石川文松筆 琴棋書画図襖絵
更新日:2025年6月20日
襖絵は4枚の絵で構成されており、煤焼けと傷みの激しいことが惜しまれますが、往年の画面が偲ばれる大作です。
琴棋書画図とは、中国において士太夫、文人の嗜みとされた四芸を表したもので、古来漢画の画題として描き愛好されました。
「揮毫図」は、縦162センチメートル×横88センチメートルの襖に描かれています。波涛山水を描いた掛軸を背景に、机上に広げた料紙に書画の揮毫をする高士、側でそれを眺めている3人の高士と従者合わせて5人の人物を描いています。
「書画図」は、縦170センチメートル×横87センチメートルの襖絵です。従者の掲げる山水画の掛軸を鑑賞する2人の高士と3本の巻軸を持つ2人の従者と合わせて5人の人物を描いています。
「棋図」は、縦171センチメートル×横88センチメートルの襖絵です。囲碁を打つ2人の高士とそれを見守る1人の高士。後ろで器物を持つ2人の従者合わせて5人の人物を水墨で描いています。
「琴図」は、縦172.5センチメートル×横88センチメートルの襖絵です。琴を奏でる高士、側でそれに聞き入る2人の高士。盆栽の飾ってある台の前で、煎茶を入れている従者、合わせて4人の人物を水墨で描いています。
年号は明記されていませんが、歴史資料「鈴木家(鈴源)の所沢飛行場と近代を語る資料」の一つ「万覚帳」(天保13(1842)年)に残る旧主屋の建築部材の購入控えなどから、旧主屋新築に合わせて新調されたものとも推測されます。作品の出来栄えと若い時期の作品という点が高く評価でき、所沢ゆかりの画家の技量の高い作品として貴重です。
石川文松は、寛政10年(1798年)青梅に生まれ、絵師を志して谷文晁に師事し、生活をともにしながら画技の修業を積みます。晩年の約20年間は、生地の青梅を離れ、勝楽寺村や三ケ島村(いずれも現在の所沢市)で絵師として生活を送りました。
【指定年月日】令和7年6月20日
書画図
揮毫図
琴図
棋図
石川文松筆の市指定文化財
所沢市指定文化財(絵画)「石川文松筆 曲水清遊図・蓮花図杉戸絵」
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