令和7年6月号 高室冴綺さん(車いすテニス日本代表)
更新日:2025年5月27日
プロフィール
車いすテニス日本代表・高室冴綺さん
高室 冴綺さん
市内在住
フラワーヒルにあるテニスコートで日々練習に励む。オフの日はグランエミオ所沢でショッピングをしたり、自宅でひたすらゲームをしているという高室さん。
所沢市ゆかりのアスリートに認定されている田中愛美選手とは大の仲良し!2人で旅行にも行くほど。
憧れを力に 背中を追いかけて広がった世界
「パコーン!」という快音とともに相手コートに鋭いショットを決めるのは、車いすテニス日本代表の高室冴綺きさんだ。
たゆまぬ努力を積み重ね、2017年から日本代表として活躍し続けている高室さん。だが、これまでの道のりは決して
平坦なものではなかった。
鬼ごっこで走り回ったり、体を動かして遊ぶのが昔から好きだったという高室さん。高校では運動部に入部し、毎日楽
しく部活に励んでいた。
ある日、いつものように部活をしていると、ふと足の痛みが気になった。そのときは高校1年生ということもあり、軽い成長痛程度にしか思っていなかったが、足の痛みは日に日に増していき、とうとう歩くことができなくなってしまう。この病気が原因で、車いすでの生活を余儀なくされた。
自由に動けなくなってしまったことで、人に会いたくないという思いが次第に強くなり、気づけば家から出ない日も多く
なっていった。
「このままじゃだめだ」と思い、東京で開催されたパラスポーツ体験イベントに参加し、ここで初めて車いすスポーツの存在を知る。元々テニスに憧れがあった高室さんは、真っ先に車いすテニスが体験できるブースへ向かった。
「楽しい!」。率直にそう感じた高室さんは、時間を忘れて楽しんだ。この体験会をきっかけに、高室さんの車いすテ
ニス人生が大きく動き始める。
車いすテニスができる施設でアルバイトを始め、終業後は毎日のように練習に励み、見る見るうちに上達していった。
2014年、高室さんはここで初めて大会に挑む。しかし、結果は初戦敗退。そ
の悔しさをバネに練習を重ねるも、次の大会でも初戦敗退。車いすテニスの厳しさを痛感した。
思うような結果が出ず、競技を続けるか悩んでいたとき、国際大会を観戦する機会があった。そこで世界を相手に戦う上地結衣選手のプレーを観て、同い年で、自分よりも体の小さい上地選手がパワフルに戦っている姿に衝撃を受けた。それと同時に、「追いつきたい」「同じ舞台に立ちたい」という思いがこみ上げ、そこからは自分に厳しく、来る日も来る日も猛練習を重ねた。そして2017年、ついに強化指定選手として選ばれ、日の丸を背負って戦うメンバーとして招集された。必死に追いかけていた憧れの選手に、ようやく近づくことができた。
「市民の方々の応援が、いつも力となり、自信に繋がっています」と、市民に感謝の思いを語ってくれた。次は6月に
パリで行われる全仏オープンでベスト8入りを目指す高室さん。所沢からみんなでエールを送りましょう!
(取材:関)
鋭いレシーブを返す高室さん
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