沢市障害者施策推進協議会 ・けいかく素素案検討 10月23日 第2回 所沢市自立支援協議会定例会 ・けいかく素素案検討 11月15日 第3回 所沢市障害者支援計画策定検討委員会 ・計画素案検討 11月30日 第5回 所沢市障害者施策推進協議会 ・計画素案検討 平成30年1月4日から18日 パブリックコメントの募集 2月13日 第6回 所沢市障害者施策推進協議会 ・パブリックコメントの報告 ・計画案検討 2.所沢市障害者施策推進協議会 (敬称略) しょくめい しょぞく しめい 会長 にほん しゃかいじぎょうだいがく だいがくいん うえむら ひではる 副会長 こくりつしょうがいしゃ りはびりてーしょん せんたー いしわた ひろゆき 委員 ところざわし しょうがいしゃだんたいきょうぎかい いちき あきのり ところざわし しょうがいしゃだんたいきょうぎかい たまつしま たきこ ところざわし しょうがいしゃだんたいきょうぎかい なか しげお ところざわし しょうがいしゃだんたいきょうぎかい きむら さかえ ところざわし しょうがいしゃだんたいきょうぎかい すぎやま きわこ(平成30年1月まで) かすや ひろこ(平成30年2月から) ところざわ・はったつしょうがいじしゃをしえんするかい よつばくらぶ なかしま あきこ しゃかいふくしほうじん ところざわし しゃかいふくしきょうぎかい くらべ ようじ しゃかいふくしほうじん かいせいかい あもう のりこ しゃかいふくしほうじん ふじのみかい わたなべ きよこ しゃかいふくしほうじん ところざわ しいのきかい くまがい まさる ところざわし いしかい いのまた としはる わせだだいがく にんげんかがく がくじゅついん たなか ひでき さいたまけんりつ ところざわ とくべつしえんがっこう たにた えつお ところざわ こうきょうしょくぎょうあんていじょ しぶさわ しゅういち ところざわし じりつしえんきょうぎかい すずき きよこ いっぱんこうぼ とくがわ みつのり いっぱんこうぼ ながもと かずお いっぱんこうぼ かわぞえ てるこ 3.所沢市自立支援協議会 (敬称略) しょくめい しょぞく しめい 会長 しゃかいふくしほうじん ところざわし しゃかいふくしきょうぎかい ところざわしりつ かしのきがくえん すずき きよこ 副会長 さいたまけんりつ ところざわ とくべつしえんがっこう たにた えつお 委員 しゃかいふくしほうじん ところざわし しゃかいふくしきょうぎかい ところざわ しゅうろうしえんせんたー きた あつお ところざわし みんせいいいん・じどういいんれんごうかい こばやし ひでこ ところざわ じどうそうだんじょ ふじせ あきこ ところざわ こうきょうしょくぎょうあんていじょ ふじた のりお きょういく いいんかい がっこうきょういくか(こてさししょうがっこう) すずき ふみ こうれいしゃしえんか みやたけ なつ けんこうづくりしえんか ごとう かおり しょうがいじしゃをまもるところざわれんらくかい くすた ふさお しゃかいふくしほうじん ふじのみかい ところざわがくえん あやべ みゆき いりょうせいきょう さいたませいかつきょうどうくみあい ろうじんほけんしせつ さんとめ のざき ゆうこ こくりつ しょうがいしゃりはびてーしょんせんたー しゅうろういこうしえんか しゅうろうそうだんしつ かぎや さより しゃかいふくしほうじん ゆうきふくしかい とよだ じゅんいち かぶしきがいしゃ りたりこ りたりこわーくすところざわ ふえき ゆみ とくていひえいりかつどうほうじん えがおのたね じどうはったつしえん・ほうかごとうでいさーびす きなこ さくらば けいこ とくていひえいりかつどうほうじん しのひ そうだんしえんせんたー しのひ あおき さなえ とくていひえいりかつどうほうじん えぬぴーおーいずみ そうだんしえんじぎょうしょ いずみ おおかど りゅうじ ほうもん かんごすてーしょん ありすのゆめ こいけ まりこ ところざわし てをつなぐおやのかい すずき きょうこ (次ページに続く) (敬称略) しょくめい しょぞく しめい 委員 しゃかいふくしほうじん ところざわし しゃかいふくし きょうぎかい ところざわしきかんそうだんしえんせんたー うしろ ゆきこ しゃかいふくしほうじん ふじのみかい せいかつしえんるーむ さぽっと おのでら こうじ しゃかいふくしほうじん あんしんかい しょうがいしゃ せいかつしえんせんたー ところざわしあわせのさと おおつ あさこ(平成29年8月まで) ぬまくら ふみこ(平成29年9月から) しゃかいふくしほうじん かいせいかい ちいきせいかつしえんせんたー ぽぷり しのざき まさえ しゃかいふくしほうじん ところざわ しいのきかい ちいきせいかつしえんせんたー ところざわどんぐり こばやし こうじ(平成29年10月まで) いいの さとみ(平成29年11月から) 4.第4次所沢市障害者支援計画策定検討委員会 (敬称略) しょくめい しょぞく しめい 委員長 ふくしぶじちょう きただ ひろし 委員 ふくしそうむかちょう ささき あつし しょうがいふくしかちょう なみき かずと こうれいしゃしえんたんとうさんじ せのう ゆきのり かいごほけんかちょう いのうえ つかさ ちいきふくしせんたーちょう さいとう しんじ こどもせいさくかちょう きし かつみ こどもふくしかちょう いちき ひろみ ほけんいりょうかちょう まえだ ひろこ けんこうかんりかちょう おち みなこ けんこうづくりしえんかちょう のがみ すすむ がっこうきょういくぶじちょうけんかちょう いわま けんいち 3 所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例 1.制定趣旨 障害者差別解消法の基本理念を継承し、障害のある人に対する誤解や偏見など社会さんかを妨げる様々な障壁を取り除き、障害の有無に関わらず、共に支え合い、笑顔でいきいきと地域で自立して生活できる「共生社会」の実現を目指します。 「所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例(以下「条例」という。)」の制定にあたり、障害当事者や市民・事業者20名で構成する「(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会」を組織し、条例素案の策定・検討を行い、本市の障害福祉行政に係る附属機関「所沢市障害者施策推進協議会」において、検討会等から聴取した意見を調整し、条例案を策定しました。 これらの検討・協議により策定した条例案について、パブリックコメント手続を実施するなど、意見をいただくための手続きを行いました。 2.制定経過 開催日 会議の名称等 ないよう 平成28年10月6日 第1回所沢市障害者施策推進協議会 ・スケジュールと制定体制の確認 11月14日 第1回(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会 ・スケジュールと制定体制の確認 ・障害を理由とする差別事例の共有 平成29年1月23日 第2回(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会 ・条例に求めるものについて検討 2月8日 第2回所沢市障害者施策推進協議会 ・条例に求めるものについて検討 2月15日 第3回(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会 ・条例素案検討 3月29日 第3回所沢市障害者施策推進協議会 ・条例素案検討 5月11日 第4回(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会 ・条例素案検討 ・前文検討 5月30日 第1回所沢市障害者施策推進協議会 ・条例素案検討 ・前文検討 7月26日 第5回(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会 ・条例素案検討 ・条例名称検討 8月2日 第2回所沢市障害者施策推進協議会 ・条例素案検討 ・条例名称検討 8月28日 第3回所沢市障害者施策推進協議会 ・条例素案検討 ・条例名称検討 10月10日から10月30日 パブリックコメントの募集 11月30日 第4回所沢市障害者施策推進協議会 ・パブリックコメントの結果報告 ・条例案検討 3.(仮称)所沢市障害者差別解消条例検討会 (敬称略) しょくめい しょぞく しめい 会長 わせだだいがく にんげんかがく がくじゅついん たなか ひでき 委員 ところざわし ちょうかくしょうがいしゃきょうかい なか のりこ しょうがいじしゃをまもる ところざわれんらくかい くすた ふさお じりつせいかつせんたー ところざわ くぼた さおり ところざわし しかくしょうがいしゃ ふくしきょうかい よしだ たけし ところざわし てをつなぐおやのかい もとはし こうたろう ところざわ・はったつしょうがいじしゃをしえんするかい よつばくらぶ ごりえ ようこ ところざわ あおぞらかい おおば えいこ ところざわ しみんせいいいん・じどういいんれんごうかい はしづめ たけし とことこまっぷじっこういいん(OECまるしぇかぶしきがいしゃ) しぶや まさのり こうえきしゃだんほうじん さいたまけん たくちたてもの とりひきぎょうきょうかい ところざわしぶ ふじなが ひろし せいぶてつどうかぶしきがいしゃ やまもと のりゆき さいたまけん たくしーきょうかい ところざわしぶ(ところざわこうつうかぶしきがいしゃ) かとう かずのぶ せいぶばす かぶしきがいしゃ くどう たかあき ところざわ しょうてんがい れんごうかい おざわ まさあき こうえきしゃだんほうじん ところざわせいねんかいぎしょ(べんごしほうじん あるふぁそうごうほうりつじむしょ ぱーとなー) かとう ごうき ところざわしりつ こてさししょうがっこう あらい えみ ところざわし しゅわつうやく・ようやく ひっきはけんじむしょ もりもと ゆうこ てんやくぐるーぷ はなみずき おばた いくこ いっぱんこうぼ しもかわ まさひこ いっぱんこうぼ すずき たかお 4.条文 所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例(平成30年2月19日現在) 目次  前文  第1章 総則(第1条から第3条)  第2章 社会的障壁の除去(第4条から第7条)  第3章 障害のある人の自立及び社会参加のための支援(第8条から第12条)  第4章 障害を理由とする困難又は必要な配慮に関する相談等(第13条から第20条)  第5章 雑則(第21条)  附則 日本国憲法の基本的人権の規定を遵守し、誰もがその人個人として尊重されるとともに、自分の夢や目的の実現を自由に目指すことのできる社会を実現することは、わたしたちの共通した願いです。 しかし、障害のある人にとって利用しにくい建物や設備、交通手段、障害のある人に対する誤解や偏見、あるいは手話等の意思疎通に対する無関心といった様々な社会的障壁により、障害のある人の自立や社会参加が十分に果たされず、障害のある人の権利が侵害されている状況が今なお存在しています。 このため、市民、事業者及び市は、障害の有無にかかわらず、誰もが自らの意思によって、持てる力を存分に発揮し、活躍できる社会を創るために、互いに手を取り合い、歩み寄り、助け合いながら社会的障壁を取り除いていかなければなりません。 わたしたちのまち所沢は、国内外の法整備の流れと連動して、所沢市障害者支援計画、所沢市交通バリアフリー基本構想及び所沢市ユニバーサルデザイン推進基本方針を策定し、障害のある人の自立と社会参加を促すための施策を計画的に実施してきました。 また、障害者リハビリテーションの中核機関である国立障害者リハビリテーションセンターがあり、障害のある人と様々な場面で接する機会が多くあるという背景 から、障害のある人への理解が深く、埼玉県内で初めてとなる障害者就労支援センターの設置、要約筆記者の養成から派遣までの一貫した事業の実施、市の単独実施としては全国初となる在宅の重度精神障害者に対する精神障害者アウトリーチ支援事業の実施といった先進的な取組も行ってきました。 わたしたちは、今後そのような取組を発展させ、障害の有無にかかわらず、誰もが生まれながらに持っている権利の主体として、共に支え合い、認め合い、人と人とのきずなを感じながら、笑顔でいきいきと地域で自立して生活できる「共生社会」の実現を目指し、この条例を制定します。 第1章 総則 (目的) 第1条 この条例は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)の趣旨を踏まえ、障害のある人もない人も共に助け合い、あらゆる社会的障壁を取り除くことで、障害の有無又は意思疎通の形態、手段及び様式にかかわらず、全ての人が個人として尊重され、社会に参加し、共に支え合って暮らしていける共生社会の実現に資することを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1) 障害のある人 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害及び高次脳機能障害を含む。)、難病(治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病をいう。)に起因する障害その他の心身の機能の障害(以下「障害」という。)がある者であって、障害及び社会的障壁により、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。 (2) 社会的障壁 障害のある人にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。 (3) 意思疎通 言語(手話その他の形態の非音声言語を含む。)、文字の表示、点字、触覚を使う方法、拡大文字、利用しやすいマルチメディア並びに筆記、音声、平易な言葉、朗読その他の補助的及び代替的な方法(利用しやすい情報通信機器を含む。)をいう。 (4) 合理的配慮 障害のある人が社会的障壁の除去を必要としていると認識できる場合において、その実施に伴う負担が過重でない範囲で行う社会的障壁の除去をいう。 (5) 自立 第三者の支えを必要とするか否かにかかわらず、自らの人生を自らの意思で選択できる状態をいう。 (6) 市民 障害の有無にかかわらず、市内に居住し、又は通勤し、若しくは通学する者をいう。 (7) 事業者 市内において事業活動を行う者をいう。 (8) 支援者 障害のある人の保護者、養護者その他障害のある人を支援するものをいう。 (基本理念) 第3条 この条例の目的を達成するため、次に掲げる事項を基本理念として定める。 (1) 障害のある人が権利の主体であるという認識のもと、その権利を尊重すること。 (2) 障害に対する理解を深めること。 (3) 障害のある人が、地域において自立して生活できること。 (4) 手話その他の形態の非音声言語が言語であること。 (5) 障害のある人の性別、年齢及び障害の状態に応じた適切な対応を行うこと。 (6) 社会的障壁の除去に当たり、可能な限り、障害のある人の意見を取り入れること。 第2章 社会的障壁の除去 (不利益な取扱いの禁止) 第4条 なんびとも、障害のある人に対して、障害を理由とする不利益な取扱いを正当な理由なくおこなってはならない。 (市の責務) 第5条 市は、次に掲げる施策を推進しなければならない。 (1) 障害のある人が自立した生活を送るために必要な支援 (2) 障害の理解を促進するための周知及び啓発 (3) 障害のある人同士又は障害のある人とない人が交流するための機会の提供 (4) 市の職員及び所沢市立小・中学校の県費負担教職員に対する障害の理解を促進するための研修等の実施 (5) その他必要な取組 2 市は、障害のある人に合理的配慮をしなければならない。 3 市は、市民及び事業者がこの条例に規定する取組をおこなうことができるよう、必要な支援をおこなうものとする。 (市民及び事業者の責務) 第6条 市民及び事業者は、共生社会の実現に必要な施策に対し、市と協力して取り組むよう努めるものとする。 2 市民及び事業者は、障害のある人に合理的配慮をするように努めるものとする。 3 市民及び事業者は、自ら障害に対する理解を深めるよう努めるものとする。 (障害のある人等の役割) 第7条 障害のある人及び支援者は、社会的障壁の除去の適切な実施のため、障害を理由とする困難又は必要な配慮の内容について、配慮しようとするものと共有するよう努めるものとする。 第3章 障害のある人の自立及び社会参加のための支援 (意思疎通) 第8条 なんびとも、意思の疎通を図ることが困難なことにより障害のある人が不利益を被ることがないよう留意するものとする。 2 市は、障害のある人が自ら選択する意思疎通の形態、手段及び様式を自由に利用できるよう、その普及啓発及び利用の拡大を支援するとともに、意思疎通に係る相談への対応及び支援を行うものとする。 3 市及び事業者は、障害のある人に情報を提供し、又は障害のある人から情報を受け取る場合は、合理的配慮をするものとする。 (教育) 第9条 市は、障害のある人が適切な教育を受けられるよう、次に掲げる施策を講じなければならない。 (1) 合理的配慮をするための適切な教育環境の整備 (2) 障害のある人及びその保護者に対する合理的配慮 (3) 障害のある人とない人との交流の機会の創出その他必要な取組 2 市民及び事業者は、前項各号の施策に協力するよう努めるものとする。 (就労支援) 第10条 市は、障害のある人の就労を促進するため、関係機関と連携し、次に掲げる施策を講じなければならない。 (1) 就労に関する相談その他の支援の実施 (2) 事業者に対する、障害のある人が働きやすい環境の整備の必要性に関する周知及び啓発 2 事業者は、障害のある人の就労を促進するため、障害のある人が働きやすい環境の整備に努めるものとする。 (生活環境の整備) 第11条 市は、不特定多数の者の利用に供される建物その他の施設を市が設計し、及び整備する場合は、障害の特性を理解し、障害の特性に応じた必要な配慮をするものとする。 2 市は、不特定多数の者の利用に供される建物その他の施設の管理に当たっては、障害の特性を理解し、障害の特性に応じた必要な配慮をするよう努めるものとする。 3 不特定多数の者の利用に供される建物その他の施設又は公共交通機関を管理する事業者は、障害のある人がこれらの施設等を利用する場合は、合理的配慮をするよう努めるものとする。 (居住場所の確保) 第12条 市は、障害のある人が可能な限り自分の選択した地域で生活できるよう、障害のある人が居住する場所を確保し、居住を継続するために必要な取組を行うよう努めるものとする。 第4章 障害を理由とする困難又は必要な配慮に関する相談等 (相談) 第13条 なんびとも、第2章及び前章の規定に関連する事項について、相談機関(市及び市が委託する相談業務を実施する事業所をいう。以下同じ。)に相談することができる。 2 相談機関は、前項の規定により相談を受けた場合は、必要に応じて次に掲げる対応を行うものとする。 (1) 前項に規定する相談の関係者間の調整 (2) あっせんの申立ての支援 (3) その他必要な助言及び関係機関への取次ぎ (あっせんの申立て) 第14条 障害のある人(市民に限る。以下この条において同じ。)又はその支援者 わ、前条第2項第1号の対応が行われた後も、なお問題が解決されない場合は、市長に対し、市又は事業者を相手方として、その解決のために必要なあっせんの申立てをすることができる。ただし、障害のある人本人の意思に反することが明らかであると認められるときは、その支援者は、申立てをすることができない。 2 前項の申立ては、次の各号のいずれかに該当する場合は、することができない。 (1) 行政不服審査法(平成26年法律第68号)その他の法令に基づく不服申立ての手続をすることができる行政庁の処分であるとき。 (2) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)第74条の5に規定する紛争であるとき。 (3) 申立ての原因となる事実のあった日(継続する行為にあっては、その最後の行為の終了した日)から3年を経過しているものであるとき(その間に申立てをしなかったことにつき正当な理由があるときを除く。)。 (4) 現に犯罪の捜査の対象となっているものであるとき。 (5) その他あっせんの必要がないと認めるとき。 3 市長は、前項第1号又は第2号に該当することにより障害のある人又はその支援者が申立てをすることができない場合は、適切な機関を紹介するものとする。 (あっせんの実施) 第15条 市長は、あっせんの必要があると認める場合は、第18条に定める所沢市社会的障壁の除去に関するあっせん調整委員会(以下この条、第18条第2項及び第19条第1項において「委員会」という。)に対し、あっせん案の作成を求めるものとする。 2 委員会は、前項のあっせん案を作成するに当たり、可能な限り当事者双方の意見を聴取しなければならない。この場合において、委員会は、必要があると認める場合は、当事者その他の審議に必要な者に対し、出席を求めて説明若しくは意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。 3 市長は、委員会が作成したあっせん案を基に、あっせんを行うものとする。 (勧告及び公表) 第16条 市長は、前条第3項の規定によりあっせんを行った場合において、あっせんを受けた者が正当な理由なくそのあっせんに従わないときは、当該あっせんに従うよう勧告することができる。 2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。 (意見陳述の機会の付与) 第17条 市長は、前条第2項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該勧告を受けた者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えるものとする。 (所沢市社会的障壁の除去に関するあっせん調整委員会の設置等) 第18条 この条例の規定に関するあっせん案の作成その他あっせんに関する事項の調整を目的として、所沢市社会的障壁の除去に関するあっせん調整委員会を置く。 2 前項に定める事項のほか、委員会は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第18条に規定する事務を行う協議会と必要な情報交換を行うものとする。 (組織) 第19条 委員会は、委員5人以内で組織する。 2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。 (1) 障害のある人及び支援者 (2) 福祉、法律その他の障害のある人の権利の擁護について優れた識見を有する者 (3) その他市長が必要と認める者 (任期) 第20条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 2 委員は、再任されることができる。 第5章 雑則 (委任) 第21条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 ふそく (施行期日) 1 この条例は、平成30年7月1日から施行する。 (所沢市非常勤の特別職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正) 2 所沢市非常勤の特別職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和43年条例第14号)の一部を次のように改正する。   別表第1障害者施策推進協議会委員の項の次に次のように加える。 社会的障壁の除去に関するあっせん調整委員会委員 日額 7,900円 4 障害児に関する数値一覧 1.手帳所持者等の状況(18歳未満) 身体障害児数(等級別) ※本編8ページ関係 ひょう 知的障害児数(等級別) ※本編10ページ関係 ひょう 精神障害児数(等級別) ※本編12ページ関係 ひょう 埼玉県立の特別支援学校 児童生徒数 ※本編15ページ関係 ひょう 所沢市立の小・中学校の特別支援学級 児童生徒数 ひょう 2.障害福祉サービス等(18歳未満) 訪問系サービス ※本編62ページ関係 実績 ひょう 見込量 ひょう 日中活動系サービス ※本編63ページ、64ページ関係 実績 ひょう 見込量 ひょう 相談支援 ※本編66ページ関係 実績 ひょう 見込量 ひょう 3.地域生活支援事業 実績 ※本編68ページ関係 ひょう 見込量 ※本編69ページ関係 ひょう その他、障害児福祉計画に係る事業 ・障害児支援の提供体制の整備等(本編61ページ参照) ・障害児つうしょ支援等(本編67ページ参照) ・障害児の子ども・子育て支援等(本編70ページ参照) 5 アンケート調査票 1.障害者を対象としたアンケート あんけーとひょう 2.中学生を対象としたアンケート あんけーとひょう 3.市民を対象としたアンケート あんけーとひょう 4.事業所を対象としたアンケート あんけーとひょう 表紙は、障害者週間作品展にて 来場者の方々の投票により選出された作品です 【表表紙】小池 ゆうたさんの作品(「お花いっぱい」) 【うらびょうし】四ノ宮 景さんの作品(「キリンとゾウさん」) イラスト 所沢市イメージマスコット トコろん 第4次所沢市障害者支援計画 (障害者計画 障害福祉計画 障害児福祉計画) 平成30年3月 発行:所沢市福祉部障害福祉課 〒359-8501 埼玉県所沢市並木一丁目1番地の1 TEL 04-2998-9116 FAX 04-2998-1147 E-Mail a9116@cityドットtokorozawaドットlgドットjp URL http //wwwドットcityドットtokorozawaドットsaitamaドットjp/