平成29年4月号 川口史樹さん(品種茶専門店「心向樹」代表)

更新日:2017年4月1日

プロフィール

川口かわぐち 史樹ふみきさん

お茶の品種を扱う全国初・唯一の専門店「心向樹しんこうじゅ」代表。
お茶の品種の個性を生かすマーケティングを提案し、平成27年度所沢市新規創業ビジネスプランコンペで最優秀賞に。

心と向き合い、心を潤すお茶の感動をあなたに

もとは、小学生の頃からハンドドリップで入れてブラックで飲んでいたくらいのコーヒー党。「でも、そんな自分がハマるくらいに、日本茶の世界は奥が深かったんです」と川口史樹さんは笑います。
「例えば4月のおすすめは、何と言っても『おくはるか』という品種。桜葉を思わせる香りで、入学シーズンやお花見にぴったりです」。
大学院で樹木を研究し、製紙会社に研究職として入社。紙の原料となる木の栽培や新しい品種の開発などに携わっていました。会社が新規に立ち上げた農業部門への配属が、転機のひとつ。「野菜苗では後発となる。それならお
茶の苗を作って売ろう」。日本茶の世界との出会いでした。
 「狭山・宇治など『産地』で区別されるけれど、お茶の『品種』が意識されることは、ほとんどありません。それは、日本茶はブレンドされて流通するのが当たり前だったから。安定した品質と価格で供給ができますが、代償になっていたのが品種の個性でした」。

おもしろいことに、異なる品種のお茶を飲み比べてもらうアンケートを行ったところ、価格や業界の評価に関係なく、好みが分かれました。品種の個性に着目したお茶の小売りの可能性が見えてきました。
仕事を通して、所沢の狭山茶生産者をはじめとする全国の茶農家とのつながりもありました。お茶の品種の個性と生産者を熟知している自分だからこそ、できる事業がある。創業を考え始め、市の「開業ゼミナール」に参加。「新規創業ビジネスプランコンペ」に応募し、見事最優秀賞を獲得しました。

川口さんの受賞をきっかけに、知人の茶業者、増田義紀よしのりさんが翌年度のコンペに応募し、優秀賞を受賞。「お茶で、大好きな所沢が魅力あふれる新しいまちに変わろうとしています。その力になりたい」と川口さんは語ります。
品種茶専門の小売りと卸売り、セミナーが事業の三本柱。最近、業者だけでなく、地元での一般向けの講演や講座の依頼が増え、地域との連携の深まりに新たな手ごたえを感じています。
自分の名前の一文字を充てた店名「心向樹しんこうじゅ」は、「心むき」とも読めます。心を大切にしたいという思いを込めました。「心と向き合い、心を潤すお茶。100種類以上もあるからこそ、どんな人にも好みにぴたりと合う品種があるはずです。普段お茶を飲まない人に感動を味わってほしいです」。
少しずつ仲間を増やし、お茶の流通の流れを変える。いつかお茶がワインのように産地と品種で呼ばれる日を、川口さんは夢見ています。
(取材:加賀谷)

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