三上 文筌 筆 富士巻狩図大絵馬

更新日:2017年12月7日

 富士巻狩図は、縦114.8センチメートル×横182.4センチメートルの大きさで、源 頼朝が富士山麓で催した巻狩の様子を、桐の板材に岩絵具で描いた大きな絵馬です。
 騎馬で弓矢をかまえる者や徒歩で薙刀を持つ者、太鼓をたたいている勢子と犬、追い詰められて逃げまどう鹿・猪・兎など、大勢の人物と獲物が雄大な富士山を背景にして、克明に描写されています。人物や動物は小さいながらも、細かい筆致で顔の表情や動作を写実的に表現しています。絵具の剥落はありますが、比較的保存状態もよく、色彩も綺麗です。
 三上文筌みかみぶんせんは、文政元年(1818年)頃、所沢村下宿したじゅく(現在の所沢市御幸町)に生まれました。谷文晁たにぶんちょうに師事して絵を学び、所沢や江戸を中心に活動。嘉永3年(1850年)、松代藩の御側医師であった高川楽真たかがわがくしんの娘と結婚して養子となり、医師として松代藩に仕え、安政5年(1858年)に亡くなりました。御側医師として仕えながら藩主のもとで多くの作品を描いており、嘉永7年(1854年)のペリー再来航の際、横浜に設けられた応接場の警衛に同行し、応接場内の様子やペリー一行の肖像などを描いた高川文筌たかがわぶんせんとしても知られています。
【指定年月日】平成4年3月2日

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