若い世代のヘルスケア「プレコンセプションケア」について

更新日:2024年4月1日

プレコンセプションケア(プレコン)とは?

プレ(Pre)は「~の前の」コンセプション(conseption)は「受精・懐妊」という意味で
プレコンセプションケアは「妊娠前の健康管理」という意味です。
つまり、若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うことです。
現在は妊娠を考えていなくても、プレコンセプションケアを生活に取り入れることで、今の自分がより健康になり、より豊かで幸せな人生へと導いてくれます。

プレコンセプションケアの目的

プレコンセプションケアの目的は3つあります。
(1)若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうこと
(2)若い世代の男女が、将来より健康になること
(3)健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること

なぜ今、プレコンセプションケアなの?

●不妊の増加
「生理不順を放置していた」「生理痛を我慢していた」などが将来の不妊の原因になることがあります。
●リスクある妊娠の増加
若い女性のやせや肥満、喫煙、持病、出産年齢の高齢化などが、リスクの高い妊娠の可能性を高めると言われています。
●人生100年時代をいきるために
子どもを持つ選択をするかしないかにかかわらず、プレコンセプションケアを生活に取り入れることで、より豊かな人生につながります。
つまり、プレコンセプションケアを行うことで、妊娠前にリスクを減らし、健やかな妊娠・出産、さらには生まれてくる赤ちゃんの健康に繋がります。
そして、今の自分がさらに健康になり、より豊かな人生を実現することができます。

まずは、いまの自分を知ろう!

(1)男女の違いや性の多様性とは?

●男女の違い
性別は染色体によって決まり、成長するにつれ男性と女性の性差が現れます。
男性と女性ではこころの健康にも違いがみられ、女性は月経前や妊娠・出産後にホルモンの働きでこころが不安定になることがあります。
しかし、性別にかかわらず20代の死因の第1位は自殺といわれ、こころのケアは男女ともに必要です。
●性のありかたは、人それぞれ
性のあり方に関わる4つの要素として
(1)生物学的な性(からだの性) (2)性的指向(好きになる性) (3)性自認(自分の性) (4)性の表現(自分らしさの性)があると言われています。
また、マジョリティ(多数派)に対して少数派をマイノリティといい、性を構成する要素に関して少数派のことを性的マイノリティと呼んでいます。
LGBTQは、性的マイノリティの中でも代表的な以下の5つのカテゴリーの頭文字を合わせたもののことです。
L:レズビアン…同性を好きになる女性
G:ゲイ…同性を好きになる男性
B:バイセクシャル…同性を好きになることも異性を好きになることもある状態
T:トランスジェンダー…出生時に割り当てられた性別とは異なる性別に属する状態
Q:クエスチョニング…自分のセクシュアリティを探索中の状態
あくまで性の概念のことを指します。100人いれば100通りの性のあり方があると考えるのが良いでしょう。

(2)適正体重を知ろう

あなたにとっての適正体重はどのくらいでしょうか?
BMI(体格指数)であなたの適正体重を計算してみましょう。
BMI(体格指数)とは:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の値。
例)身長170センチメートル、体重60kgであれば
  BMI:60÷1.7÷1.7=20.76
やせ(MBI18.5未満)は、貧血や骨粗しょう症といった病気の原因になるだけでなく、低出生体重児など将来の赤ちゃんの健康にもかかわります。
また、肥満(BMI25.0以上)は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧などのリスクを高めます。
適正な体重を維持できるように心がけましょう。

(3)適度な運動

プレコンセプションケアでは、1週間に「150分」の運動を目安にしています。
運動する習慣のない方は、今の生活に「エレベータをやめて階段を使う」「一駅分歩く」など、できることから始めてみませんか?

所沢市ではアプリを利用しての健康づくりを応援しています。
詳細はこちらからご確認ください。

(4)ストレスと上手く付き合う

ストレスをためすぎると心身の不調や病気につながってしまいます。
ホルモンバランスの乱れや生理不順などになり妊娠しにくくなります。
妊娠に関わらず、過度なストレスは心身に悪影響を及ぼします。自分なりのコントロール法や解消法を見つけてみましょう。

(5)基礎体温をはかってリズムを知ろう

基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか使っていないときの体温のことをいいます。
起床後寝たままの状態で、舌の裏側の付け根に婦人体温計を当てて測定します。
女性のからだは、ホルモンの影響で基礎体温が周期的に変化します。
ご自身のからだのリズムや状態を知るために基礎体温をはかってみましょう。
基礎体温が正常なパターンで変化しないときには、妊娠やホルモンバランスが乱れている可能性があります。
基礎体温表を持って婦人科を受診してください。

生活を整えよう!

(1)食事の栄養バランスを整える

1日3食が基本であり、彩をよくすると栄養のバランスが整いやすくなります。
妊娠前から食生活を改善することは、妊娠しやすい体をつくるだけではなく、生まれてくる赤ちゃんの健康にもつながります。
また、若い女性に多い貧血は、妊娠後の早産のリスクを高めると言われています。
貧血予防に効果的な食品(卵、あさり、レバー、ほうれん草など)を積極的に取り入れましょう。
所沢市では、市民の方向けに以下の教室を開催しています。
母親学級
ファミリー食育教室
ステキな大人の健康食教室

(2)葉酸

妊娠前から初期にかけて、葉酸というビタミンを摂ることで、赤ちゃんの神経管閉鎖症という病気の予防につながります。
妊娠を希望する女性は緑黄色野菜を積極的に取り入れ、サプリメントも上手に使いながら葉酸を摂取しましょう。
1日に400μg摂取することが推奨されています。

(3)歯と口の健康

妊娠すると口腔環境が悪化しやすく、歯周病にかかっていると早産や低出生体重児につながることがあります。
若いうちから、かかりつけ歯科医を持ち定期的な歯科検診を習慣にしましょう。
デンタルフロスなど歯間清掃用具を使ったセルフケアも歯周病予防に効果的です。
歯周病や歯磨きのポイントについて、詳しく知りたい方は以下をご確認ください。
気になる歯周病

(4)質の良い睡眠

睡眠は、心と体のメンテナンスに大切な生活習慣です。
質の良い睡眠は、日々の疲れを回復させるだけでなく、ホルモンバランスを整えてくれます。
一般的に、個人差はありますが1時日の睡眠時間は6~8時間が理想的と言われています。

(5)禁煙してみませんか?

タバコの煙には、ニコチンやタールなど約200種類の有害物質や発がん物質が含まれています。
これらの有害物質は、喫煙者だけではなく周囲の人にも健康被害をあたえます。(受動喫煙)
なんと!喫煙者が吸い込む煙(主流煙)より、周りの人が吸い込む煙(副流煙)の方が多く含まれています。
喫煙している本人には、脳卒中、心筋梗塞、がん、慢性閉塞性肺疾患などのリスクがあります。
また、周囲の方が妊娠中であれば、流産や早産の原因になり、産まれてくる赤ちゃんに低体重や知能の発達の遅れなどの影響をあたえます。
まだ、妊娠を考えていない人を含め、妊娠する前から禁煙に取り組みましょう。

(6)アルコールは控えめに

お酒は適量なら緊張やストレスを和らげたり血行を促進したりするなどの効果がありますが、飲みすぎには要注意です。
生活習慣病をはじめとする、さまざまな病気の原因になります。
女性は男性に比べアルコールのダメージを受けやすいと言われています

ワクチン接種や検査を受けよう!

(1)感染症について

若い世代の方で性感染症が増えています。性感染症の中には不妊の原因になったり、赤ちゃんの健康に影響を及ぼす可能性があります。
検査を受けて早めに発見し、治療を行うことが重要です。パートナーがいる場合は、お互いに感染することがない
ように、パートナー間で予防・治療に取り組むことが大切です。
狭山保健所では、無料で性感染症の相談や検査(HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、クラミジア)を受けることができます。
詳細は以下をご確認ください。
エイズ検査等血液検査を実施しています(外部サイト)(狭山保健所ホームページ)
妊娠中にかかると、赤ちゃんに影響を与える恐れのある感染症があります。
風しん、麻しん、水痘(みずぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたぶくかぜ)はワクチン接種で予防することができます。
ただし、妊娠中はワクチン接種ができず、接種後2か月は避妊が必要です。
女性だけではなく、パートナーや家族もワクチン接種をして妊婦さんに感染させない環境を作ることが大切です。
ワクチン接種は自費ですが、風しんワクチンは助成を受けられる場合があります。
詳細は、以下をご覧ください。
妊娠を希望する女性等の風しん任意予防接種接種料の助成について

(2)健康診査は毎年受ける!

「健康に自信があるから大丈夫」「気になる症状がないから大丈夫」「問題なかったから、来年はいいか」と思わずに、
ぜひ毎年健康診査を受けてください。あなたの体は日々変化しています。今年の健康診査の結果が良くても、来年も同じとは
限りません。1年に1回は、健康診査を受けて、ご自身の体調を確認してください。
所沢市国民健康保険にご加入の方
所沢市国民健康保険では、以下の健診を実施しております。
30歳代健診
特定健康診査・人間ドック助成制度
※30歳代健診、人間ドック助成制度には保険税納付状況の要件があります。
健康保険組合等、お勤め先の被用者保険にご加入の方
健康診査の実施については、お勤め先または被保険者証に記載されている健康保険組合等へお問い合わせください。

(3)がん検診、受けていますか?

ご存じですか?
現代の日本では2人に1人は、一生涯において1度はがんになる時代と言われています。
初期のがんは、症状がほとんどなく進行することが多いため、早期に発見するには症状がなくても定期的にがん検診を受けることが大切です。
また、女性は20代から子宮頸がんに罹患する人が増加します。将来の妊娠のためにも、予防と早期発見が重要です。
そのためには、子宮頸がん予防ワクチン接種と定期的な子宮頸がん検診の両方を受けることが大切です。
●所沢市のがん検診については、こちらをご覧ください。
●HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの定期接種について

かかりつけ医を見つけよう!

あなたの大切な身体のために気軽に相談できる「かかりつけ医」があるといいですね。
日ごろから身体の状態を把握してくれている「かかりつけ医」がいることで、病気の早期発見や重症化を予防することができます。
女性は、「婦人科」のかかりつけ医を持っておくとよいです。
婦人科では、妊娠・出産や、女性特有の病気の治療だけでなく月経や更年期に関することなど、女性ホルモンとの上手な付き合い方についても相談することができます。
また、若い世代の方であれば、生理のこと、低用量ピルの処方についてなども相談することができます。

プレコンンチェックシート

女性も、男性もプレコンセプションケアが必要なのがわかりましたね。
まずは、チェックシートで現在のご自身の健康状態について振り返ってみませんか?
できることから始めてチェック項目を1ずつ増やしていけるといいですね。
プレコンチェックシート(外部サイト)(国立成育医療研究センター「プレコンセプションケアセンター」)
※チェックシートには、女性用・男性用があります。

もっとプレコンセプションケアについて知りたい方へ

お問い合わせ

所沢市 こども未来部 こども家庭センター
住所:〒359-0025 所沢市上安松1224番地の1 所沢市保健センター内
電話:04-2991-1817
FAX:04-2995-1178

b9911817@city.tokorozawa.lg.jp

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