すべての人の人権が尊重される社会をめざして

更新日:2026年1月5日

人権とは

人権とは、誰もが生まれながらに持っている、人間らしく豊かに生きる権利で、日本国憲法において保障されています。
私たちは毎日のくらしの中で多くの人たちと関わり合いをもって生きています。その中で、一人ひとりが自分らしく生き、そして他の人たちとともにみんなが幸せに生きていくためには、お互いの個性を尊重し、認め合うことが大切です。

身の回りの人権問題

「人権」は難しいものではなく、だれでも心で理解し、感じることができるものです。
しかし現実の社会では、パートナーからの暴力によって身体や心に深い傷を受けることや、保護者からの虐待によって子どもの命が奪われるなど、さまざまな事件が起きています。
高齢だから、障害があるから、同和地区出身者だから、外国人だからということで差別を受けたり、ハンセン病に対する誤った認識や偏見により、現在でも故郷に帰ることができない方もいます。
どれも悲しく痛ましい人権問題であり、私たち一人ひとりが人権問題の解決に向けて協力していくことが必要です。
私たちに身近な人権問題として次のものがあります。

女性の人権

女性というだけで社会参加や就職の機会が奪われることはあってはなりません。
また、女性を、パートナーからの暴力、性的な嫌がらせ、ストーカーなどから守る必要があります。
しかし、現実には今なお、例えば、「男は仕事、女は家庭」といった男女の役割を固定的にとらえる意識が社会に根強く残っており、このことが家庭や職場において様々な男女差別を生む原因となっています。
女性と男性が対等の立場で協力し合えるよう、この問題についての関心と理解を深めていくことが大切です。

子どもの人権

いじめ、親の養育放棄、体罰、児童ポルノの問題など、子どもが被害者である痛ましい事件があとを絶ちません。
子どもの人権については、国連総会で子どもの人権や自由を尊重し、子どもに対する保護と援助を進めることを目的とした「児童の権利に関する条約」が採択され、日本もこの条約を批准しました。子どもも一人の人間として最大限に尊重され、守られなければなりません。
子どもの人権についての関心と理解を深めていくことが大切です。

高齢者の人権

いまや人口の約3人に1人が65歳以上の高齢者という状況の中で、高齢者に対する就職差別、介護者による身体的・心理的虐待や、高齢者の家族等が本人に無断でその財産を処分するなどの経済的虐待、さらには、高齢者に対する悪質な訪問販売や特殊詐欺といった犯罪など、大きな社会問題が発生しています。
高齢者が生き生きと暮らせる社会にするため、高齢者に対する理解、大切にする心を育てる必要があります。

障害のある人の人権

障害のある人を含むすべての人々にとって住みよい平等な社会づくりを進めていくためには、社会のすべての人々が障害のある人に対して十分に理解し、障害を理由とする不当な差別的取り扱いを禁止するとともに、合理的配慮の提供をしていくことが必要です。
車いす利用者への乗車拒否やアパートへの入居を拒否される事案が発生するなど、障害のある人に対する国民の理解や配慮はいまだ十分でなく、その結果として障害のある人の自立と社会参加が阻まれています。
障害のある人と障害のない人とが対等に生活し活動できる社会にするため、この問題についての関心と理解を深めていくことが大切です。

同和問題

同和問題は、日本社会の歴史的過程で形成された身分差別により、日本国民の一部の人々が、長い間、経済的、社会的、文化的に低い状態におかれることを強いられ、今なお、日常生活の上でいろいろな差別を受けるなど、我が国固有の人権問題です。
この問題の解決を図るために、国や地方公共団体で、昭和44年以来、特別措置法に基づき、地域改善対策を行った結果、同和地区の劣悪な環境に対する物的な基盤整備は成果を上げ、一般地区との格差は大きく改善されました。
しかし、結婚や就職問題を中心とする差別事案はいまだにあとを絶たず、同和問題の解決に向け、正しい理解や差別をなくしていく必要があります。

アイヌの人々の人権

アイヌの人々は、固有の言語や伝統的な儀式・祭事など、独自の豊かな文化を持っていますが、今日では、その文化の十分な保存・伝承が図られているとは言い難い状況にあります。特に、アイヌの伝統などを担う人々の高齢化が進み、これらを次の世代に継承していく上での重要な基盤が失われつつあります。
また、アイヌの人々に対する理解が十分ではないため、就職や結婚などにおいて偏見や差別が依然として存在しています。アイヌの人々の歴史、文化、伝統及び現状に関する認識と理解を深めていくことが大切です。

外国人の人権

日本で生活する外国人が急激に増え、言語、宗教、習慣等の違いから、外国人をめぐる様々な人権問題が発生しています。
例えば、外国人に対する就職差別、アパートやマンションへの入居拒否などの事案です。また近年では、特定の民族や国籍の人々を排斥する趣旨の差別的言動である「ヘイトスピーチ」が大きな社会問題となっています。文化等の多様性を認め、これらを尊重することが重要であるとの認識を深めていくことが大切です。

HIV感染者やハンセン病患者等の人権

エイズウィルス(HIV)やハンセン病などの感染症に対する正しい知識と理解不足から、これらの感染症にかかった患者・回復者などが、周囲の人々の誤った知識や偏見などにより、日常生活、職場、医療現場などで差別やプライバシー侵害などを受ける問題が起きています。
エイズウィルス(HIV)は、性的接触に留意すれば、日常生活で感染する可能性はほとんどありません。
ハンセン病は、らい菌という細菌による感染症ですが、感染したとしても発病することは極めてまれで、しかも、万一発病しても、早期治療により後遺症も残りません。
感染症に対する正しい知識と認識を持ち、偏見や差別をなくすことが大切です。

刑を終えて出所した人の人権

刑を終えて出所した人やその家族に対する根強い偏見により、就職差別や住居等の確保の困難などの人権問題が発生しており、刑を終えて出所した人が更生するためには、本人の強い意欲はもとより、周囲の人々の理解と協力が重要です。この問題についての関心と理解を深めていくことが大切です。

犯罪被害者とその家族の人権

犯罪被害者やその家族の人権問題に対する社会的関心が大きな高まりを見せています。
犯罪被害者やその家族の人たちは、犯罪そのものやその後遺症によって精神的、経済的に苦しんでいるにもかかわらず、追い打ちを掛けるように、興味本位のうわさや心ない中傷などにより名誉が傷つけられたり、私生活の平穏が脅かされるなどの二次的な被害を受けることがあります。
犯罪被害者とその家族の人権に配慮することが必要です。

インターネットを悪用した人権侵害

パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの普及により、その匿名性や情報発信の容易さから、個人の名誉を侵害したり、差別を助長する表現や有害な情報の掲載などの人権問題が発生しています。インターネットでは、いったん掲示板などに書き込まれた情報はすぐに広まってしまい、ネット上から完全に消すことは容易ではありません。インターネットを正しく使用し、個人の名誉をはじめとする人権に関する正しい理解を深めていくことが大切です。

北朝鮮当局による拉致問題

1970年代から1980年代にかけて、多くの日本人が不自然な形でその消息を絶ちましたが、これらの事件の多くには、北朝鮮による拉致の疑いが持たれています。
拉致問題の解決には、被害者や御家族の早期帰国を願う思いを忘れることなく、解決を望む国民の強い意志を北朝鮮に伝えていくことが大切です。

災害時における人権への配慮

平成23年3月11日に発生した東日本大震災をはじめ、日本各地で地震や豪雨による被害が多発しています。被害が大きくなると、多くの人が避難生活を余儀なくされてしまいます。
多くの人が訪れる避難所において、プライバシーが保護されないという問題のほかに、高齢者や障害のある人、子ども、外国人などのいわゆる「要配慮者」や女性などに対し、避難生活における配慮が求められています。
自然災害はいつ起きるかわかりません。日頃から人権に配慮した支援体制や、困った人がいたら助け合う共助を高める地域コミュニティづくりが大切です。

性的指向・性自認(LGBTQの人権)

性的指向は、恋愛や性的な関心がどの性別に向くか、向かないか、ということを示す概念で、異性愛、同性愛、両性愛など、さまざまな形があります。
性自認は、自分の性別をどのように認識しているか、ということを示す概念です。必ずしも男女に当てはまらない場合もあります。
この性的指向、性自認は誰もが関係する、大切な性のあり方です。お互いに個人の性を尊重し、偏見や差別をなくすことが必要です。

さまざまな人権問題

このほかにもホームレスに対する偏見や差別、ケアラー・ヤングケアラー、依存症、引きこもりに関する人権問題なども発生しています。

人は一人で生きているわけではありません。だからこそ、私たち一人ひとりが、日常生活の中で常に人権に対する正しい知識と人権を尊重する意識を持ち、互いに相手を思いやる気持ちを持つことが大切です。
誰もが幸せに暮らせるよう、家庭や職場、地域社会、学校生活の中で、差別や偏見をなくし、人権に関する正しい理解を深め、人権を尊重する社会を築きましょう。

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