令和8年8月号 侑輝 大弥さん(宝塚歌劇団 花組)

更新日:2026年7月27日

プロフィール

侑輝ゆき 大弥だいやさん(市内出身)

感動を届けたい 夢に向かってまっすぐに

少しのほころびもなく、常に美の圧力がかかると言えるほど、完成された完璧な世界。きらびやかな衣装に身を包み、芝居・歌・ダンス、全てを調和させ、圧倒的な熱量で観客を魅了する。宝塚バウホールで7月28日から上演する『赤と黒』で初主演を務めるのは宝塚歌劇団花組の男役スター、侑輝ゆき大弥だいやさんだ。
   
幼い頃から踊ることが大好きなバレエ少女だった。体を動かすことも好きで、そこに負けず嫌いな性格も加わって、体育の授業ではシャトルランや持久走が得意。そして、絵を描くことも好きで、中学校のときは美術部に所属した。高校のときはダンス部に入り、いろいろなジャンルに触れた。近くのダンス教室でK-POPを習ったことも。踊っているときと絵を描いているときは時間を忘れるほど無心になれた。
  
そんな快活な少女が宝塚歌劇と出会うのは、高校生のとき。授業の観劇で、初めて宝塚という世界を知った。偶然にも同時期に大地真央さんの舞台をテレビで見て、一瞬で魅了された。「この世界に入りたい!」そこから生活は一変した。宝塚音楽学校の合格者は毎年40人ほどの狭き門。「どんな辛いことも、絶対に叶えたい夢があるから頑張れたのだと思います。辛いことも一周まわって幸せという感覚でした」と侑輝さん。負けず嫌いで自分を励ましながら、努力を積み重ね、晴れて宝塚音楽学校に合格した。合格発表の日は今でも忘れがたい思い出だ。ここから始まるんだという明るい希望に満ちた気持ちと、胸が締め付けられるような何とも形容しがたい気持ちが混ざり、胸がいっぱいになった。本科生が作る伝統の花道を歩いて、合格を実感できた気がした。
  
響きが覚えやすい名前がいいねと家族と相談して芸名を決めた。侑輝の侑は、「助ける、思いやる」という意味を込めて両親が付けてくれた字。大弥の弥は、「豊かに広がっていく、満ちていく」という意味があり、芸名の自分が大きく成長していけるようにと願いを込めた。
  
2016年の初舞台から一歩一歩進んできた。『赤と黒』の初主演は今までで最大の挑戦だ。10月からの『エリザベート-愛と死の輪舞ろんど-』への出演も決まっている。日々の公演に加え、芝居、歌、ダンスそれぞれの稽古、役作りの研究と多忙な中、日常の立ち居振る舞いから、あらゆる場面で最上を求められる。かつて自分がそうだったように、今は自分が観る人に感動を届けたい。夢に向かう過程の困難さは、形を変えた幸せの大きさだともう知っている。だから全身全霊で挑戦していきたいと語る。これからも舞台で輝く侑輝さんから目が離せない。(取材:上地)

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