尺八(保持者:善養寺惠介氏)
更新日:2025年10月10日
重要無形文化財「尺八」
尺八は竹製縦吹きの管楽器の一種です。息遣い、指遣い、首の操作などによって様々な音色、音の強弱や揺れなどを作り出し、精神性をも感じさせる表現を創出します。尺八本曲の演奏に加え、箏や三絃との合奏も行われ、日本伝統音楽の一つとして特色を発揮しています。尺八は、芸術上特に価値が高く、我が国の音楽史上特に重要な地位を占めるものです。
尺八は、令和4年10月31日に重要無形文化財に指定され、現在保持者として野村正也(芸名 野村峰山)氏が認定されています。現保持者に加えて、善養寺惠介氏が保持者として「追加認定」されました。
保持者:善養寺惠介氏
善養寺惠介氏は、各地に伝わる尺八古典本曲の集成を行った根笹派錦風流の神如道の門人であった父から、6歳より尺八の手ほどきを受け、さらに岡崎自修、岡本竹外、神如正に師事して尺八古典本曲の取得に努めました。昭和59年、東京芸術大学音楽学部邦楽科に入学して後は、大学及び大学院を通して琴古流の山口五郎(平成4年重要無形文化財「尺八」(各個認定)保持者)に師事して芸域を広げました。大学院を修了した平成2年には第11回舞踊・邦楽公演「明日をになう新進の舞踊・邦楽鑑賞会」(国立劇場主催)に出演するなど、同人の確かな演奏には早くから信頼が寄せられました。以降、今日に至るまで研鑽に励み、意欲的に演奏活動を展開し、尺八古典本曲に本格的に取り組む数少ない演奏家として、斯界において重要な地位を占め、活躍しています。
尺八の吹奏を修行とみなす虚無僧尺八を原点とする同人は、尺八古典本曲において求道的な音作りを行い、虚無僧尺八が追求する深い精神性を高度な演奏技法によって表現して高く評価されています。また箏、三絃とのいわゆる三曲合奏では曲趣を捉えた音色と調和のとれた吹奏により優れた演奏成果を示し、地歌箏曲演奏者からの信頼も厚い。このような同人の演奏に対しては、平成29年度(第72回)文化庁芸術祭(音楽部門)対象や平成29年度(第68回)芸術選奨音楽部門文部科学大臣賞、紫綬褒章等が贈られています。
また、自身の弟子を指導するほか、東京芸術大学等において非常勤講師を務めるなど、斯界の発展や後進の指導・育成に尽力しています。
以上のように、同人は尺八の技法を正しく体得し、かつ、これに精通するとともに、その技法を高度に体現しています。
【認定年月日】令和7年10月10日
善養寺惠介氏(文化庁提供)
演奏中の善養寺氏(文化庁提供)
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