令和7年11月号 岡田一さん(暮らすトコロマーケット実行委員会委員長)

更新日:2025年10月27日

プロフィール

岡田おかだ はじめさん

(市内在住)

普段のstudioすたじおcaravanきゃらばんは鉄工所兼家具工房。時折、工芸作家を招聘しょうへいし、企画展やマーケットを開催し、交流の場となっている。

最近は年1回のペースで台湾にも出展。久しく離れていた中国語の勉強を再開している。

暮らしと暮らすトコロを見つめて

毎年11月に開催される「暮らすトコロマーケット」(本紙7面)は、クラフト、アート、食と農、音楽が融合した市内最大級のマーケット。その発起人で実行委員長を務めるのが岡田一さんだ。
 
鉄工所の長男として生まれ、柳瀬小学校、柳瀬中学校を卒業。1学年3クラスの小さなのんびりとした環境で育った。目立つタイプでも、目立ちたいタイプでもない物静かな少年は、中学生のときにラジオ番組で紹介されたザ・ビートルズに出会い、大きく変わり始める。彼らの生き方や思想、作り出した音楽を知るほど、魅せられた。親に買ってもらったアコースティックギターを弾き、英語の勉強にも熱中した。いとこがイギリスに留学したこともあり、海外への興味が湧き上がった。
 
1972年の日中国交正常化以降、テレビドラマ「西遊記」が人気を博したり、日本の歌手が中国でコンサートをしたりと、1970~80年代は中国のことが盛んに取り上げられていたこともあり、自身の中国への関心も大きくなっていた。ついに1989年、大学2年生のときに横浜港から中国へ旅に出た。期せずして、天安門事件の直後のことだった。大学では社会科の教員になろうと教職課程もとったが、秘境専門の旅行会社に就職した。その選択の背景には、学生時代に日本とは全くモノサシの異なる世界をのぞいたことやバブル景気に沸く社会への違和感もあったかもしれない。旅行会社では、旅行手配やプランニング、添乗など海外を飛び回る数年が続いた。その後転職したが、旅行ライターとして働くなど、気持ちは依然として海外へ向いていた。 
 
しかし、旅に関わる仕事の中で「これからの、この先の人生をこんなふうに生きていきたい」と思える答えが見つかった。それは、日常の暮らしに目を転じることだった。工芸品や家具が好きだっだこともあり、最終的にインテリア業界に落ち着いたが、そこでは海外で作られた商品を安く仕入れて大量に売りさばくことが求められた。売上げの数字と効率性の世界で働くことは心身が疲弊する日々だった。
 
そんなとき、インテリアと家業の鉄工とを組み合わせて何か生み出せないだろうかと思い至る。父親に溶接を教わりながら、独学で家具を作り始め、2010年に鉄工所の一角に「studio caravan」をオープンさせた。
「作り手が真剣に作った作品をぜひ、ゆっくり見てください。そしてマーケットを通して、日々の暮らしと暮らすトコロを見つめるきっかけにして欲しいです」と岡田さん。暮らすトコロマーケットのひとつ
のテーマは、所沢に300年間続いてきた三八さんぱちの市を現代の解釈で再構築したマーケットであるということ。所沢の歴史へのオマージュも込められている。
 
今秋はマーケットに足を運び、自身の暮らしを見つめてみたい。
(取材:上地)

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