身近な人を自死で亡くすことについて
更新日:2024年8月9日
身近な人の自殺(自死)を経験している人は非常に多く、中高年男女の4人に1人とも言われ、誰もが自死遺族になる可能性があります。
自死遺族は社会的支援の不足や無配慮な周囲の対応によって、二次的な苦しみを受けやすく、心理的にも社会的にも孤立することがあります。また、日常生活上の困難、残された借金、子どもの養育等の、保健医療、心理、福祉、経済、法律等に関わる多様な問題を抱えています。
自死遺族の状況
- 突然遭遇する衝撃的な死別体験のためパニック状態に陥りやすい。
 - 睡眠障害(寝れない、断眠、早朝覚醒、悪夢など)
 - 食欲の不振。体重の過度の減少など身体の不調。
 - 家庭内や親族間の関係に亀裂が入る。
 - 警察の尋問から始まり、さらに親族や近隣者等からの非難や中傷を受けることがある。
 - 行政や相談窓口での不適切な対応に傷つくことがある。
 
自死遺族の心理
- 罪の意識・罪責感、「自分が相手を死なせた」「もっとこうしていれば・・」。
 - 自死した人への怒りの感情が起こる。「なぜ自分を残して死んでしまったのか」。
 - 頭がまっしろ、自分が自分で無い感じ。
 - 時間が止まったように感じる。
 
この他にも、希死念慮(死にたい気持ち)やフラッシュバック(その当時の光景が突然思い出される)など、さまざまな心理状態になります。
このような状態は決して異常なことではなく、誰にでも起こる可能性があります。
周囲の対応
- 遺族の悲しみを異常視しない。
 - 安易な慰めや励ましをしない。
 - 押し付けがましいアドバイスをしない。
 - 「気持はよく分る、理解できる」などと安易に言わない。
 - 無理に聞き出さない。
 - 秘密を守ること。
 - 遺族の悲しみは時間が解決することはありません。何カ月が過ぎても悲しみを抱え続けています。同じ話しであっても同じように聞くことが大切です。
 - 安心して本音で語れる雰囲気づくりが大切です。
 
自死遺族が言ってほしい言葉
- 私に何かできることがあれば言ってください。
 - 何もできませんが、もしよろしかったら、ただそばにいてあげることぐらいはできます。
 - 愚痴でも何でも言ってください。
 - 本当にご苦労様でした。ゆっくりお休みください。
 - 楽しかったときの思い出を聞かせてください。
 
言ってほしくない言葉
- 悲しいことは早く忘れなさい。
 - 時がすべてを癒します。
 - 泣いてはダメ、頑張りなさい。
 - もっと不幸な死に方の人もいる。あなたは良いほうだ。
 - 運命だと思ってあきらめましょう。
 - 長い間、苦しまなくて良かった。
 
自死した人への想い
- 自死した人たちは、いのちを粗末にし、好き好んで身勝手に亡くなったのではありません。
 - 健康問題や経済的問題、対人関係の亀裂、過度の過労などの理由で、やむにやまれず、死に至ったと考えられます。
 - 自死した人はその人なりに精一杯生きました。だから敗北者でもなく、偏見をもたれる理由はありません。
 - 自死した人は、繊細、純粋、心やさしい人たちで、死ぬまで精一杯努力しまじめに生きました。そのことを肯定的に評価したいのです。
 - また人間の評価は、最後の死に方がすべてではありません。それまでその人が歩んできた、在りし日の「いのち」のあり様すべてが、もっとも大切なことだと考えます。
 - したがって、自死した人の人格をいたずらに批判、中傷、攻撃するような社会的風潮は、彼らの尊厳を傷つけることになるので変えていかなくてはなりません。しかし、いたずらにその行為を美化することは、決して良くないと考えます。
 
自死の問題から見える、生きやすい社会とは。
- 誰もがひとりで淋しさを抱えず、孤立しない社会。
 - 失敗が許される社会。
 - 効率優先だけでなく、ゆっくりした生き方も認められる社会。
 - 破産宣告を受けても、人生をやり直せる社会。
 - 困ったときに、気軽に周りに助けを求められる社会。
 - 病いや介護等では、時に人に迷惑をかけ世話になっても良い社会。
 - みんな違って良い、その人らしくて良い社会。
 
関連情報
自死遺族のつどい、わかちあいの会ところざわ
「生き心地の良い社会」を目指し、自死遺族支援に関する様々な情報を発信しています。
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