三ヶ島葭子の短歌

更新日:2024年2月4日

 三ヶ島葭子(明治19年から昭和2年)は40歳の生涯に6,000首以上の短歌を詠みました。その中から年代を追って10首をご紹介します。

浪漫的作品 「女子文壇」「スバル」「青鞜」等に掲載

 小宮小学校教員時代(明治41年から大正3年)
 ・明治42年「新詩社」入社
 ・明治45年「青鞜」入社
 
あめつちのあらゆるものにことよせて歌ひつくさばゆるされむかも
寂しさを歌ふ人なくなりし時ろをまの国は亡びしときく
君を見ん明日の心に先だちぬ夕雲赤き夏のよろこび

 ・大正3年 小学校退職・結婚・出産

何よりもわが子のむつき乾けるがうれしき身なり春の日あたり
病めば子のやしなひがたく人のゐる湯ぶねの中に涙おとしぬ

写生・描写的作品「アララギ」「日光」「少女号」等に掲載

 ・大正5年  「青鞜」終刊、「アララギ」入会
 ・大正10年 歌集『吾木香』出版、「アララギ」を離れる
 ・大正13年 「日光」同人

百姓が車に積みて売りに来し漬菜を買へば氷こぼるる
ふるさとの吾児を見にゆく汽車の銭つくるとこの日ぬひとりす我は
わが家のまうへをとほる飛行船大いなるもの空をゆくかも

晩年の境地

この夕べ窓の板戸にはずみたるそのごむ毬は大きくあらん
紙に吐きし啖赤からずわが窓にあたる障子の日かげのしづけさ

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