鈴木家(鈴源)の生業と社会生活を語る民具

更新日:2025年6月20日

 鈴木家は通称「鈴源」と呼ばれ、地域の中核的な役割を果たした名家です。
 同家の民具は、同家の暮らしや生業、折々の行事や儀礼、信仰、地域社会での役割、所沢飛行場との関わり等を示すと共に、所沢市の近代のあゆみを物語る貴重な資料です。本資料は848点から構成される有形民俗文化財です。
衣食住を伝える資料
 筆すべきはハレの飲食器類であり、祝儀の人寄せ時に用いられた漆器の吸物椀30人前3箱をはじめ、祝儀不祝儀の本膳とする猫脚膳と親椀・汁椀・壺・平の一式が揃っており、椀には同家の通称である「鈴源」の文字が入れられています。
生業を伝える資料
 養蚕用具は、蚕室暖房用の火鉢や温度計にはじまり、蚕卵紙、蚕種箱、蚕座、掃き立て用具、飼育用具、給桑用具、上蔟用具、収繭出荷用具、製糸用具に至るまで作業工程を追ったほぼすべての用具が揃っており、内容が充実しています。また、生絹製作用具と製品の生絹及び原料の生糸については、これまで市域において確認されていなかった生絹生産の事実を証明するものであり、所沢の織物文化の定説を修正する発見となりました。
地域社会での位置付けを伝える資料
 贈答・社交用具では、同家の功績に対して贈られた記念品が多数あり、所沢町上水道布設記念盃、所沢市市制施行記念盃、所沢市庁舎新築落成記念金杯、所沢病院開院記念銀杯、所沢陸軍病院増築落成記念盃、所沢中学校新築記念盃、松井小学校改築記念風呂敷、所沢演芸館創立記念盃、所沢飛行場駅開通記念盃等、いずれも所沢市の行政史や教育史及びマチ場や所沢飛行場の歴史を語る上で欠かせない貴重な資料です。併せて、松井村役場改築記念盃、松井村衛生組合銀杯など同家の地元に関わる記念品も多く、同家の尽力ぶりがうかがえます。

【指定年月日】令和7年(2025)6月20日

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