森の人気者フクロウ【ふれあいの里だより(平成31年1月号)】

更新日:2019年1月1日

いたるところで目にするフクロウグッズ。これほどいろんなものが作られていてなじみの深い野鳥はいないのではないでしょうか。
でも自然の中で生きているフクロウを目にしたことがある人はそう多くはないことでしょう。
フクロウは北海道、本州、四国、九州の平地から山地の林や農耕地、草原などに1年中いる留鳥で、単独かペアで行動します。大きな木の樹洞などで棲んでいるため古木のある神社や公園などで見られることがあるものの、大木が減ってきたこともあり近年数を減らしています。
全長約50センチで雌雄同色ですが、幼鳥は全体が白っぽい羽毛で覆われています。
フクロウは猛禽類で、主にねずみを食べます。このことから農耕地の守り神とも言われてきました。夜行性なので夜の狩人、風貌から森の物知り博士、森の賢人とも呼ばれます。ギリシャ神話でもフクロウは知恵の女神アテーナーの象徴とされることから知恵の神とされることが多くあります。樹上で待ち伏せ、音もなく飛び獲物を捕らえるところから森の忍者とも…。名前の多さからも古くから親しまれてきたことがうかがえます。
人間と同じように顔の前面に目が二つ並んでいて、目の横に耳がありますが羽毛に覆われていて見えません。大きな眼球は暗闇でもよく見え、聴覚も発達していて左右の耳により音で獲物の位置を正確に知ることが出来ます。首は左右に約180度回り、身体を動かさずに360度近く見まわすことが出来るのです。丸く平べったい顔はパラボラアンテナのような音を集める役目を果たし、狩りに一役買っています。
足の指は前後に2本ずつに分かれ獲物をしっかりつかむことが出来、握る力も強く絞め殺すことも出来ます。
夕方から活動を始め、昼間は枝の上や樹洞で目を閉じてほとんど動かないことが多く、そばにいても気づかないかもしれません。ただ、夜に餌が十分とれなかった時などは昼間も活動します。
2月ころから営巣地の近くで「ホッホ ゴロスケホッホ」と雌雄で鳴き交わすようになりますが、メスの声のほうが濁っています。時には「ギャッ」と悲鳴のような声や、低い犬のような声も出します。この鳴き声から不吉な鳥とも言われ、日本と中国では母親を食べて育つと考えられていたことから不幸鳥の異名もあります。
本名のフクロウは、毛が膨れた鳥、鳴き声、昼隠居(ひるかくろふ)からついたなどの説があります。
新しい年の初めとしては『不苦労』『福老』の縁起物として使われる和名もご紹介させていただきます。
北の国から渡ってきたり山などから移動してきたりした冬鳥たち。一番乗りはジョウビタキ、次いでアオジやルリビタキもやってきました。野鳥観察に絶好の時期はもうしばらく続きます。
春の七草のひとつコハコベは早くも花を咲かせ始めるものがあります。木々の冬芽も個性豊かな表情で冬を越しています。
1月6日は部分日食が日本中で観測できます。東京では午前8時43分に欠け始め、午前10時6分に最大(欠ける面積30パーセント)、午前11時36分に終わります。
冬本番となりますが、暦の上では春が始まっています。陽ざしに春の兆しが感じられるようになってくる初春です。
夫婦のきずなが深いとされるフクロウ。今年も同じペアで新しい恋が始まるかのように鳴きかわし始めるのもまもなくです。「今年もよろしくね。」と言うかのように。

お問い合わせ

埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里センター

郵便番号359-1133 所沢市荒幡782番地
西武狭山線 下山口駅 徒歩約15分
電話:04‐2939‐9412

休館日

月曜、祝日の翌日(その日が休日の場合を除く)、12月29日から1月3日

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