所沢の祭り

更新日:2022年12月21日

『ところざわ歴史物語』
154から155ページ(6章2節「祭りと信仰」・6章3節「岩崎の簓獅子舞」・6章4節「重松流祭り囃子と山車まつり」)/166ページ 6章付図「行事・まつりカレンダー」/74から75ページ 3章19節「村から出た芸能人・刀工」に掲載

神社や寺院などで季節季節におこなわれる祭りは、身体の安全や豊作を祈るだけでなく、生活の節目として暮らしに深いかかわりを持っていました。日々の農作業が休みになる日として、また普段は食べることのできない特定の行事食を口にできる日として、昔の人は祭りを心待ちにしていました。

吾妻地区水天宮の初水天宮、小手指地区北野天神社の春の大祭など、近在だけでなく遠くからも人を集めたお祭りもありました。また、夏の暑い盛りにおこなわれる天王様の祭りは、はやり病を避けるご利益のほか、農作業の節目を示すお祭りでもあったのです。

民俗芸能として知られたお祭りに、山口地区瑞岩寺でおこなわれる「岩崎の簓獅子舞ささらししまい」があります。2匹の牡獅子と1匹の牝獅子が登場し、舞の中でひとつのストーリーが表現されます。毎年10月の第二土曜日に開催されます。

同じ頃か、やや早い10月の上旬に、所沢の中心市街地、いわゆる旧町地区で山車まつりが盛大におこなわれます。現在では「ところざわまつり」と呼ばれ、元町、有楽町など各町内の山車が引き出されて盛観を競います。山車の上ではにぎやかに祭り囃子が演奏され、夕刻ともなれば山車のちょうちんに灯りがともされて、情緒あふれる風景を楽しむことができます。

この祭り囃子にはいくつもの流派がありますが、所沢でもっとも盛んなものは「重松流」と呼ばれる流派です。重松流は「じゅうまりゅう」と読み、江戸時代後半の所沢の人、古谷重松ふるやじゅうまつが最初に編み出したためこのように呼ばれています。人の名前は「じゅうまつ」ですが、お囃子の読み方は「じゅうま」です。
幕末から明治にかけて、所沢を中心とする入間・多摩地方に大いに広まりました。市の無形民俗文化財に指定されたことをきっかけに、昭和42年「重松流祭囃子保存会」が結成されました。こうした保存会を中心に、現在も技の伝承は熱心におこなわれています。

※「まつりばやし」の書き方については、市の無形民俗文化財の指定は「祭ばやし」、保存会の名称は「祭囃子」という表記を用いています。この2点について書かれている部分を除き、『ところざわ歴史物語』では『所沢市史 民俗』に合わせて「祭り囃子」に統一しています。

  • もうすこしくわしく

『所沢市史 民俗』229ページから・655ページから・675ページ 「祭り囃子」
『所沢市史 文化財・植物』179ページ 「重松流祭ばやし」など

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