令和5年2月号 足立 圭子さん(おおたかの森トラスト 代表)

更新日:2023年1月27日

プロフィール

足立あだち 圭子けいこさん

(市内在住)

趣味は?と尋ねると「『森』を守ること。
そして未来へ、子どもたちに『森』を残して
いくこと」と即答の足立さん。
一時期体調を崩し車いすでの生活を経験。
「このままでは森を守れない」と、体力づくりに
心掛け、朝晩の腕立て伏せを欠かさない。
過去にはお琴の師範という意外な経歴も。

子どもたちと共に平地林へいちりんを守り育てて30年

 「武蔵野の平地林へいちりん」をご存じだろうか。所沢をはじめ埼玉県西部に広がる、江戸時代に人々が生活するために開拓造成した「森」。人の手を加え、育てる「森」。放置すれば、「森」は荒れ果て、荒廃する。それを防ぐためには「森の再生」をしていく必要がある。
 トレードマークの赤い割烹着かっぽうぎは、「活動場所である『森』で私を見つけやすいようにするため」と話すのは、昨年秋の褒章で、緑綬褒章りょくじゅほうしょうを受章した「おおたかの森トラスト」代表の足立圭子あだちけいこさん。長年にわたるボランティア活動に従事し、顕著な実績を挙げたことが認められての受章となった。

 
 「豊かな自然の中で子育てをしたい」と足立さんが都内から所沢に転居したのが約50年前。ある日、小学校のPTA活動の一環で、地域の自然環境を学習する機会があった。そこで知ったのは、緑豊かだった自然が開発によって急激に失われていることと、不法投棄された家電製品、建築資材や自動車などでゴミだらけになっている惨状。
 講師が語った「地域の自然は、地域の住民が守るもの」という言葉が胸に響いた「お母さんたち」。「ゴミは人間が捨てたもの。だったら人間が拾えばいいじゃない!」とゴミ拾いの活動を開始。同時に「武蔵野の『平地林』」についても学習していった。しかしその一方で、「森」が次々に売られて開発される現実に直面。「森」を買い取る活動が急務と悟った足立さんたちは1994年6月に「おおたかの森トラスト」を設立。
 「おおたかの森」という名称は、単に鳥の「オオタカ」を守るだけではなく、生態系の頂点に君臨するオオタカが生息できる環境は、すなわち人間にとっても生活しやすい環境であるという思いから命名した。

 
 「森の再生」は「萌芽更新ほうがこうしん」という「積極的に手を加える」活動が中心となる。そのために、自然環境の調査研究も行い、どの樹木を伐採し、どの地区を再生させるかなどの計画を立てて活動している。2000年には、子どもたちが主体的に活動できる「こどもエコクラブ」をスタート。足立さんは小学校のビオトープ管理にも協力している。
 「『森』を守り育てる活動は、地域住民や子どもたち、行政など多くの人々の力がないと続けていけない。興味をもった方はぜひ1度参加してほしい」と語る足立さん。今日も「おおたかの森」を仲間とともに守り育て続けている。
(取材:坂本)
 

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