令和3年2月号 森川加奈子さん(県立所沢西高校OG・元吹奏楽部部長)

更新日:2021年1月27日

プロフィール

森川加奈子もりかわかなこさん

(東所沢在住)

3 月に卒業を控えた大学4 年生。所沢西高校在学中から同校の被災地ボランティアに参加し福島県を訪問。卒業後も継続して活動を行う。高校で部長を務めた吹奏楽部ではバリトンサックスを担当。最近は、アコースティックギターを猛練習中。

所沢から 被災地の「未来」をつくりたい

3月11日。10年前のこの日、東北地方太平洋沖で発生した地震は多くの人の人生を変えた。当時、小学6年生だった森もり川かわ加か奈な子こさんもその一人。「あの時の衝撃は今も鮮明に覚えています」と振り返る。
高校受験を控えた中学3年生の時、所沢西高校のパンフレットで同校が被災地ボランティアを行っていることを知った。「興味はあるけれど何をしたらいいのだろう」と悩んでいた自分に、同校の活動は一歩踏み出す勇気をくれた。

同校では、生徒たちの「西高では何かやらないんですか?」という呼びかけに共感した教師・保護者・生徒らが、震災の年の夏に福島県小名浜地域を訪問。以来、約10年にわたり継続して被災地支援や交流を行ってきた。同校に進学した森川さんが初めて被災地を訪れたのは平成26年の夏。高校2・3年生の時には吹奏楽部の部長として現地の公民館などでミニコンサートを開催し、音楽を通じて交流を図った。
印象に残っている出来事がある。「復興ソングを演奏しようとした時、『震災を思い出してつらい』という声があり、急遽演目を変えたことがありました」。現地の人々の気持ちが自分に理解できるのかと悩むこともあったが、彼女を動かしたのは「継続する大切さ」。「次第に出来上がる堤防だけでなく、変わっていくのは人々も同じ。人々の心に寄り添い続けるには、何度も現地に行く必要がありました」。

卒業後は、進路が決まった3年生や他の卒業生と一緒に、例年1万人以上が参加する復興イベント「いわきサンシャインマラソン」のボランティアとして再び被災地を訪問。沿道からランナーを演奏で応援したり、走路の設営をしたりと汗を流した。

この春から社会人になる森川さん。「これからの私たちにできることは、被災地の『未来』をつくるお手伝いだと思います」。森川さんも交流した福島県のいわき海星高校はこの4月に現地の小名浜高校と統合する。これまでの交流の縁もあり、新たに誕生する高校の新校歌を所沢西高校吹奏楽部の元顧問が作曲。吹奏楽部や有志の生徒、森川さんら卒業生、呼びかけに賛同した所沢高校の生徒らの合唱で音源化することになったのだ。まさに被災地ボランティアがつないだ、被災地の「未来」をつくる試みだ。

あの日からまもなく10年。人々の頭から震災のことが薄れつつあると感じる森川さん。「3月11日は今年もやってきます。地震があった午後2時46分は、少しでも被災地に心を向けてほしい」。その日まであと約1カ月。所沢から被災地に思いを寄せたい。(取材:宮崎)

取材協力:所沢西高校・所沢高校

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