教育長メッセージ

更新日:2022年7月5日

マスクをはずして生活しよう

 子供たちや若い世代を中心に、「自分の顔を見せるのが恥ずかしい」とか、「マスクをしたままが楽だ」という人が増えています。マスクをつけることは、新型コロナウイルス感染症を防ぐ目的で推奨されておりますが、2年以上のマスク生活の中、自分自身を隠すマスク(仮面)の役割に変わってしまったとしたら問題です。子供たちが素顔で生活することが出来なくなるとしたら、将来に大きな影響を与えるのではないかと心配しています。
 この2年間、知り合った同級生の顔も、日々授業をしてくれている先生の顔も知らないままでいることは、ふつうに考えると正常な状態ではありません。感染症の危険に備えながらも、出来るだけ素顔で生活できることを望んでいます。

小中学生の皆さんへ

  • 熱中症になるような暑い日や、暑さや「息苦しいなあ」と感じる時は、マスクをはずします
  • 登下校はマスクをはずしましょう。
  • 屋外で活動するときや、運動する時にはマスクをはずしましょう。
  • 外遊びや体育の授業、部活動など熱中症の危険も高まります。
  • 体育館での運動中におけるマスク着用も熱中症の危険が高まります。
  • 距離をとって、黙って活動するときは、マスクは必要ありません。
  • 会話がない場面(読書や調べたり考えたりする学習、製作等)時に、マスクは必要ありません。
  • 集会なども、距離をとって会話せず、静かに集まっている時は大丈夫です。
  • 無言で清掃を行う時も、距離がとれていれば、マスクは必要ありません。
  • 屋外では、お互いに手を伸ばしても届かない距離(2m程度)離れていれば、マスクなしで会話をしても構いません。
  • 場に応じてマスクをつけたり、はずしたりしましょう。

先生方へ

  • 引き続き感染症対策はとりつつも、熱中症が心配される時季は特に、マスクをはずさせる指導をお願いします。
  • 先生方が率先して範を示し、マスクをはずせる場面では積極的にはずしましょう。
  • 授業をする際も、工夫して素顔を見せて指導できるように努めてください。
  • マスクをつけること、はずすことの意味を子供たちに理解させてください。
  • マスクの着脱により、いじめが起こらないように、十分配慮してください。
  • マスクをつけたままで生活することのリスクを理解して対応してください。

保護者の皆様へ

  • 引き続き、体調管理を徹底し、感染が疑われる場合は登校を控えさせてください。
  • 発達や成長の観点から「子供のマスク」について考えることも重要だと思います。
  • 心配な場合は、マスクをつけさせて学校生活を送ってもらって構いません。
  • マスクの着脱についてお子さまの思いを受け止めながら、一緒に話し合ってみてください。

地域の皆様へ

  • 様々な事情によりマスクをつけたり、はずしたりしている子供がいることをご理解の上、見守りをお願いします。

(所沢市教育委員会教育長 中島秀行)

教育長雑感  「発達」と「成長」の観点から

 カルチャーパークに大きな滑り台ができたという話を聞いたので、様子を見に出かけました。途中、雑木林を抜ける道を歩きました。森の空気を思いきり吸うと、力が湧いてくるような気がします。雑木林の独特の香りは、木々の発するフィトンチッドの香りだともいわれていますが、心を落ち着かせる効果があるようです。
 しばらく歩くと、滑り台が見えてきました。「思ったより速かった」降りてきた男の子の得意そうな笑顔。ラグビーをしていた子供たちも、練習の合間、「遊ぼう!遊ぼう!」と競って駆け上がっていきました。私の頬も緩みます。虫取りあみと、虫かごを持った親子がやってきました。「クワガタ見つけたよ」。一緒にいた父親と、少し会話をして別れましたが、久しぶりに素顔で普通の会話が出来たことが、何だか新鮮に感じました。
 感染症対策ではじまったマスクの着用ですが、「素顔を見せるのは恥ずかしい」「この方が楽」と自分を隠すために使われだした気がします。コロナが流行る少し前まで、コミュニケーション力の向上とか、自己肯定感とか、自分を押し出していけないと世界の中で活躍できない、といった意見があふれていたのに、マスクをつける習慣がしみついてしまった今は、すっかりなりを潜めてしまった感があります。
 マスクについては、熱中症のリスクで語られることが多いですが、子供について言えば「発達」や「成長」という観点で、様々な問題が起こることが危惧されます。例えば、人を認知し感情を読み取る能力がその一つです。幼児は、トップヘビー図形と呼ばれる、両目と口の逆三角形で人の顔を認識し、相手の感情を読み取ったりしますが、子供のうちに多くの表情と触れあうことが大切なのは言うまでもありません。今や、家族を除いて、素顔に出会えるのは、TVやアニメの中の人物ばかりになってしまいました。生身の人間よりバーチャルな「人」に強くひかれるようにならないか…杞憂であればいいのですが。
 嗅覚も同様です。嗅覚は五感の中でも、もっとも危険を察知する機能に長けていて、食欲や覇気にも影響を及ぼす大事な感覚ですが、20歳をピークに衰えていくとも言われます。若いうちに鍛えておく必要がありますが、マスクは嗅覚を阻害します。話題になっていませんが、とても心配なところです。また、今までも人は様々な病原菌にさらされて生活していますが、そのことによって、徐々に自己免疫力もついていきます。マスクで、病原菌を排除しすぎることで、本来は自然に培われていくはずの自己免疫力が弱くなり、大人になって、ちょっとした病原菌にも耐性がなくなる恐れもあります。
 緊張した時、よし頑張ろうと思った時、心を落ち着かせようと思った時、私たちは深呼吸をします。子供たちには、外の空気を思い切り体に取り込むこと、季節の香りを感じること、人の喜怒哀楽を表情で確かめることをもっと経験してほしいと願っています。多少の感染症にも戦える、強い体に育ってほしいとも思っています。マスクの問題は、感染予防と熱中症の問題として語られていますが、殊に成長の過程にある子供たちにとっては、心や体の発達や成長の問題として、もっと議論されてもいいのではないでしょうか。


(所沢市教育委員会教育長 中島秀行)


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