鈴木家(鈴源)の所沢飛行場と近代を語る資料
更新日:2025年6月20日
鈴木家は通称「鈴源」と呼ばれ、地域の中核的な役割を果たした名家です。
文書は、文書7,727点、写真及び絵葉書485点、書画類635点、合計8,847点から構成される歴史資料で、江戸時代後期から昭和30年代のものが存在します。明治以降では、松井村時代(明治22年から昭和18年<1889から1943>)に係るものが中心で、明治初期の下新井村時代も含め、同家が地域行政の中核を担っていたことから、村政関係資料が多く残されています。このほか特徴的な資料として、所沢飛行場ならびに兵事に係る文書群があります。同家は明治44年(1911)の我が国初の飛行場である所沢飛行場開設の際の用地提供者であり関係資料が100点以上残されています。在郷軍人会長を長く務めたため、明治、大正、昭和戦前期の軍事関係の情報や地域における兵事の活動がうかがえる文書は貴重です。また、農家経営に係る文書群は、同家所蔵の養蚕用具(有形民俗文化財)とも相俟って、農家として、また地域のリーダー的存在として養蚕の近代化を進めたことがわかるものです。同家にかかわる私文書や広告等の印刷物や刊本類は、交友関係を知ることができるほか、印刷物等は地域文化の様相を垣間見ることのできるものであり、全体として貴重な文書群と言えます。
写真・絵葉書については、写真は社会的なつながりを示す集合写真や飛行場関係の写真、絵葉書は航空関係のほか地域の名所・風景、観光地など多彩な資料群です。
書画類については、掛け軸、扁額、色紙、短冊など形態は様々ありますが、書は195点あり、明治、大正、昭和の時代の同家と交流のあった書家、所沢飛行場関係者、政治家、文化人のものが集められています。なお、絵画は284点あり、所沢ゆかりの絵師の作品のほか趣味で購入した収集品などです。ほかに錦絵など印刷物が156点あり、同家及び地域の文化活動を知る資料群といえます。
なお、文書からは、有形民俗文化財「鈴木家(鈴源)の生業と社会生活を語る民具」に関わる記録も確認できます。また、本件の資料は同家が郷土絵師の絵画「石川文松筆 琴棋書画図襖絵」を描かせるほどの家格であったことを示すものでもあります。
全体として、松井地区はもとより所沢市の近代のあゆみを今に伝える貴重な資料です。
【指定年月日】令和7年(2025)6月20日
鈴木家の歴史資料
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